【登山靴】人気のスポルティバ エクイリビウムで山歩き

山のアイテム

今年は諸事情で体力の低下が著しかったため、いい靴を履いて体力をカバーしようと思って、いろんな人が「いいよ」とおすすめしている、スポルティバのエクイリビウムを購入してみました。

エクイリビウムは、昨年より販売価格が上がって、夏山の登山靴としてはかなり高級です。
買うのをためらう方も多いかと思います。

実際に履いてみて、日帰り、1泊2日、2泊3日の山歩きをして、メリット・デメリットを感じましたので、がちwレビューしたいと思います。

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好みは柔らかくて軽い…だけど

昨年購入した登山靴がモンチュラのヤノテクノ
紐が2段階で調整できるため足に合わせやすく、軽くて柔らかいアプローチシューズで自分好みでした。

ただ、北アルプスで3日間のテント泊をした時に、3日目に指が靴に当たって痛くなったので、長く歩くのに適した靴がほしいのと、残雪期に冬の雪山靴を履いて登ったら重すぎたのでアイゼンがつけられるしっかりした靴がほしいと思っていました。

何人かの登山仲間から「スポルティバのエクイリビウムがいいよ」とオススメされたのですが、昨年は人気すぎて品切れ。
お店で登山靴を見ていたら、今年の春から続々と入荷のあった「エクイリビウム」が陳列されていました。

フィッティングしたらとても履きやすい。足をいい感じでくるんでくれてフィット感もGOOD。正直、スポルティバって足型が細いイメージで、「the日本人」の自分の足には合わないかと思っていたのですが、驚くほどしっかり足に合いました。ハイカットだけど足首のところは柔らかくて足が入れやすい

足首のところは柔らかく履きやすい

ソールがしっかりしているので、岩稜を歩くにも足が疲れず、ハイカットが足首を守ってくれるので安定感がある。特に北アルプスに行くにはオススメの靴だそうです。
ソールは張替えもできます。

靴にはちゃんとコバがついていて12本爪のアイゼンもつけられそう。
お店の人がわざわざ、私がもっているペツルの12本爪のアイゼンを靴に取り付けてくれてみたところ、問題なくはまるのも確認できました。

メリットは「履き心地」「足のガード力」「残雪期も使える」・・・欲しくなってきた!

コバがついていので12本爪アイゼンも装着可

ただ難点が「重たい」でした。ソールはしっかりしているし、ハイカットで足首をしっかりガード。
でもその分重たくて、軽くて柔らかい靴が好みの私には、がっつりしすぎているような気がしました。

そしてもう1つの難点がお値段がお高い!なんと税込60500円でした。
店員さん曰く、この物価高で昨年より1万円ぐらい値上がったそうです。私ごときには分不相応な高級な夏靴です…。

デメリットは「値段」と、「重たい」

もう1つスポルティバのGTXも履いたところ、こちらも履き心地がよくて指にも当たらなかったので、この2つで悩んでいたのですが、GTXとモンチュラのヤノテクノは同じ性質だということで、店員さんも「昨年ヤノテクノを買ったなら、エクエリビウムをオススメします」と言われました。

ということで、思い切って買ってしまいました。スポルティバのエクエリビウム、60000円!
私の夏靴最高の金額!いや、もしかすると雪山の登山靴より高いかもしれない…

ついに購入!たくさん履いて元をとるぞ…w

足慣らしに丹沢で日帰り

新しい靴は履き慣らす必要があるので、まず日帰り登山に行ってみました。
ケーブルカーを使わずに、丹沢の大山の日帰り5時間の行程を急ぎ足で歩きます。

丹沢日帰りでエクイリビウムを履き慣らし

歩いてみた初回の感想は、がっつり守られている…という印象。
ソールが固くて足がしっかりしている分、下山で少し乱暴に下りても足裏のダメージが少なく、着地で足首を捻ることが少ない。バランスを保つのが楽。歩いていても安定感がありました。

ただ、やっぱり「重たさ」は感じました。いつも履いている靴に比べると底が厚くてしっかりしている分、ちょっと重めで脚力が必要。特に登りで足をあげるとき靴が重たいなぁと感じました。またハイカットで足首で靴紐をしっかり締めるため、少し足首が擦れて痛かったです。

底が硬いので岩や石の上に乗ったときの感覚がなく、岩場でも足が疲れず安定して動くことができる

靴が重たい分、スピードを出して歩きたい登山に不向き。ハイカットのため、足首が少し痛い。

正直、丹沢にはもったいない。もう少し岩がゴロゴロしたような山でじっくり歩く登山がよさそうです。

1泊2日の鳥海山で靴の効果を試す

エクイリビウムでの2回目の登山は鳥海山1泊2日。初日が8時間と歩行時間が長く、登りが長いコース。そして山頂付近は岩場です。

1日目は急な上り坂を登っている時にいつもより足が重く感じ、ここでは靴の重さを実感しました。単純に脚力が落ちているのかもしれないけど、足がまだ弱い登山初心者だと靴に負けそう…ベテラン仕様の靴なのかもしれませんね。
歩いていて、少し右の小指の付け根が靴に当たって痛みを感じましたが、こちらは2日めに注意深く履き直したら、全く何も感じず、どうやら履き方が悪かったようです。
岩稜帯はエクイリビウムの最大の良さ。安定感があって、つま先で岩に乗っても体を支えてくれます。

2日目の下山は快調。鳥海山はシュラフやマットを持ったため荷物がやや重ためで、ゆっくり登ったせいもありますが、エクイリビウムにちょうどよい登山でした。靴下も厚めで長いものを履いたため、足首の擦れもあまり感じませんでした。

雪渓では軽アイゼンを装着

履き心地がよいので足が疲れない。安定感があるので下りも転びにくい。岩に乗りやすい。

急登では足が重たく感じる。履き方が悪いと指先や指の付け根などに当たる

荷物が重くてじっくり歩く山に向いてそう。縦走とかいいのかな?

2泊3日の北アルプス縦走

3回目は北アルプス五色ヶ原縦走で履いてみました。3日間、かなりのアップダウンのある行程を長丁場で歩くコースです。

なんと、このとき北アルプスに行ったメンバー全員がエクイリビウム。大人気!歩いている最中でも、色んな人からみんなおそろいの靴ですね…と言われましたw

まさかの全員エクイリビウム


履き心地は良くて、3回目だし歩くのにも苦労はしなかったのですが、1日目は、また指の付け根に当たって痛みを感じました。メンバーの1人も同じ場所が当たって痛いと言っていました。私はテーピングをして、靴下を厚めにして、靴を履く時に足に当たらないように注意して履いたら、2日目以降は当たる痛みはなく、友人も履き直したら痛みがなくなりました。

2日目は10時間の長い行程でした。岩稜帯を歩くときは安定感があって尖った岩に登っても、滑ったり足を捻ったりということがありません。3回目のためか靴の重さにも慣れてきました。

ただ、一緒に行った同じ靴を履いているメンバー全員の意見が一致したのは、靴紐が太くて丸いためか解けやすい
そのため、靴が緩んで、靴の中で足が滑る…特に下りでは、滑ると指先に当たったり、足裏が擦れて痛くなったりしてしまいます。

今回は2日目以降は山をアップダウンする行程が何回も続いたので、下りで少し足裏が痛くなりました。3日目は下りが多いのもあり足裏が滑って擦れてしまい、最後の方はかなり痛かったです。友人の一人は下りで足の指が靴に当たって痛いと言っていました。

これを防止するには靴下と靴との相性も重要だと思いました。3日目は薄手の靴下だっただめ余計靴の中に空間ができて、足が滑って擦れたようです。

五色ヶ原縦走のようなファストハイカーが多い、長くてスピードを要求されるようなルートはむしろ軽い靴の方が身軽だったかもしれません。靴の重さには慣れてきましたが、登山スタイルで靴選びも変わってくるなぁと思いました。

北アルプスのようなガレ場を歩くときに歩きやすい。靴の重さは慣れ。

靴紐が丸くて太いため解けやすく、故に足が緩みやすい。下山などで足が靴に当たるので注意。テーピングや厚めの靴下でカバー。

この靴は岩場が多い登山2泊3日まで。縦走やテント泊にもいいけど、アップダウンが多かったり、スピードが要求されるようなルートには不向き。

ちなみに足指を痛めた友人は「値段の割には…」って呟いてました…w
でも、履きやすさ、歩きやすさでソールを張り替えてもエクイリビウムを使い続ける友人もいます。
私は今後はテント泊と残雪期で使おうと考えています。

雪の丹沢で1泊2日の山歩き

雪がまだ残っているという3月中旬の丹沢登山で、エクイリビウムを履いてみました。
今までの山歩きの中で一番、メリットを実感できました。

焼山登山口から最初は雪はなかったのですが、途中からしっかり雪山のようになってきました。
しっかりした靴だから雪の中を歩いても寒さを感じずむしろ歩きやすいチェーンアイゼンの着脱もスムーズです。
靴紐は緩みがちですが、ベルルッティ結びにすると緩まなくなり、雪山でも問題なく歩けました。

2日目は最初からチェーンアイゼンをつけて歩きました。
風が強い日で、蛭ヶ岳から塔ノ岳へは、木道、土、雪が入れ替わって出てくるような登山道。
どんな状態でもオールマイティーに活躍できるエクイリビウム。木道などはチェーンアイゼンの歩きにくさはあるものの、靴のほうはどの道で問題なく対応できます。

ただ、やっぱり靴の中で足が動いたため、くるぶしのところがこすれたり、下山では指先が当たったりはありましたが、ここは履き方や靴下の厚さを調節すればよかったと思います。

雪山用の靴に比べたら格段に軽いし、夏靴でも雪で冷たく感じない。かつ土でも雪でも対応できるエクイリビウム。
残雪期にチェーンか軽アイゼンで行く山にちょうどいい靴だなと思いました。

・雪でも土でも木道でも、どんな道でも歩きやすい
・雪の中を歩いても、あまり冷たさを感じない
・チェーンアイゼンの着け心地も悪くなく、着脱も楽
・雪山用の靴に比べたら格段に軽い

・くるぶしと足の親指がちょっと擦れた…

予想通り、丹沢みたいな雪や土が混ざった登山道歩きや、残雪レベルの雪山にはちょうどいい靴でした!この靴のメリット実感!

購入した登山靴を比較してみました!

3年間にわたって登山靴を購入してみた結果をまとめてみました。
個人的に一番好きなのはモンチュラのヤルテクノです。軽くて歩きやすく、何しろ色が可愛い!
登山靴の優等生なのではスポルティバのTX5 GTXかなと思います。
エクエリビウムは夏山の登山にはあまり使っていないのですが、残雪期チェーンアイゼン・軽アイゼンをつける雪山に重宝しています。しっかり足を守ってくれるし、寒さを感じにくいのです。
シチュエーションに合わせて使い分けられるので、結局どの靴も満足しています♪

靴名TX5 GTXエクエリビウムヤルテクノGTX
メーカースポルティバスポルティバモンチュラ
お値段35,200円60,500円35,000円
メリット・低山から3000m級まで
幅広くカバー
・日本人の足に合ってる
・重くない
・しっかりした造り
・ガレ場でも安定感がある
・残雪でも冷たくない
・12本爪のアイゼンがつく
・軽い
・靴紐を2箇所で締められるので
フィットしやすい
・フリクションがよく効く
デメリット・残雪やファストハイク
など特定の用途には向かない
・重たい
・靴紐が緩みやすい
・靴の中で足が滑る
・ソールの凹凸が少ないので
すり減りやすい
・ザレ場などで滑りやすい
おすすめの用途登山全般、テント泊など
主に夏山登山
残雪期の登山、
じっくり歩きたい人向け
岩稜帯をメインで歩く登山、
ファストハイク
おすすめ度★★★★★
登山靴比較表