【登山靴】岩稜歩きに最適なアプローチシューズ-モンチュラ ヤルテクノGTX

モンチュラ ヤルテクノGTX
山のアイテム

山登りには登山靴が大事…そう仰って良い靴を履いている登山者さんが多いのですが、私は今まで靴にこだわりがなく、セールで安くなった登山靴ばかり買って、山に出かけていました。運動靴よりはややソールが厚くて、底がゴツゴツしているミドルカットの登山靴を数足持っているので、交互に履いて、だいたい5年で履きつぶす…というスタイルでした。

そのためか、他の人よりも岩稜帯でつまずいたり、滑ることが多いなぁ…と思ったのと、そろそろ今履いている登山靴も危なくなってきたので、今回は岩稜用の靴を奮発して買うことにしました。


その靴のご紹介と、この靴を履いて歩いた感想を書いてみます。

登山靴の好みは軽くてやわらかい

個人的には、ミドルカット、運動靴みたいな柔らかい感じの靴が好みで、底が硬かったり、がっつりした靴は苦手。
今回買った靴は軽くて、運動靴のような感覚で履けて、かつ細かい紐のフィッティングがあるので、どんな足の形でも割と合わせやすい…という靴です。靴のジャンル的には「アプローチシューズ」になるそう。

アプローチシューズとは、クライマーが岩場まで歩くときに履く靴のことを指していましたが、最近は軽くて、フリクション(岩面に摩擦かけて登ること)の効きやすさから、岩場の登攀や日帰や小屋泊など荷物の軽い登山にも使われることが多くなっているそうです。

私が買ったのは「モンチュラ」の「ヤルテクノ GTX ウーマン」で、色はブルーです。
ブルーの靴にピンクの紐が可愛い、女性にも嬉しいデザイン性。

お店で履いてフィッティングしてもらったら、足を包み込んでいるような履き心地でした。
普段から柔らかめの軽い靴を履いているのですが、感覚的にはもっと軽いくらい。
ソールはしっかりしていて、クライミングゾーンがフラットなのでフリクション性(摩擦力)が高いそうです。

つま先のクライミングゾーンがフラット

店員さんには「この靴は北アルプスに履いていくための靴です」と、言われちゃうくらい岩稜歩きに最適。
やっぱり軽さ・柔らかさは岩場での歩きに柔軟性があるし、フリクションがきくから滑りにくい。
それからつま先の細さみたいなものが、ちょっとした岩にも立てるような気がしてしまう。

また、紐が2段階になっていて、つま先側と足首側で別々に緩めたり締めたりできます。靴紐の調整が細かく効くので誰の足にも「シンデレラフィット」というのが店員さんのお言葉。実際にお店で紐を締めてもらったらちょうどいい感じなりました。

真ん中の黒いところで上下に分かれて紐をコントロールできる

ということで、悩みつつも、35,000円の靴をお買い上げ…
私が今まで買った登山靴の中で一番高い買い物になりました。

妙義山に行ってみる

この靴を履いて初めての登山は妙義山。長時間の行程ではないから足慣らしにちょうど良く、岩稜がどれくらい滑らないか試したい…ということで、この靴を履いてみました。

このモンチュラのヤルテクノGTX、日本人の足には少し細いかな…という不安はありました。私は典型的な日本人の足なので、幅の細い靴は苦手。

最初、歩いていると指先があたる感じがじたので、紐をゆるめて調整。足先の方だけ緩めてみました。すると、足が靴に当たらなくなって歩きやすくなりました。

靴紐を調整したら足に当たらなくなった。

岩稜帯もフリクションが効いているのか、いつもの靴のような滑る感じはなく、岩場も安心して歩けたような気がします。

こういう鎖場でも安定感はあり。

妙義山はロープを使って懸垂下降等したので、ちょっと普通の岩稜帯とは違いますが、靴底が滑るような感じはなく、無事に登山する事ができました。

北アルプスにテント泊で行ってみる

その後、北アルプスにテント泊する機会があったので、ヤルテクノGTXを履いて行ってみました。

アプローチシューズで縦走向きではないのですが、店員さんが「私はこれで北アルプスのテント泊も行っちゃいます」と、言っていたのでチャレンジ。

15キロの重い荷物を背負って3日間歩いてみました。

最初の2日間は調子がよかったのですが、3日目は「三俣山荘」から「新穂高温泉」までの9時間近くの長い行程を、重たい荷物を背負って勢いよく歩いたせいか、最後は泣くほど足が痛くなりました。足がむくんだせいか、靴紐の調整が悪かったのか、最後の林道歩きで小指が靴にあたってしんどかった…。

でもこれは靴のせいではなく、テント3日目の長い行程で足が限界に達していたのだろうなぁと思います。

最初の2日間と、3日目の前半も靴に対する不安は一切ありませんでした。
ただ、もしかすると縦走は固い靴の方が足への負担が少ないかもしれません。

越後駒ヶ岳と平ガ岳

越後駒ヶ岳と平ガ岳も同じくモンチュラのヤルテクノGTXを履いて登山しました。

長い日帰りの山を2座、2日間連続で登りましたが、この頃には靴も自分の足にフィットしていて、まったく不安なく登ることができました。

しかも、ガイドさんもモンチュラのヤルテクノを履いて、すでにこの靴を何足もリピ買いしているとのこと。1週間に何日も歩くガイドさんも気に入っているくらいだから、歩きやすいのは確実だと思います。

3人同じ靴だった!
ガイドさんもリピ買いしているそうです

個人的には軽くて柔らかい靴で、ここまで色々歩けて、岩稜が滑りにくいというのはお気に入り。軽く靴が好きな人、特に女性にはおすすめです。
ただ、テント泊縦走は、もう少ししっかりした靴がいいのかもしれないです。
(それでも私は、この靴でテント泊に行こうと思っています!)

ご興味ある人はぜひ、登山用品店でチェックしてみてください!

モンチュラヤルテクノGTX購入後3年…

モンチュラのヤルテクノGTXを丸三年使ってみました。
岩稜歩き、テント泊、縦走、日帰り…かなりの頻度歩いたので、3年ですでにボロボロ…。
日向で靴を乾かしたせいもあり、青色が褪せてしまいました。
かかとも部分も割れてきてボロボロ、靴の布も一部破けています。
そして靴底…もともとフリクションを効かせるために凹凸のすくない靴底はすっかり削れてしまいました…。

ということで…同じ靴を購入しちゃいました!
やっぱりお気に入りの靴はリピートしちゃいますね。

ただ、モンチュラですが、2024年12月で日本の代理店が撤退してしまうので、もう買えないかもしれないです…残念!

購入した登山靴を比較してみました!

3年間にわたって登山靴を購入してみた結果をまとめてみました。
個人的に一番好きなのはモンチュラのヤルテクノです。軽くて歩きやすく、何しろ色が可愛い!
登山靴の優等生なのではスポルティバのTX5 GTXかなと思います。
エクエリビウムは夏山の登山にはあまり使っていないのですが、残雪期チェーンアイゼン・軽アイゼンをつける雪山に重宝しています。しっかり足を守ってくれるし、寒さを感じにくいのです。
シチュエーションに合わせて使い分けられるので、結局どの靴も満足しています♪

靴名TX5 GTXエクエリビウムヤルテクノGTX
メーカースポルティバスポルティバモンチュラ
お値段35,200円60,500円35,000円
メリット・低山から3000m級まで
幅広くカバー
・日本人の足に合ってる
・重くない
・しっかりした造り
・ガレ場でも安定感がある
・残雪でも冷たくない
・12本爪のアイゼンがつく
・軽い
・靴紐を2箇所で締められるので
フィットしやすい
・フリクションがよく効く
デメリット・残雪やファストハイク
など特定の用途には向かない
・重たい
・靴紐が緩みやすい
・靴の中で足が滑る
・ソールの凹凸が少ないので
すり減りやすい
・ザレ場などで滑りやすい
おすすめの用途登山全般、テント泊など
主に夏山登山
残雪期の登山、
じっくり歩きたい人向け
岩稜帯をメインで歩く登山、
ファストハイク
おすすめ度★★★★★
登山靴比較表