【雪の丹沢主脈①】焼山登山口から蛭ヶ岳へ

雪の蛭ヶ岳
関東・東海

夏山に向けてのトレーニングで、丹沢主脈を縦走してきました。3月半ばの暖かい春の日でしたが、先週ふった雪の影響で、蛭ヶ岳までの道のりは、まさに雪山…。こんな近場で雪山が楽しめるなんて!蛭ヶ岳山荘からみた富士山の隣に沈む夕陽も美しく、丹沢の魅力を再発見しました。

【行程】
往路:橋本駅→[タクシー]→焼山登山口
1日目:焼山登山口(8:00)→焼山(10:00)→黍殻山避難小屋(11:30/12:20)→姫次(13:10)→蛭ヶ岳(15:30)→蛭ヶ岳山荘泊

2日目:蛭ヶ岳山荘→丹沢山→塔ノ岳→花立山荘→大倉バス停
復路:大倉→渋沢駅(小田急線)

【蛭ヶ岳】
神奈川県最高峰、丹沢山系、標高1673m。
ヒルが多い山だから蛭ヶ岳かと思っていたら、猟師が使う山頭巾(ヒル)に山容が似ているとか、毘盧遮那仏(びるしやなぶつ)を祭ったからとか名前の由来は他にもあるそうです。
丹沢の中でも深い場所に位置しているので、どの登山口からも5時間程度はかかる遠い山です。
登山レベル:★★★☆☆(初級〜中級 ※ルートや行程による。日帰りや1日縦走だと体力が必要です)

※5月にこのルートを歩いた記録は以下のブログでも公開中!

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焼山登山口より登山開始!

朝7時に橋本駅に到着し、タクシーで焼山登山口へ向かいます。平日はバスもあるのようなのですが、休日はバスがないためタクシーでのアクセスとなります。
3月の晴れた暖かい土曜日、春の登山日和です。麓の街には早咲きの桜も咲いていて、夏山シーズンの到来を告げています。
タクシーで山道を走ること約40分、焼山登山口に到着しました。料金は約8000円でした。

焼山登山口…思い返せば6年ほど前の5月に、ヒルに追いかけられるようにして登って以来、ここには足を踏み入れていなかった、まさに禁断の地です。
登山口前にある神社とその裏手にお手洗いがあるので、ここで身支度を整えて、いざ丹沢主脈の縦走を開始します。

焼山登山口
登山口にある神社

焼山登山口
神社の裏側に公共のお手洗いがあります

焼山登山口
焼山登山口のバス停。休日はこの時間帯のバスはありません。

しばらくは林道を歩きます。空は青く、早朝でもそれほど寒くない早春の割に絶好の登山日和です。
住宅の横を抜けて、林の中の道を歩き、登山スタート地点へ15分ぐらい歩きます。
なんとなく見覚えのあるゲートを抜けて、少し歩くと登山道へそれる山道があり、その前に「ヤマビル注意!」の大きな看板がありました。そうそう、ここから登っていったんだっけ…

焼山登山口〜焼山
しばらく林道を歩く

焼山登山口〜焼山
焼山へのゲート。作業用の車が入ります

焼山登山口〜焼山
ゲートから数十メートル歩くと登山道に入ります

ヤマビルの活動は5月〜11月ですが、今はまだ寒い3月。ヒルも地中で眠っているに違いありません。
今回はヒルに怯えることなく登山が楽しめそうです!

登山口から焼山へ、最初からかなり急な登坂があります。
久しぶりの登山に息もあがるし、なかなかの急斜面に足があがらない…。落ち葉や枯れ木で足元もふわふわしているので、踏ん張りがきかず、なかなか疲れる登山でした。
…いやぁ、こんな険しい山だったっけ?ヒルのことしか覚えてなかったw

焼山登山口〜焼山
山の中はまだ冬。緑のない葉が落ちた木々の中を登ります

焼山登山口〜焼山
そして、いきなりの急斜面。
結構ハードだよ〜

急な上り坂を登り終えて、眼下を見ると、木々の向こうの斜面に白いものが見えました。
先週冷え込んで雪が降ったということなので、その時の雪が残っているようです。
更に登っていくと登山道にも雪が積もり始めます。積雪数センチというところで、アイゼンをつけるほどではないですが、久しぶりの雪山にちょっとテンションアップ。
丹沢で雪は初めてです!

焼山登山口〜焼山
斜面に雪が積もっている
焼山登山口〜焼山
登山道にも雪が残っています
焼山登山口〜焼山
なんか雪山みたいで楽し〜い

焼山の手前になると、さらに雪は増えて、もはや登山道は一面積雪。
気候は春で暖かいのに、この付近は日が当たりにくいのか、気温が低いのか、雪が溶けにくいみたいです。

焼山登山口〜焼山
焼山山頂手前の上り。雪は結構残っている

歩き始めて約2時間で焼山山頂に到着しました。展望台みたいな鉄塔が立っているだけで、見晴らしはあまりよくない山です。展望台は現在使用禁止。ここに登れば丹沢からの景色が堪能できたのでしょう…残念。

焼山
山頂到着です。見晴らしはあまりよくない

黍殻山避難小屋でランチタイム

焼山からさらに1時間進んだところにある「黍殻山避難小屋」を目指します。前回訪れたときに1泊した場所です。
雪はさらに深くなってきて、もはや雪山。最初はわーい、雪だぁと無邪気に喜んでいたのが、もはや珍しくない状態です。

焼山〜黍殻山避難小屋
雪だらけ。まさに雪山状態

少し降りると「平丸」との分岐に出ます。
ここのルートは、私達が今通ってきた「焼山登山口」からのルートより少し短いそうです。

焼山〜黍殻山避難小屋
焼山を越えた所で、平丸との分岐に出ます

11時半に黍殻山避難小屋に到着。避難小屋前は広い草原になっていて、ベンチもいくつかあります。
このベンチに腰をおろしてランチタイムにしました。
いい天気で暖かい。気持ち良いお昼時です。

持ってきたお湯でコーンスープを作り、コロッケパンと、お菓子を食べます。
体を動かすとお腹が減るし、山で食べるとなんてことないインスタントのスープもパンも美味しく感じる。

黍殻山避難小屋
黍殻山避難小屋の前の草原

黍殻山避難小屋でランチ
コーンスープで体を温める
黍殻山避難小屋でランチ
コロッケパン食べているところ

食事の後は避難小屋のお手洗を使わせてもらいました。
使うことはできますが、冬季は水がないので、近くの水場で汲んだ水を利用して流すことをおすすめします。

黍殻山避難小屋
黍殻山避難小屋
黍殻山避難小屋
お手洗い。冬季は使えますが、水が出ません…

姫次から蛭ヶ岳を眺める

のんびり日向ぼっこしたいのを我慢して、先に進みます。
まだまだ道の途中。蛭ヶ岳までの急登も待っている…。

登っていると雪が深くなってきて歩きにくいので、チェーンアイゼンをつけることにしました。
今回、はじめてチェーンアイゼンをつけてみましたが、簡単ですぐ取り付けられます。
丹沢ぐらいの深くない雪にはちょうど良さそうです!

黍殻山避難小屋〜姫次
再び上り。雪が深い

登っている最中に木の向こうに蛭ヶ岳や、丹沢山と思しき山頂が見えてきました。
うわー、まだ結構遠いなぁ…

黍殻山避難小屋〜姫次
蛭ヶ岳が見えてきた

道は丹沢らしく、木道が敷かれている箇所も多く、雪を避けて歩ける場所もありました。
とはいえ、大半の道は雪に埋もれた登山道。雪の中を歩くと足も重く感じるため、なかなかスピードが出ません。
滑る可能性もあるから、ゆっくりと進みます。

黍殻山避難小屋〜姫次
木道が敷かれている場所もあります

黍殻山避難小屋〜姫次
尾根に出ました
黍殻山避難小屋〜姫次
道の最高標高地点

13時10分、黍殻山避難小屋から1時間程度で「姫次」という場所に到着しました。
ここで、日帰り蛭ヶ岳をピストンするという人に何人か会いました。
私達が歩いているときは人が少ないな、と思っていたのですが、もっと早朝に車で来てピストンして帰る人が多いみたい。
しかし、この雪の中ピストンするのはなかなか体力がいりそう…すごい。

姫次
姫次に到着

姫次
蛭ヶ岳が見えます

姫次から目指す蛭ヶ岳の山頂が見えました。
まだずっと先…がんばって、歩いていきます。

雪の中、蛭ヶ岳への急坂を登る

姫次からは少し下りです。
雪解けの足場の悪いぐちゃぐちゃぐちゃの細い道です。

姫次〜蛭ヶ岳
姫次から少し下りていきます

下り終わると広い林に出ます。谷で太陽が当たりにくいのか、ここ一帯は深い雪。
トラバースして、また少し登ると同じような林に出るを数回繰り返し、やっと蛭ヶ岳の直下に到達します。

姫次〜蛭ヶ岳
下りきった谷は一面、雪
姫次〜蛭ヶ岳
目指す蛭ヶ岳の直下まで来ました

本日最後の登りは蛭ヶ岳への直登です。
ここの坂が急で長い〜。しかも雪が積もっているので、思うように足が上がらない。
木道の上に積もった雪に足をとられて滑らないよう、慎重に登っていくせいもあってスピードも出ません。
疲れた〜、足重い〜と内心思いながら、ただただ無口で登っていきます。

姫次〜蛭ヶ岳
蛭ヶ岳への最後の登り
姫次〜蛭ヶ岳
だいぶ登ってきた

登っている途中から視界が開けて、今日一番の最高の見晴らし!
周囲の山々、その向こうに富士山も。
天気もいいし、テンション上がります。

姫次〜蛭ヶ岳
雪の斜面に丹沢の山々が見晴らせる

姫次〜蛭ヶ岳
山のむこうに富士山の姿がうっすらと浮かび上がる

見晴らしに元気が出て登ってくると、「あと400m」の看板が出てきました。
大きく、左に折れて登っていくのですが…ここからの坂が本当にしんどかった。
距離=標高なんじゃないかって思うほど急坂が続きます。

姫次〜蛭ヶ岳
あと400mですが、これからがしんどい…

姫次〜蛭ヶ岳
山頂まで、まだあんなに遠い!
姫次〜蛭ヶ岳
雪が深く、急斜面で登るのが大変〜
姫次〜蛭ヶ岳
青空が美しい。丹沢ブルー

今日は蛭ヶ岳山荘泊で本当によかった〜と思いながら坂を登り、15時半過ぎ、ようやく蛭ヶ岳の山頂に到着しました!
山頂のベンチに何人かの人がいて、富士山を眺めてティータイムを過ごしています。
聞いてみると蛭ヶ岳山荘に泊まっているとのこと。

蛭ヶ岳山頂
蛭ヶ岳山頂に到着!
蛭ヶ岳山頂
山頂は穏やかで、お茶をしている人もいました
蛭ヶ岳頂上からの富士山
山の向こうに富士山が見えます

私達も優雅なお茶タイムを過ごすべく、蛭ヶ岳山荘にチェックインします。