朝起きていたら晴れていたので、出だしが遅くなっても登れる山…丹沢・大山へ急遽登山にでかけました。
ところが大山に近づくにつれ雨が降り出し…7月最初の週末は結局雨。さすが別名「雨降山」と呼ばれる大山です。霧と小雨の中で、神秘的な雰囲気の登山となりました。
【大山】
三百名山。神奈川県。標高1252m。山岳信仰の山で、ケーブルカーの終点駅が「阿夫利神社」の下社。山頂には奥社があります。雨が多く「あめふらし(あふり)」という名前になったとか。水が豊かなためか、大山はお豆腐も有名で神社の参道にはお豆腐屋さんが並んでいます。
【登山レベル】
初級 ★★☆☆☆
短時間で登れるのですが、意外に坂がきつくて、登山しない人が登るとキツイとよく言われます。
でも都心からアクセスが楽で、神社など見どころも多く、楽しく登れる山です。
【アクセス】
小田急小田原線伊勢原駅から「大山ケーブル駅」行きのバスで20分程度。
バス停からこま参道を10分ほど歩くと「大山ケーブル駅」につきます。
【行程】
大山ケーブル駅→[男坂]→阿夫利神社→
こま参道から男坂を登って阿夫利神社へ
伊勢原駅を下りて、大山ケーブルまでのバスに乗っていたら、ぽつりぽつりと雨が降ってきました。
自宅では青空だったのに…残念。
バスから下りてレインウエアを来てみたけれど、暑くてすぐ縫いでしまいました。小雨だし、このまま行ってしまおう。バス停から少し登ると「こま参道」というお土産屋さんが連なる道に出ます。足元には独楽のタイルが敷かれていて、大山は独楽でも有名な場所なのです。
ケーブルカーの乗り場に到着しましたが、今回は夏山に向けたトレーニングのため、自分の足で阿夫利神社まで登ることにしました。登山道は2つに分かれていて、「男坂」「女坂」を選べます。
ハードそうだけど、時間が短くてすむ「男坂」を選んで登り始めます…が、さすが「男坂」上りの階段の角度がえげつない…。急な階段がずっと続きます。
いや〜、大山こんなにキツかったっけ…と思いながら汗だくで階段を登っていると、雨も降ってきました。でも暑いのでレインウエアは着たくない…汗と雨と湿気でシャツもしっとり。階段を登るのもきつい。
階段を登りきるたびに水を飲んで休憩していると、トレイルランナーさんがサクサクと階段を登って私を追い抜いていきます。
本当に健脚だぁ…ううう…私も頑張って筋力つけるのだ…。
阿夫利神社から大山山頂へ
男坂ですっかり疲れてしまって、山頂まで行くの面倒くさいな〜とか思いつつ、ポカリスエットを飲んでいたら、お父さんが小さい子供に「もっと上まで行くからね」と言いながら、横を通り過ぎていきます。
…すごいなぁ。あんな小さい子供も登るんだ…大人がここでへばってちゃいけない!と、気を取り直して、山頂にむけて歩きだします。
大山登山のため100円を払って御札をもらい、いざ大山へ挑みます。
神社の奥の鳥居を一歩くぐると、目の前に立ちはだかるは直角にも見える急な階段。しかも、百段はあろうかというほど長い!
それでも、みんなが階段を登っているから、もう1回気合をいれて階段を登り始めます。
階段を登り終わると、杉に囲まれた登山道になります。基本的には石段を同じく石段を登っていくスタイル。
雨はやんだのですが、霧に包まれた木々の間を縫って、ただひたすら登ります。
16丁目に着いて、ちょっとお腹が減ってきたので休憩がてら、もってきたランチパックのツナサンドの1つを食べてエネルギー補給。大山はなかなかの急坂で低山の割にハードです・・・。
休憩の後、さらに登っていきます。
標高も上がって涼しくなってきたためか、男坂を登っているときよりは、楽な気がしました。
涼しい…とはいえ、ダウンジャケットを着た外国人のカップルが下りてきた時はびっくり。
思わず日本語で「暑くないんですか?」と聞いてしまいました。「この道なら大丈夫」と日本語で答えてもらったけど、本当〜??私は半袖でも暑いです。
ヤビツ峠への分岐、26丁目に到着しました。ここまでくれば大山山頂まではあと少しです。
ここへきて急に風が強くなりました。霧雨が強風に煽られて、勢いよく横から叩きつけてきます。
でも、汗だくで登ってきた身にはちょうどよい風。ミストが気持ちいいくらい。
霧に包まれた神秘的な山の中を歩いて、やっと大山山頂の鳥居に到着。
鳥居をくぐるとお社のような建物があり、その横を通って、ちょっと登ると山頂の標識があります。
折角の山頂ですが、雲に包まれて更に真っ白…何も見えません!
阿夫利神社から1時間20分、ケーブル駅からだと2時間、時間にするとそんなに長くない登山ですが、急な階段が多く、斜度がかなりあったので、ややハードでした。
山頂のちょっと下にテーブルが合ったので、そこでランチ休憩にしました。
まずはたっぷりお水を飲んで、水分補給。ランチパックの残り半分と、明太子のおにぎりを食べて腹ごしらえです。
神社の石の囲いに、奉納している個人や企業の名前が書いてあったのですが、「らーめん阿夫利」とありました。
私も時々食べに行く「AFURI」というラーメン屋さん。やっぱりこの神社が名前の由来だったんですね。
今回は、新しい靴で登って、履き慣らそうとしたのですが、折角の新品がすでに泥だらけw
靴は「スポルティバ」の「エクイリビウム」。履いている友人も、店員さんもオススメしていた、ちょっと高級な登山靴です。今年は色々あって体力に自信がないため、靴に頼ろうと思って買ったのですが…いつも履いている靴に比べると底が厚くてしっかりしている分、ちょっと重めで脚力が必要だと思いました。でも底が硬いので岩や石の上に乗ったときの感覚がなく、岩場でも足が疲れず安定して動くことができるのがメリットです。
山頂から女坂を通って下山。
ランチを食べて休憩をしていたら、風が冷たくなってきました。
夏でもやっぱり山頂は涼しい。体が冷えないように、下山を開始します。
下りはいい勢いで下りたので40分ぐらいで、阿夫利神社の下社に到着しました。
15時を過ぎたので、神社に観光客の姿は少なめ。
無病息災を祈る茅の輪があり、ここをくぐると心身汚れを祓ってくれるとのことでした。
雨降りの神様、天狗…大山には日本昔ばなしに出てきそうな、古来の言い伝えがいっぱいありました。
少しだけ雲が晴れてきたので、神社からは下界を見渡すことができます。
麓の町と湘南の海が雲に包まれて、薄っすらと見えました。
神社を下ったところにある売店で、なにか冷たいものを食べたいな〜と物色。アイスクリームもあったのですが、ここは大山名物のとうふのソフトクリームにしました。ソイミルクの味がする、しっかりした感じのソフトクリーム。やっぱり登山後は冷たいものが美味しい〜。
でも、下山はまだ続きます。ここからは「女坂」を通って、麓のケーブル駅まで歩いていくことにしました。
「女坂」とは言っても、急な岩の階段で、中には鎖の手すりがあるほど。なかなかの坂道です。
「女坂」には七不思議というものがあるらしく、話をしながら通ると落ちてしまう「無明橋」とか、木の中から潮騒の音がする「潮音洞」など、見どころがもりだくさんあります。
とはいえ、時は夕刻。もう他に下山する人の姿もなく、曇天のため薄暗い。
七不思議は、ちょっと怖い感じもする…。
七不思議を探しつつ歩いて、「潮音洞」がする木の洞は、最初は本当に潮騒の音がしたような気がしました。角度にも寄るのか2回目はもう無音…うーん、不思議。
爪切り地蔵や弘法大師の湧き水を通り過ぎ、40分ほど歩いて、ようやく「男坂」との分岐点、ケーブルカーの麓の駅に到着しました。
あとはお土産屋さんを物色しつつ、こま参道を戻り、バス停へ。
16時ちょっと前にバス停に戻ってきました。
ここから大山の往復で約5時間半。日帰りで、思い立ったらすぐ登れる山でした。
大山は神社のパワースポットもあるし、見どころや七不思議あり、スイーツや豆腐の美味しい店のあり…と、イベント盛りだくさんで楽しめる山。次回は涼しい秋にでも食べ物目当てで来たいかな、と思いました。