皇海山クラシックルート後編は、鋸山から皇海山を目指します。長い道のりを歩いて、やっと到着できた皇海山。避難小屋泊をしてもコースタイム10時間、アップダウンの激しい道のり。百名山の中でもだいぶ難易度が高い山でした。
【皇海山】
百名山、栃木県・群馬県、標高は2144m。北関東の秘境。栃木の庚申山登山口から登るルートは深田久弥も登った道で「クラシックルート」と呼ばれます。途中の道は急勾配で崩れやすく、油断すると岩や石が落ちる危険が多い道です。急な岩場の上り下りもあり距離も長いので、慎重に進むことをおすすめします。ちなみに庚申山荘を出発した後はトイレはありません。
登山レベル:★★★★★ (上級) 距離が長いのと岩場の三点支持が必要。
行動時間:10時間
【山バッチ】
庚申山登山口のかじか山荘に売っています。
【行程】
1日目:庚申山登山口(12:30)→庚申山荘(15:30) ※宿泊
2日目:庚申山荘(5:00)→庚申山(6:30)→駒掛山(7:20→薬師岳(8:00)→鋸山(10:50)→皇海山(12:30)→鋸山(14:30)→女山(15:30)→六林班峠→庚申山荘 ※宿泊
3日目:庚申山荘→庚申山登山
鋸山から皇海山山頂へ
鋸山の目の前に聳え立つ目的の皇海山。そこに行くには、まず鋸山をおります。
下山の登山道も細かい砂利で滑りやすく、小さな岩がはがれて落ちる危険があるので、他の人に岩が当たらないように気をつけて下ります。また、ここも鎖やロープがかかっている急斜面。
いろんなことに気を使いながら下りる道でした。
鋸山を下りきり、今度は皇海山へ登り始めます。
途中「不動沢のコル」という場所に出ますが、ここが以前の皇海山のメジャー登山ルート「不動沢コース」に繋がる場所になります。
ここでしばし休憩。おにぎりやパンを食べて栄養補給しました。
木々の間から鋸山のギザキザが見えます。
休憩を終えて再び歩きだします。今度は皇海山山頂までひたすら登りです。
笹の道を抜け、岩の間の狭い道を登ります。
急登をえいしょっと、最後の力を振り絞って登っていると、急に道の斜面が緩やかになり、目の前に青銅色の碑がでてきました。神様を祀っているようです。
そこから数分歩くと「渡良瀬川水源碑・皇海山」の碑が現れ、最後に山頂を示す道標が見えました。
12時半、やっと皇海山の山頂に到着しました。出発から7時間半ほどかかっての到着。
長かった〜疲れた〜。クラシックルート、ほんと恐るべしです。
ちなみに山頂は木に覆われているので展望はありません・・・。
皇海山から鋸山へ戻る
予定よりもコースタイムをオーバーしているので、そんなにのんびりしていられず、皇海山の山頂は写真をとっただけで、すぐに帰路に付きます。帰路もコースタイムで5時間ぐらいあるので、どう考えても今からだと、小屋につく前に暗くなってしまうことが予想されます。
帰り道は鋸山までは一緒です。さきほど苦労して下りてきたところを、登り返します。
14時半、鋸山の山頂へ戻ってきました。かなり遅い到着になったので、他に登山客はいませんでした。ここから六林班峠を経由して庚申山荘へ戻る予定。ここからまだ4時間歩くのかと思うと気持ちが萎えますね…。
鋸山から六林班峠経由で庚申山荘へ
鋸山から行きとは異なるルート、六林班峠を経由して戻っていきます。
行きよりアップダウンが少なく、峠を越えて迂回して庚申山荘へ戻るので、行きに通った垂直の岩場や長いはしごは使わなくても済でそうです。とはいえコースタイムは長いので、少し急ぎ足で、かつ休憩は短めに進んでいきます。
4時半にようやく六林班峠に到着しました。
辺りは徐々に暗くなってきていて、日が沈むときが近いことを教えてくれます。
六林班峠を過ぎてからは、沢沿いの登山道を3時間程度歩きます。
道は山肌に沿って何度も蛇行し、何回か沢を横切ります。斜面の狭い登山道は崩れやすいところ、笹で覆われて滑りやすいところ、ヒヤッとさせられる道のため、下山ともいえども気が抜けません。
庚申山荘まで、あと2時間位というところで、辺りは宵闇に包まれ、そのうちに真っ暗になってしまいました。ヘッドランプをつけながら狭い登山道を歩きました。登山道は笹に覆われているのでよく見えないのですが、ちょっとずれると沢への崖になっています。踏み間違えないように、笹で滑らないように…と、気をつけながら、疲れた足で必至に小屋まで進みました。
小屋にようやく到着したときはほっとしました。
いやぁ、疲れた、もう歩きたくない…
かじか荘で下界メシ「いわなのひつまぶし」
庚申山荘で1泊して、次の日は朝ごはんを食べてゆっくり出発します。
今日は庚申山荘から国民宿舎かじか荘へ3時間で下山。昨日の13時間近い登山が嘘のように楽ちんです。
皇海山3日目の今日は雨でした。
レインウエアを着ながら、昨日は晴天で本当に良かったと思いました。昨日のルートが雨だったらどんなに大変か…しみじみと思います。
3時間弱で国民宿舎のかじか荘に到着しました。
ここでお風呂に入り、3日間の疲れを癒やします。
ご褒美のごはんは「いわなのひつまぶし」。うなぎじゃないですが、蒲焼きにしたイワナを丼にして、薬味と出汁でひつまぶし風にいただきます。
うーん、美味しい!激しい登山の後の、ご褒美ご飯です。
皇海山の山バッチはこのかじか荘で売っています。
お風呂とご飯の後は、車で東京に一気に帰ります。
今回のクラシックルートでの皇海山登山。クラシックルートは鎖あり、梯子あり、岩場あり、変化にとんだ長い登山ルートでした。おそらく林道からいく不動沢コースよりは面白かったと思います!ただしアップダウンが多くて長い行程になるので、体力をつけて、天気の良い人狙って、挑むと良いと思います。