鎖場が多くて難易度が高い山と聞いていた妙義山に、初めて行ってみました。今回は、中ノ岳・東岳・鷹戻しを通るコース。垂直の長い鎖場を登ったり下りたり、ドキドキするスリリングな山旅を楽しむことができました。
【妙義山】
群馬県、二百名山、奇岩が連なる山容が特徴的な、日本三大奇景の1つの山です。
いくつもの山が連なって構成され、金洞山、白雲山、金鶏山の一帯を「表妙義」、谷急山、丁須の頭、御岳の北側の一帯を「裏妙義」と呼びます。最高峰は表妙義で白雲山相馬岳の1,104m、裏妙義で谷急岳1,162mとなります。登山道は鎖場の連続でスリリング。岩場や鎖場歩きが好きな人におすすめのコースです。
登山レベル:★★★★★(上級)
岩場や長い鎖場を安定的に登り・下りできる技術が必要です。
【行程】
中ノ嶽神社(10:00)→石門広場→石門分岐(10:30)→中ノ岳(11:30)→二段ルンゼ(12:40)→鷹戻しの頭(13:00)→ホッキリ(14:40)→東屋(15:20)→大人場(15:40)→一本杉(16:10)→中之嶽神社駐車場(16:40)
中ノ嶽神社から中ノ岳へ
10時ちょっと前に、中ノ嶽神社前の駐車場に到着しました。
頭上には妙義の奇岩がそびえ立っています。あの山に登るのかと思うとワクワクします。
駐車場で身支度を整えます。妙義山は危険な箇所があるので、ヘルメットとハーネス、下降器、セルフビレイ用のカラビナとスリングを持って登山を開始します。(ヘルメット以外はほとんど使わず、安全確保のための念の為の装備でした)
中之嶽神社の方へ歩いていきます。
神社にお参りする観光客と登山客で、神社近辺はかなりの人の多さでした。
本殿にお参りするのも、登山道に入るにも、まずは鳥居をくぐって長い階段を登っていく必要があります。ここは人も沢山の人がいて、少し渋滞ぎみでした。
長い階段に、最初から疲れてしまいますが、頑張って登ります…。
お参りを終えて、社殿の右側へ進みます。
道標に「見晴台・第四石門」と書いてありました。轟岩もかなりスリリングな岩なのですが、今回はスルー。
大きな岩の横を通って山の中に踏み入ります。
しばらく通常の登山道を、木漏れ日を楽しみながら登っていきます。
妙義山といえば、石門の中間道ルートが有名なのですが、第四石門が落石で通行止めになっていました。今回は中ノ岳・東岳・鷹戻しの頭を通るため、中ノ岳への破線ルートを登っていきます。
上級者ルートに入って、道が急になってきました。
岩の間を這う長い鎖を掴みながら、岩場をよじ登っていきます。
岩場を登ると一気に高度が上がって、見晴らしが良くなってきました。
妙義山の奇岩たちが、目の高さに並んでいます。本当に不思議な光景。
中ノ岳の直下に来ました。垂直の壁に2段の長い鎖がかかっていて「2段」と呼ばれている場所のようです。遥か遠く頭上に人が立っているのが見えました。あそこまで登るのかー。
緊張感に溢れた長い鎖場を上り切ると、中ノ岳の山頂です。小さな祠が祀られていました。
近隣の山々が見渡せます。秋の涼しい風とうっすら紅葉した景色がきれいでした。
中ノ岳から東岳を経て鷹戻しへ
中ノ岳を出発すると尾根沿いに東岳へ向かいます。かなりの高度感の中、岩場のアップダウンが繰り返されるスリリングなコースです。でも、広がる上州の山々や、妙義の奇岩を眺めながら歩くのは気持ちよくて、テンションUP!でした。
尾根道を歩いていると、眼下に虹が見えました!
山の上から見下ろす虹って新鮮です。
痩せ尾根をアップダウンを繰り返して歩き、東岳へと進みます。
かなり道が狭い上に高度感もあるので注意して歩きますが、景色に目を奪われることも。
鷹返しの手前の「2段ルンゼ」という場所に来ました。ここも長い鎖が2段になって連なっています。岩の裂け目に鎖がかかっていて、鎖を頼りながら岩をよじ登ります。
かなり垂直な岩場なので、登るときにドキドキします。
無事に岩を登りきった…と思ったら、向こう脛を岩にガツン!とぶつけて、涙が出るほど痛かったです。みなさまも足運びには気をつけて登ってください。足の長さを見誤るとぶつけます…。
鷹戻しからの下山
この2段ルンゼを登ると鷹戻しと言われる場所に入ります。ここからは長い鎖を今度は下っていくことになりますので、登りより緊張感がありまし、高度も感じれば、落ちないかな…と不安になることも多々。
歩いていると急に道が消失するポイントがあります。
前を行く人が岩の向こうに消えていきます…どんなだろうと覗き込むと、その岩場の急な斜面を下っていく姿が見えました。目の前は妙義山の景色が広がるなにもない空間…落ちたら大変です。
さすがにカメラを落としそうでこの先は撮影できませんでしたが、かなりの絶壁を下りていくことになりました。
さらに危険な下山は続きます。トータル60mの直滑降となる下りの道。鎖場がたくさんあり、ひとつひとつ慎重に降りていきます。長いはしごも出てくるので、ここも一段一段、足をしっかりおいております。
梯子と長い鎖を緊張感をもって下りていると、だいぶ標高が下がってきました。
秋の紅葉の向こうに、さきほどまで歩いてきた奇岩の尾根が頭上に見えました。
危険なゾーンをおりきると、ようやく普通の登山道に到着しました。ホッキリという場所を通過し、東屋へ。その後は大人場を経て一本杉を通って、神社の駐車場へと戻りました。
初めての妙義山でしたが、鎖場たっぷり、緊張感のある登山となりました。
大人のアスレチックみたいな感じで、童心に返って鎖を握って岩をよじ登るのはとても楽しかったです。
今回は歩くの精一杯で、心の余裕がなかったのですが、また来たら少し余裕ができて、景色や道のりをさらに楽しむことができるかな…と思っています。