8月の三連休は北アルプスへ。折立から入って薬師岳を通って五色ヶ原、立山室堂へと縦走します。
以前訪れたときは薬師峠キャンプ場でテント泊しましたが、今回は折立から登って薬師岳山荘で1泊し、そのまま縦走していきます。
【薬師岳】
百名山、花の百名山。標高2926m、富山県。立山同様に山岳信仰の山で「薬師如来」を祀っていて、山頂には祠があります。薬師岳は4つのカールがあって、そのえぐられたような地形は圧巻です。
【登山レベル】
中級:★★★☆☆ 難しい所はないですが、2900mまで登るので体力は必要です。
※五色ヶ原への縦走は3日間だと中上級レベル
【行程】※このブログは1日めの行程です。
往路:東京から新幹線で富山。富山駅近辺で前泊し、翌朝タクシーで折立。
1日目:折立(7:30)→五光岩ベンチ(9:50)→太郎平小屋(11:10)→薬師峠キャンプ場(11:45)→薬師平(12:40)→薬師岳山荘(13:30)※小屋泊 TOTAL 約6時間
2日目前半:薬師岳山荘→薬師岳→北薬師岳→間岳→スゴ乗越小屋
2日目後半:スゴ乗越小屋→スゴ乗越→スゴ乗越の頭→越中沢岳→鳶山→五色ヶ原山荘 ※小屋泊
3日目:五色ヶ原山荘→獅子岳→鬼岳→龍王岳→浄土岳→室堂
復路:室堂→[バス]→美女平→[ケーブルカー]→立山駅→[富山電鉄]→富山→[新幹線]→東京
【山小屋情報】
薬師岳山荘:薬師岳の直下にある山荘。1泊2食13000円(2023当時)。天水利用の小屋のため飲料水は貴重。自分で必要な分は薬師峠キャンプ場でお水を汲んで持って上がるか、購入することになります。あんみつが名物スイーツなのでオススメです。
折立から太郎兵衛平へ…暑い暑い上り坂。
前日の夜に新幹線で富山駅までやってきました。駅付近のホテルに宿泊し、翌日は朝5時20分に富山駅前に集合。予約していたタクシーに乗って、一路折立へと向かいます。だいたい1時間半を予定していたのですが、途中の有峰林道のゲートが6時に開くということで、しばらく長い待ち行列に捕まりました。
運転手さんも「こんなに並ぶことは滅多にない」というほどの盛況ぶり。そりゃあ、今年は行動制限のない夏休み、そして三連休の初日…折立が混まないわけがありません。
結局ゲート前を通過したのが、6時半過ぎ。折立に到着したのが7時を過ぎてしまいました。
折立も、ゲートが開いてからやってきた人で大混雑。登山バスも止まっていて、道は車と人でいっぱいです。久しぶりの混雑を見た気がする…。
折立の登山口で身支度を整えて、持ってきた登山靴に履き替えていると、今回一緒に行くメンバー全員が同じ靴を履いているということに気づきました。スポルティバのエクエリビウム。大人気の靴です。
私も今年購入して履くのは3回目。日帰り、1泊2日の山行を経て、今回は2泊3日の北アルプス。この靴の真髄を確かめるべく持参しました。
7時半。リュックを背負っていざ出発。まずは太郎平小屋を目指します。
最初は樹林帯の狭い急登を登っていきます。標高の低く、風も通らず、蒸し暑い…。
前回の鳥海山で熱中症ぎみだったので、今回は水をしっかり飲みながら登りました。
折立から太郎平までは、みんなルートが一緒のため、富士山かと思うほどの行列で登っていきます。早い人はどんどん登っていくのですが、私達はのんびり…振り向くと、かなり長い列ができている…。でも自分たちの前にも人の行列…さすが連休初日です。
1時間もすると、樹林帯を抜けて、青空の下を歩くことになります。一気に日差しが降り注ぎ、慌ててサングラスとアームカバーをして紫外線対策。
同時に視界も開けて、振り返れば富山の町と海、左手に剱岳、右手に有峰湖…というようにどこを見ても絶景ポイントが。しかも今日は雲ひとつない晴天。パッキパキの青空と山の緑で写真が映える。
更に登っていくと、標高も高くなり、時折涼しい風が吹いてくれて、汗まみれの体を癒やしてくれます。
しかし、目の前には延々と続く階段があります。この階段、以前来たときにはなくて、確か工事中だった筈。今はキレイに整備されていて、歩きやすくなっていました。
9時50分、五光岩ベンチに到着しました。折立の登山口から2時間ちょっとです。ここで座って休憩。
涼しい風が吹いていたので、炎天下でもほっとする休憩となりました。
見上げれば、山の合間にうねうねと伸びる登山道。絵になるような美しい風景なのですが、まだまだ登るのか…という気持ちになります。
五光岩ベンチから、更に歩いて1時間程度で、太郎平小屋に到着します。
小屋の前の太郎兵衛平からは、黒部五郎岳がよく見えます。雲の平のテーブルマウンテン、その向こうに裏銀座に連なる山々。そして進行方向にはあたまが白い薬師岳がそびえ立っています。
様々な山が見える絶景ポイントなのです。
太郎平小屋のお楽しみは「フルーツ缶」(400円)。冷えてて、酸味もあって、甘い(カロリーオフだから心配なし!)フルーツ缶は、3時間汗をかきながら登ってきた身には最高のごちそう。すごーく美味しい!めちゃくちゃオススメです。
薬師峠キャンプ場から薬師岳山荘へ
太郎平小屋で休憩した後は、薬師峠キャンプ場へ向かいます。太郎平から木道を辿って15分程度で到着するテント場です。
途中、木道脇に花が咲いているのが見えました。折立からの登りではあまり見かけなかったのですが、標高が高く涼しいためか、まだ花が残っていました。山とお花とキャーキャー言いながら写真ばかり撮ってしまいます。
薬師峠キャンプ場にはすでに色とりどりのテントが張ってあります。昨日から張っていて、近くの山を往復するのかもしれないですし、すでに今日登ってきた人がテントを張っているのかもしれません。いずれにせよ、お昼の時点ではそれほど混雑なく、テントが張れているようです。
薬師峠キャンプ場では、水を汲みます。今日の宿は薬師岳山荘は水がないので、ここで汲んだものを担ぎあげなくてはなりません。(もちろん山荘で水の購入はできます)
今年は水不足のようで、水道も1つしか空いてませんでした。ホースに穴が空いているのをみつけて、そちらからナルゲンボトルに水を確保。結局トータル2リットル水を入れて、持って登ることにしました。
明日の行動水も必要ですし…。
薬師峠キャンプ場から、また急登になります。
涸れ沢のような、岩が転がる道を進みます。木に囲まれた狭い道、風はあまりなく暑さを感じます。
途中に水が流れている箇所があるので、そこで手ぬぐいを冷やして首にまくとすっと涼しくなりました。
沢筋を登り切ると、木道が現れます。「薬師平」という野原。ここにはニッコウキスゲ咲いていて、広い草原になっているのですが、その向こうに槍ヶ岳が見える眺望のいい場所です。
今までの急坂と違って、いきなり楽園にきたみたい。
薬師平からもうひとのぼりすると、今度は方角が変わって、目指す薬師岳が見通せる場所に出ます。青空の下、緑のカールを抱いた薬師岳の白い山頂。こちらも見応えのある景色です。
薬師岳を眺める場所から稜線まで、またも急な上り坂です。
岩が積み重なる坂を一歩一歩登っていきます。途中にハクサンフウロがたくさん咲いていました。ここら辺もお花畑。花に元気づけられながら、今日最後の登り坂を進みます。
稜線に出れば、今日の目的地の小屋まではあと15分。
周囲が抜けているので、ここで一気に風が強くなりました。立ち止まっていると、最初は気持ちよかったのですが、すぐに寒さを感じました。
暑かったり、寒かったり…体温調整が難しい。
薬師岳山荘と真っ赤な夕陽
13時半。薬師岳山荘に到着しました。薬師岳は明日通過していくので、今日はここまで。トータル6時間かかり、登った標高は1000mを越えています。
薬師岳山荘にチェックインして、割り当てられた部屋に行きます。
部屋は10人の大部屋で、ふとん1つ1つの間に仕切りがありました。10人寝たらいっぱいの広さです。リュックは部屋に持ち込めず、廊下においておきます。
着替えは更衣室がありますので、そこで汗をふいて着替えました。
着替えてさっぱりできたので「あんみつ」を食べに食堂へ。食堂の窓からは薬師岳がよく見えます。なかなかのビューポイントです。
薬師岳山荘の名物スイーツはあんみつ…私は「白玉あんみつ」(1000円)を注文しました。白玉が4つはいって、さくらんぼも2つ、フルーツもいっぱい入っています。プルプルの冷えた寒天の食感と、甘いあんこに癒やされる…山の上のスイーツって、本当においしい!!
お待ちかねの夕ご飯は17時20分。
オムレツに「やくし」ってケチャップで書いてあるのが可愛い。
とんかつ、かぼちゃの天ぷら、肉じゃが、がんも煮物、サラダがお子様ランチみたいに1プレートに乗っています。その他に水餃子と冷奴、ごはんと味噌汁。
山小屋のご飯はおかずが多いと、すごく嬉しい。
食後は小屋の外に出て沈む夕陽を眺めました。。小屋は西向きなので、目の前で夕陽を楽しむことができます。風が強くて寒いので、ダウンジャケットを着て、外で日の入りを待ちました。
薬師岳に夕陽が当たって少し赤く染まってります。眼下には雲海。ほどよく雲も出ているので、これはマジックアワーが楽しめそう。
だんだんと日が沈んでいき、空が赤く染まり始めます。
卵の黄身みたいな太陽が、殻からゆっくりと落ちていくように地球の向こうに消えていきました。
山と雲が真っ赤に染まり、静かに闇色に変わっていく…久しぶりにきれいな夕陽を山の上から見ました。
夜は星空もキレイで、眼下の富山の町の光も明るく見えました。
明日は3時に起きて、4時に出発する予定…部屋に戻って、早く寝ます。
とはいえ、暑さで体が思った以上に疲れていて寝付けず、なんだかんだと目が冴えてしまいました。
ちょっと頭痛もするし…明日は長丁場なので心配…とか思っているとまた眠れず…
結局12時近くになって眠りにつきました。
うーむ。明日はどうなることやら…。