【北アルプス五色ヶ原縦走3日間 Day2-2】越中沢岳、鳶山を越えて癒やしの五色ヶ原へ

五色ヶ原
北アルプス

五色ヶ原縦走2日めの後半は、今回の山旅の核心とも言える行程。スゴ乗越小屋まで来てもまだ道のりは半分にならず、ここからスゴノ頭、越中沢、鳶山…とかなりの急登を連続して上り下りします。身も心も疲れ切って到着する五色ヶ原は、まさに癒やしの場所でした。

【縦走レベル】
中上級:★★★★☆
薬師岳〜五色ヶ原までは道のりも長く、アップダウンが激しいため健脚向きコースです。

【行程】※このブログは2日め後半の行程です。
往路:東京から新幹線で富山。富山駅近辺で前泊し、翌朝タクシーで折立。
1日目:折立→五光岩ベンチ→太郎平小屋→薬師峠キャンプ場→薬師平→薬師岳山荘 ※小屋泊
2日目前半:薬師岳山荘(3:45)→薬師岳(4:32)→北薬師岳(5:50)→間岳(7:10)→スゴ乗越小屋(8:00)
2日目後半:スゴ乗越小屋(8:30)→スゴ乗越(9:15)→スゴノ頭(10:10)→越中沢岳(11:50)→鳶山(13:40)→五色ヶ原山荘(14:24) ※小屋泊 2日目トータル約10時間40分
3日目:五色ヶ原山荘→獅子岳→鬼岳→龍王岳→浄土岳→室堂
復路:室堂→[バス]→美女平→[ケーブルカー]→立山駅→[富山電鉄]→富山→[新幹線]→東京

【山小屋情報
五色ヶ原山荘:五色ヶ原の山小屋。立山、後立山連峰、槍穂まで見える最高のロケーション。キャンプ場もあります。1泊2日2食付きで13000円(2023年時)。テント場は小屋から10分ほど離れたところにあり、1500円で利用できます。山荘は個室が中心、日によってはお風呂があります。旅館みたいな山小屋でした。

YAMAPの行程
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スゴ乗越からスゴノ頭へ登る

スゴ乗越小屋からはしばらく樹林帯の下りが続きます。折角上ったのにだいぶ下ったな…と思っているうちに、「スゴ乗越」と言う場所に出ます。

スゴ乗越
しばらく下りだけど、これからあの山を越えていくんだよなぁ…

スゴ乗越
スゴ乗越、ここから登りが始まります

そこからが急な上り坂になります。最初は高い木に囲まれていて風が通らず、標高も低いため暑くて、かなりバテました。水を飲みたくなりますが、一気に飲むと胃に負担がくるので少しずつ飲むようにしました。

さらに登っていくと視界が開けてきます。目線の高さにスゴ乗越小屋が見えました。やっと元の高さに戻ったということ…でも、スゴノ頭はもっと高いところにあるから、まだ半分程度しか登ってない?!

山頂近くの登山道は岩のガレ場。一歩一歩、重たい足を上に上げながら、ハイステップで岩を乗り越えていく…そうやって進んでいくと、スゴ乗越から1時間弱で「スゴノ頭」…山頂に到着します。

スゴの頭
最初のほうは高い木もあります。

スゴの頭
振り返るとスゴ乗越小屋が見えました。

スゴの頭
こんな大きな岩を乗り越えて進みます


スゴの頭は眺望の良い場所で、風通しもよく、登ってきた暑さを忘れされてくれる気持ち良い場所でした。
振り返ると、もう遠くなった薬師岳の稜線が見えます。
進行方向をみると、目の前にそびえ立つのは更に高い山…越中沢岳。
ここより高いじゃないか…山頂まで行くのかな?巻き道ないかな…ないよな…?

すでにここまで5時間近く山歩きをしているので、あの大物を登るのは結構しんどそう…。
目を凝らして、登山道を追いかけますが、まあ・・・迂回する道が見えるわけがなく。

スゴの頭
スゴの頭から見える薬師北薬師の稜線。すでに遠くなっている

スゴの頭
これからあの大物「越中沢岳」登ります

つらい急登の越中沢岳

スゴの頭から下りていき、越中沢岳のとりつきに着く頃には、まさかの雲が周囲が覆っていました。
さきほどまであんなに晴れていたのに?!
午後には発雷注意報が出ていたので、ヒヤヒヤしながら山を登り始めます。

雲が出たため日が遮られて涼しくなりました。歩いていると風のとおり道があるらしく、強風が吹き抜ける場所も。涼をとりながら、必死に登っていきます。

越中沢岳
雲が出てきた

越中沢岳
霧に包まれた登山道。途中冷たい風が
越中沢岳
山肌を貫く道。どこまで続くのか…

越中沢岳
底は深い谷…どこまでも落ちていきそう…

越中沢岳
ジグザグ道を必死で登る
越中沢岳
ニセ山頂に騙される。登っても登っても山頂につかない…


11時50分、スゴの頭から1時間10分で、越中沢岳の山頂に到着しました。ここの登り返しが大変とは聞いていましたが、やっぱり大変…今日のエネルギーの大半を使ったような気分です。

ここから五色ヶ原まで2時間。途中涼しかったためか、飲み水も1リットル以上残っていました。
山頂で晴れたので景色を眺めつつ、水補給し、お弁当の残りを食べて最後の登りに挑みます。

越中沢岳
越中沢岳の山頂。山頂に着いたら霧が晴れました。

最後の登り鳶山と霞む五色ヶ原

越中沢岳からの下りはゆるやかな稜線です。
尾根が黒部湖の方に連なっていて、その向こうに左手に小屋らしき建物がちらりと見えました。あれが五色ヶ原山荘かな?と思っているうちに雲に隠れて見えなくなります。

雲に覆われている方面へと歩を進め、さらに下っていきます。
しばらくは歩きやすいゆるい下りで、今までの急な上り坂から解放されてほっと一息つく感じです。

越中沢岳〜鳶山
少し平らな道になる。左手の雲のあたりに小屋が見えました。

越中沢岳〜鳶山
雲の中に進んでいくみたい

越中沢岳〜鳶山
雲の隙間から向かいの山々が見える

越中沢岳〜鳶山
しばらくは平地が続きます

越中沢岳〜鳶山
黒部湖が見える


ゆるく下り切ると、今日最後の登り「鳶山」への上り坂になります。
ここまでで足はかなり疲れています。荷物を背負った肩も痛くなってきました。
みんなで黙々と坂を登っていきます。

雲が晴れると高い山とその山肌にジグザクの登山道が見えました。
とてもきれいな景色なのですが、今日すでに9時間以上歩いている身としては…
うわ…まだ登るんだ…と、げんなりします。

越中沢岳〜鳶山
登りに差し掛かりました

越中沢岳〜鳶山
どうやら先はまだ長いみたい…

越中沢岳〜鳶山
雲が晴れたときに見える高い山の頂き…あれが鳶山?
越中沢岳〜鳶山
またもや坂が急になる。

13時40分、鳶山の山頂に到着しました。
山頂から五色ヶ原の池が見えます。今日の目的地五色ヶ原山荘が雲の中に見え隠れ。
ここまできたら山荘まではあと30分程度です。

鳶山から見る景色を楽しみたいので、ここでしばらく休憩。
ここでようやくメンバーみんな元気が出てきて、アイスキャンデーが食べたいなーあるかなー、あずきバーがいいなぁとか、女子3人できゃぴきゃぴ話していたら、同じく山頂にいたカップルの方が「女子トーク癒やされましたw」と仰ってました。

鳶山
鳶山到着
五色ヶ原
鳶山山頂から眺める五色ヶ原。池塘もあります。

さて、今日最後の歩きです。五色ヶ原まで木道を下っていきます。
夕方になってきてしまったので雲が多いのですが、緑の中の木道と、コバイケイソウや、ハクサンフウロが咲く高原を歩いていくのは気持ちよい。

五色ヶ原
この木道を下りていくと五色ヶ原山荘です

五色ヶ原
一瞬、雲が切れて、五色ヶ原の美しい高原が見渡せる

下ったところに大きな雪渓がありました。
今年の北アルプスは全体的に水不足のようですが、ここはまだ水が豊かなようです。
雪渓をぐるりと回って対岸へ移動し、赤い屋根の五色ヶ原山荘へ。

五色ヶ原
雪渓があります

五色ヶ原
雪渓の向こうの丘に赤い屋根の小屋が見える

五色ヶ原
小屋が見えてからも到着までまだまだ歩く…

五色ヶ原山荘と五色ヶ原の夕暮れ

14時25分、五色ヶ原山荘に到着しました。
山荘の前にやかんが置いてあったので、「ウェルカム麦茶か?」と思ったのですが、どうやらテント場に水がないようで、テント泊の人用の水が置いてあるそうです。豊かと思ったけれど、やっぱり水不足の影響かもしれません。

五色ヶ原山荘
五色ヶ原山荘到着


五色ヶ原山荘で長く履いていた靴を脱いで、荷物をおろしたら、疲れがどっと出ました。
チェックインして部屋へ。部屋は個室で、女子3人で独占して使わせていただけました。窓からは五色ヶ原の美しい景色が見えます。
更衣室と乾燥室は1階にあり、洗面所と、なんとお風呂もあります。

日にもよるそうですが、この日はお風呂がある日でした。20分ずつ4回、男女交互にお風呂タイムがあります。
石鹸は使えないですが、熱いお湯に入れるだけで疲れが吹き飛びます。
本当にありがたい!!

五色ヶ原山荘
部屋の様子

五色ヶ原山荘
廊下の両側に個室が並んでいます

五色ヶ原山荘
部屋の窓からの景色

お風呂に入ってさっぱりして、風呂上がりにカルピスソーダー(アイスキャンデーはなかったw)を頂き、のんびりしていると17時過ぎに夕ご飯になりました。

夕ご飯のメニューは、みんな大好きハンバーグにエビフライw キャベツ、ごぼうサラダ、おひたし、大根おろしと野菜もたっぷり、それにご飯と味噌汁です。
さすがに長旅でエネルギーを使ったのか、昨日よりも食欲があったので、全部完食!美味しかった〜!

五色ヶ原山荘
おかずはエビフライとハンバーグ。おひたしや大根おろしも!

夕ご飯の後、ちょっと晴れ間が出たので、五色ヶ原を散策しにいきました。
木道を通ってテント場の方まで歩いてみます。

五色ヶ原
夕暮れの五色ヶ原山荘

五色ヶ原
夕暮れの山と飛行機雲…ちょっと癒やされる風景

五色ヶ原
透き通るような空の下に高い山

五色ヶ原
木道を10分ほど歩くとテント場に到着。思ったより距離あり。

五色ヶ原
テント場から帰ると山の向こうに日が沈んでいくのが見えました

五色ヶ原
チングルマの綿毛が草原に揺れる

長い歩きと昨日の寝不足もあって、この日は8時には就寝しました。
途中目が冷めたときに、窓越しに星空が見えましたが、きれいに晴れていてよく星が見えました。

明日も早朝に出発し、立山室堂へ向かいます。