五色ヶ原縦走の2日目は早朝3時半に出発。日の出前に薬師岳山頂に到着し、そのまま薬師、北薬師岳の稜線を通ってスゴ乗越小屋へと進みます。朝焼けの中を歩く標高2800mの稜線は最高です。
【薬師岳】
百名山、花の百名山。標高2926m、富山県。立山同様に山岳信仰の山で「薬師如来」を祀っていて、山頂には祠があります。薬師岳は4つのカールがあって、そのえぐられたような地形は圧巻です。
【登山レベル】
中級:★★★☆☆ 難しい所はないですが、2900mまで登るので体力は必要です。
※五色ヶ原への縦走は3日間だと中上級レベル
【行程】※このブログは2日め前半の行程です。
往路:東京から新幹線で富山。富山駅近辺で前泊し、翌朝タクシーで折立。
1日目:折立→五光岩ベンチ→太郎平小屋→薬師峠キャンプ場→薬師平→薬師岳山荘 ※小屋泊
2日目前半:薬師岳山荘(3時45分)→薬師岳(4時32分)→北薬師岳(5時50分)→間岳(7:10)→スゴ乗越小屋(8:00)
2日目後半:スゴ乗越→スゴ乗越の頭→越中沢岳→鳶山→五色ヶ原山荘 ※小屋泊
3日目:五色ヶ原山荘→獅子岳→鬼岳→龍王岳→浄土岳→室堂
復路:室堂→[バス]→美女平→[ケーブルカー]→立山駅→[富山電鉄]→富山→[新幹線]→東京
薬師岳から北薬師岳へ夜明けの登山
朝の3時に起きて、身支度が整ってすぐ山小屋を出発しました。
早朝で、まだちゃんと起きてない体で薬師岳の急登を登り始めると、すぐに息が切れてふらふら。必死に一歩一歩歩いていきます。昨日の睡眠不足も不安の一つ。「登山は気力なんだっ」と自分に言い聞かせながら登りつ続けました。
暗い夜の闇の中、急な坂道を登ること1時間。徐々に空が白んできます。
うっすらと薬師岳の三角形の山影が見えてきて、山頂がすぐそこであることに気づきます。
4時半、薬師岳の山頂の到着しました。薬師岳は2回目の登頂です。
以前来たときよりも祠がきれいになっている?という気がしました。
山頂はご来光待ちの人で賑わっています。空がどんどん明るくなり、あと30分もすれば日の出になりそうです。
しかし私達は今日は五色ヶ原までの長旅のため、ここでご来光は待たずに北薬師岳まで進んでいくことにしました。
北薬師へ続く稜線が朝焼けの中に見えます。その向こうに、雲の上に浮かんでいる山々の大パノラマ。
これから先、あの山を越えていくのかと思うと、ワクワクしてきます。
北薬師岳までは稜線沿いに進みます。岩が積み重なったガレ場が連続します。
日の出前でしたが、それほど暗くないため、岩の様子がきちんと見えて危ないことはなかったです。
薬師岳までは登山客も多かったのですが、北薬師方面に進む人は一気に少なくなります。
歩いている途中、日の出になりました。
稜線からみる日の出はかなりの絶景。連なる山と雲もむこうに太陽が上がっていきます。
今日もいい天気です。
北薬師岳には5時50分に到着。
北薬師の山頂の標識は、古い木でマジックみたいなので「北薬師岳」と書いてあるシンプルなもの。
薬師岳は祠もきれいになっていたし、
ここで休憩がてら朝ごはんを頂きました。
これからが長いのでエネルギーをつけないと歩けません。
北薬師岳から間山へ。大きな岩の上を歩く
北薬師岳から間山へと進みます。
ここも稜線場をしばらく歩くのですが、ガレ場の岩がどんどん大きくなっていき、ほとんど岩の上を歩いていくようになります。岩も丸かったり、尖ったり、斜めになっていたりするので、変なところに足を置いて捻らないように気をつけて進む必要があります。
ガレ場はこの山を下りきると一旦終了です。
振り返ると薬師、北薬師と稜線が連なり、今おりてきた山の岩肌が目の前に壁のようにそそり立っていました。
この後は通常の登山道。緑も豊かになるため、道端にたくさんの花が咲いていました。
お花を見ながら楽しんで歩いていると、池塘が見えてきて、間山に到着です。
間山は開けていて展望がよく、標高も2500mまで下りてきたので「山」という感覚はありませんが、三角点がありました。ここからスゴ乗越小屋までは50分程度。ゆるゆると下っていき、森林帯に入ります。
お花を見ながら歩いて、スゴ乗越小屋で休憩
さらに下山は続きます。目の前の高さにあった山々の頂きが見上げるようになり…次は、あの山々を越えていくんだろうなと思うと、登り返しの長さが容易に想像できます。
途中ですれ違った二人連れから「どこまで行くんですか?」と聞かれ「五色ヶ原です」と答えたら、「地獄の道を楽しんでくださいw」って言われました。…そう、これからがこのルートの大変なところなのです。そのお二人は今日はスゴ乗越小屋からで薬師岳山荘に泊まるとのこと、「ゆっくり行ってきます」と仰っていました。
スゴ乗越の小屋までも花がたくさん咲いていて、茂みには野いちごが実っていました。
ゆるやかに下山するので気持ちよく歩けますが、標高が下がって森林帯に入ると、時々むっとする暑さに包まれます。
8時にスゴ乗越小屋に到着しました。
薬師岳山荘から休憩込みで4時間15分ぐらいなので、コースタイムぐらい。
乗越小屋に山の奥深くにぽつんとある山小屋です。なかなかここまで来ないよな…と思いながら、小屋の前で休憩していると、何人か登山客がやってきました。
思ったよりこのルートを歩いている人はいるみたいですが、みんな軽量なザックを背負っていて、靴もトレランシューズ。さすがTJARのルートだけあって、ファストハイカーが多いようです。
ファストハイカー憧れる…今度チャレンジしてみたい!
ごはんたっぷり。赤ウィンナー、卵焼き、からあげ、てんぷら。
薬師岳山荘から五色ヶ原での水の補給はこのスゴ乗越小屋のみになります。
1リットル100円で購入。
今日も暑くて、この先かなりのアップダウンがあるのがわかっているので、1リットル購入して、合計2リットルの水を持ちました。やっぱり何を捨てても水は大事。しかも残りの水がたっぷり残っていると精神的な強みが違うので、多少重くても水を持つことにしました。
スゴ乗越小屋のてぬぐいが熊を模した鳥獣戯画みたいな感じで、可愛い♡
思わず、買ってしまいました…軽量パックのファストハイカーを目指すには荷物が多すぎるかも…。
スゴ乗越小屋にはテント場があります。
このルートをテント泊で行く場合はここでさらに1泊するのが王道だそうです。
この日は朝8時という時間だったためか、テントは1張もありませんでした。でも、テントが張りやすそうで、いい場所だなと思いました。
さて、ここからがこのルートの核心部…つらいところになります。