【GW燕岳登山Day1】中房温泉から残雪の燕山荘へ

燕岳
北アルプスおすすめ・まとめ

ゴールデンウィークに燕岳へ登ってきました!燕岳からみる残雪期の北アルプスの大絶景は、本当に感動の景色です。燕岳は天候が良ければ雪山初心者にも登りやすい山で、4時間坂をがんばって登れば、銀世界と絶景が楽しむことができます。

【燕山荘】
燕岳の麓、標高2,712mに立つ山小屋。キレイでご飯も美味しくてホスピタリティがある山小屋で有名。泊まってよかった山小屋上位です。収容650人でテント40張。
燕山荘グループとして他に大天荘、ヒュッテ大槍などがあります。
2022年5月の時点で1泊2食で14000円でした。
>>燕山荘ホームページ

【行程】 ※本ブログは1日目の行程です
1日目:中房温泉(11:00)→第二ベンチ(12:13)→富士見ベンチ(12:40※休憩)→合戦小屋(14:12)→燕山荘(15:20)
2日目:燕山荘→燕岳→北燕岳→燕山荘→合戦小屋→中房温泉
※往復ともに中房温泉まで車(GWは車で中房温泉まで入れます)

【雪山登山レベル】★★☆(中級)
小屋泊にすれば行程が短く、北アルプスでも残雪期ならば登りやすい

夏も同様の行程で合戦尾根を登ってます。よろしければご参考までに

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残雪期、小屋泊登山の準備

残雪期登山で、一番悩んだのが「靴」でした。夏靴+軽アイゼンでも行けるという話でしたが、燕山荘に電話をして聞いてみると、「前爪のある10本以上のアイゼン必携、夏靴はやめてください」と言われましたので、冬靴と12本爪のアイゼンを用意しました。ただ冬靴は重たいので、合戦尾根の急登をちゃんと登れるか心配。また、ピッケルは持たずにストックだけ準備します。

服装ですが、昨年のGWは天候が悪くて北アルプスでも遭難があったと聞いていたので、しっかりハードシェル・雪山のパンツとスパッツ、ダウンジャケット・ダウンパンツを持っていきます。ただ、今回の日程は天気がよく、暑くなるという予報だったため、着ていったのは上はファイントラックのベースレイヤーとメリノウールの薄手のシャツ、下はスポーツタイツに撥水加工の薄い登山パンツという超軽装でした。

その他はテルモスと、小屋泊用のインナーシーツ(モンベルのウォームアップシーツ)と、着替え等を持って登りました。35リットルのザックで、重さは9.5kgほど。

結果的に天候がよかったので、ハードシェルを風よけに着ただけで、雪山のパンツもスパッツをつけず、ストックがあれば安心という程度の登山でした。また、夏靴+軽アイゼンで登っている人もいました。個人的な感想は、冬靴で雪に覆われていない合戦尾根を登るのは結構ハードで、ハイステップな階段で足が上がらないくらい疲れたので、次にここを登るときは4シーズンの靴を用意して前爪のあるアイゼンをつけていくのがベストかなと思いました。
(ただし、天候等やその年の雪の状態にもよるので、装備の判断は慎重に行ってください)

合戦小屋を重い冬靴で登る

午前10時半、中房温泉に車で到着。天気は良くて、麓は春の陽気。これは暑くなりそうだ…と思い、上は長袖の薄手のメリノウール、下はスポーツタイツに撥水加工の薄手のパンツという、ほぼ夏山ぐらいな格好に冬靴を履いて登り始めました。

中房温泉の燕岳登山口に到着


もちろん、最初は雪はなく、夏と同じ土の登り坂です。

昨年の夏もこのルートを登って、しばらくずっと樹林帯の登坂というのは知っていましたが、そこまでシンドイ印象はなく、まあなんとか登れるでしょう…と思っていたのですが、登り始めると冬靴の重さにびっくりしました。

麓は夏山で暑い…。登山ウエアも夏仕様です。

第二ベンチまで来ました。雪はありません。


第二ベンチまでは、他の軽アイゼン組のスピードについていって登ったのですが、この先ぐらいから、足が思うように上がらなくなってきました。特に段が高いハイステップで登るときは、足があがらない…冬靴の重さにだいぶ脚が疲れてきた様子です。
また、シーズン最初の北アルプスの急登なので、体もついていってなかったのかもしれません…。

ここも雪もなく、無駄に重い冬靴で土の道を必死に登る

雪をかぶった山が見えてきました。テンションがあがります。

この階段が冬靴で重たい足にはキツイ…


第三ベンチを越えて、富士見ベンチまで来ました。
第三ベンチから富士見ベンチの間で少し雪が出てきたので、ここから先はアイゼンをつけます…うーん、足がもっと重たくなるわぁ (><)

ここで昼食タイム。登る前にパンを1つ食べていたので、ここではランチパックのピーナッツをいただくことにしました。セブンイレブン限定の「深煎りピーナッツ」美味しかったです!ランチパックとカップラーメンは山行の定番ですが、ここで食べると本当に美味しいのです。

ランチパックでお昼ごはん第二弾



甘いものを食べて、エネルギーを蓄えたので、燕山荘を目指して登り始めました。
雪が積もっている場所がでてきたので、冬靴でも歩きやすくなってきました。

雪がかなり積もっていました

道に迷わないように旗がたっています

おお!雪山の絶景が見えて、楽しくなってきた!


14時20分、合戦小屋に到着しました。
夏とは違ってスイカは売っていないようですが、飲み物や軽食は売っているみたいでした。
GWだけあって登山客がたくさんいました。みんなここでのんびりと休憩している様子です。

合戦小屋つきましたー

合戦小屋の前に売店。コーヒーとか売っているみたいです。

GWで人もたくさんいます

合戦小屋から先はこの雪道を登っていきます。

合戦小屋から燕山荘へ雪の急登

合戦小屋から雪の斜面を登り始めます。この斜面を登るようになって初めて冬靴の威力発揮。
12本爪のアイゼンは雪の斜面でもしっかり爪が食い込むので滑りにくいです…が、雪の表面が溶けてズブズブになっているので、やっぱり歩きにくいのは一緒…。
あんまり冬靴のメリットないなぁ。

天候がよくて暖かったので、ウエアも長袖にパンツという夏の登山と同じスタイル。雪用のスパッツもつけずにストックだけ持って登りました。風もなかったので、ハードシェルも着ることなく、足元以外は全くの夏装備です。

槍の穂先がぴょこっと見えてきた!
雪はズブズブで、足元が崩れて歩き辛いです。

急な道…登るのに必死です


夏の道と違って、積もっている雪の上を直登するので時間的にも距離的にも近いのですが、やっぱりその分、道は急になります。かなりの斜度を緩んでいる雪の上の歩くのはふくらはぎに力が必要です。

でも、登っている最中に目に入っているのは、雪を冠したきたアルプスの景色。厳冬期に来るのは難しいですが、GWでもこれだけの雪山絶景が楽しめるのです。これは大変でも登る価値がありですね。

雄大な北アルプスの山並み

槍ヶ岳もだいぶ全景が見えるようになってきました。
絵に書いたような雪山登山。かなり軽装ですがw


急登は繰り返し、雪の壁が何度もそびえ立ちます。
その壁、一つひとつを上って、攻略して、少しずつ燕山荘に近づいていきます。

急登は、燕山荘まで何回も繰り返して続きます

燕山荘が見えてきた。あと一息!


槍ヶ岳と反対側にも高い山々が見えてきました。
ここまで登ってくれば、小屋までは、あと少し。

視界がだいぶ上がってきました。もうすぐ尾根に出ます


15時20分、燕山荘に到着しました。小屋の前の最後の階段も足がきつくて仕方なかったけど、最後の最後の力を振り絞って、階段を登りきります。

燕山荘ついたよー(TT)


小屋の裏側から稜線に出ると、感動の大パノラマが広がっています。
北アルプスのシンボル、雪の積もる槍ヶ岳。
双六、鷲羽、水晶の山々がの勇壮な山々の稜線が、目の前に連なっています。
そして、大天井岳へと向かう表銀座、こちら側の稜線。
どれも、本当に美して、この時期にしか見られない空の青と、山の雪の白い絶景です。

燕山荘の前の稜線。すくっと立ち上がっている槍の穂先も真っ白

大天井岳に続く道。こっちも行ってみたい!
裏銀座の北アルプスの山々


冬は小屋の裏側に到着するので、燕山荘の正面に回り込みます。
真正面にそびえ立つのは燕岳。その前にテントがたくさん張ってあって、テント泊も楽しそうだなと思いました…今度はもう少し足を鍛えて、テント泊で来よう(がんばる!)

色とりどりのテントがたくさん立ってます

燕岳は雪が少ない

燕山荘到着。夏と変わらぬ姿で迎えてくれます

燕山荘で美味しいごはんと、絶景の夕陽

燕山荘にチェックインします。1泊2食つきで14000円。コロナとかもあってちょっと値段が上がっていますが、山小屋のクォリティは相変わらず高い。燕山荘グッズもたくさん売ってます。

ステンドグラスのかわいい電気のかさ
靴やストックは部屋の前に置きます

4人用の個室でした。隣の人との間に衝立があります

部屋で荷物を片付けて、小屋用に着替えたり身支度を整えた後は、食堂前のテーブルでケーキセットを頂きました。夏に立ち寄ったときは、時間がない中でりんごキャラメルケーキを頂きましたが、今回は時間もあるので、ベリーのムースケーキをゆっくり味わいます。
山でケーキを食べられるって最高!

ベリーのムースケーキ。運動の後の甘いものって本当に幸せですね。罪悪感なし。



外に行って山を眺めたり、おしゃべりをしながら2時間ぐらい過ごし、午後5時にお待ちかねの夕ご飯タイムになりました。食事は3回転するようで、私達は2回転目。夕ご飯にはちょうどよい時間でした。

ご飯と味噌汁はおかわり自由で自分たちでよそいます。
おかずはハンバーグ、煮物、サラダ。GWに行ったためか柏餅がついてました。

野菜たっぷり嬉しい。ハンバーグも美味しそう。

柏餅!!

なんと、チーズINハンバーグ!

夕ご飯を食べ終わった後、燕山荘のオーナーさんから色々お話頂きました。
昨年がちょうど百周年の燕山荘。歴史や燕山荘でのイベント、温暖化や自然保護への取り組みなど、話を聞いているためになりました。
「山にいると心がキレイになっていい空気を吐くから、地球は汚れないんです」っていう言葉が印象的でした。確かに下界では、いやーなこともあって悪い言葉や想いを吐き出すときもあるけど、山に来ると浄化されてキレイな空気だけを吐き出している気がします。
だから、山に行っちゃうんですね。

最後、名物のホルンを吹いて下さりました。すごくいい音で聞き惚れます。高所でこれだけ肺活量の使う楽器を吹くのは大変だろうなと思いました。
この先もお元気で続けて頂けることを願います。

燕山荘のオーナーさんのホルン



燕山荘のお話を聞いて、ご飯を食べ終わって外に出ると、ちょうと夕陽が沈む様が見れる時間でした。山の向こうに消えていく今日の太陽。晴天の空の下でこの美しい夕焼けを見れるなんて本当に幸せです。

夕陽が沈んでいきます
おレジン色にそまり、山の稜線がくっきりと見える。


太陽が沈みきって、空がほんのりピンク色に染まる中、佇む槍ヶ岳、燕岳、北アルプスの山々。清々しくて、キレイな空気がそこにはありました。
登山の疲れも、日頃のストレスも吹き飛んでしまいますね。

燕岳のイルカ岩に似た感じ岩が燕山荘の上にもあります

すっかり暗くなって、太陽の残り火が山の向こうで燃える頃、空はすっかり宇宙の色に。
一筋の飛行機雲が尾をひいていました。

麓の街の灯りがみえる

夜まで外にいましたが、それほど寒くなくて、気持ち良い時間でした。
明日は燕岳と北燕岳に登って下山します。

【yamaiko.vlog】ゴールデンウィーク燕岳

\ゆるい動画を作ってみました。参考までにどうぞ/