【初秋の北アルプス】双六岳へゆるいグルメな山旅

北アルプス

今年の夏休みにテント泊で行ったルートですが、黒部五郎岳に行きたくて、初秋の9月に再度同じルートを行くことになりました。ところが急にやってきた台風で、予定を大幅に変更することになり、結局双六山荘に1泊で終了…。目標は未達で残念だったけど、初秋の北アルプスとグルメも楽しめるゆる山旅は楽しいものでした

【双六岳】
長野県・岐阜県。標高2860m。新穂高温泉から歩いて約7時間。麓には双六小屋があります。
日帰りでは行けない距離で、双六小屋から山頂までも1時間ほどかかります。山頂からは黒部五郎岳、薬師岳、鷲羽岳、水晶岳など北アルプスの山々を見渡すことができます。
登山レベル:★★★☆☆ (中級レベル)

【双六山小屋】
双六岳の麓にある山荘で、設備の整ったきれいな小屋です。1泊2食13000円(2022年)。ごはんも豪華でおすすめの山小屋です。

【行程】
往路:東京→[毎日あるぺん夜行バス]→新穂高温泉
1日目:新穂高温泉(6:00)→わさび平小屋(7:10)→鏡平小屋()→弓折乗越→双六小屋→双六岳→双六小屋※宿泊
2日目:双六小屋→弓折乗越→鏡平小屋→わさび平小屋→新穂高温泉
復路:新穂高温泉→[バス]→平湯温泉(立ち寄り湯)→松本→[JRあずさ]→東京

YAMAPの行程
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新穂高温泉から鏡平山荘。頑張って登る!

1ヶ月前と同じ、あるぺんの夜行バスで、新穂高温泉にやってきました。
すでに9月。朝6時でもまだ暗い。季節はすっかり秋になってきています。

今回は新穂高温泉のバス停で友人と合流し、一緒に出発します。
今日は双六山荘に1泊して、明日黒部五郎小屋に1泊の予定でしたが、急にやってきた台風のため一気に黒部五郎小屋まで行こうということになりました。
なので、ちょっと早足で登っていくことになります。

朝6時まだ暗い。天気はよさそう。

新穂高のバス停。台風予想ではありますが、連休ということで人が多いです。

まずはわさび平小屋まで林道を歩いていきます。
8月に来たときに、暑さのあまり水を飲みすぎて足りなくなった事を教訓に、笠ヶ岳への分岐になる笠新道登山口の湧き水で、お水を汲んでおきます。

林道を歩いて進んでいきます。

お水をたっぷり汲んでおく。


7時10分にわさび平小屋に到着しました。ここでは軽く休憩をして、先を急ぎます。
あいかわらず、水に浮かんでいるきゅうりとトマトがのどかで、涼しげで絵になる風景です。

わさび平小屋に到着

きゅうりとトマトが水に浮いている。ここはまだ夏ぽい。

林道を終えて、登山口に入り、小池新道を登っていきます。
太陽が登ってきて日差しが降り注ぎ、暑くなってきます。でも8月ほどの気温ではないので、この急坂を登っていても、暑さでバテることはありませんでした。

青空が眩しい。山の稜線がくっきりと見える

水が涼しげに流れています。

岩の上を通って登り始める。


8:15に秩父沢に到着しました。ここで休憩します。
多くの登山客がここで汗を拭って、流れる水の上を吹き抜ける風に、火照った体を冷やす場所。
流れる水の音に癒やされながら、しばしお茶タイムです。

秩父沢に到着


秩父沢を出発して、またも急坂をのぼって1時間程度で、「シシゥドヶ原」に到着。
ここにはベンチが置いてあって、休憩ポイントになっています。
こちらで一息ついたあとは、一気に鏡平山荘まで登っていきます。

シシゥドヶ原の休憩ポイント

木々が少し秋色になっている

鏡平へあと5分

少しだけ秋色の景色になっていた木々の中を登って、10時に鏡平山荘前の鏡池に到着しました。
曇り空でしたが、池に槍ヶ岳がはっきり映っていて、すごくきれい!!

鏡池に槍ヶ岳が映る

鏡平山荘。いつも賑わっています。


小屋に到着して、水を購入。
水を購入するには、500ml100円が必要ですが、両替は自動販売機できます。
お酒のワンカップを再利用した容器に100円玉が入っていました。面白い〜。

鏡平山荘の両替は自動販売機で。
この瓶に入って出てきます

鏡平山荘から双六小屋へ。初秋の絶景の道。

鏡平山荘から、弓折乗越まで、1時間ちょっと登りが続きます。
槍ヶ岳に励まされながら、ひたすら急な坂道を登ります。心が折れる道のりですが、8月に来たときよりは若干涼しい9月。
まだ頑張って登れそうです…。

鏡平山荘を出発します。草がちょっと茶色になっていて初秋らしい。

あの稜線まで登っていきます。

槍ヶ岳がきれいに見える

槍ヶ岳へ伸びる稜線が美しい

弓折乗越まで登ってきました。


11時半に弓折乗越に到着。ここから槍穂の稜線が美しくて、見てて飽きない素敵な風景です。
とはいえ、まだ道のりは長いので、休憩もそこそこに双六小屋に向けて出発します。
(この時点では黒部五郎小屋まで行く気でいました…)

鷲羽岳が見えてきた

鷲羽岳がみえてくるとテンションが上がります。
まだ遠い山を見ながら急ぎ足で双六小屋までのアップダウンのある道のりを急いで進みます。
9月の登山道は、草紅葉で茶色く色づいた草の中を進みます。山はすっかり秋の装いです。

草紅葉していて、すっかり秋の気配

草枯れの向こうに山の姿。こちらも初秋らしい景色

双六小屋の赤い屋根と鷲羽岳。
やっぱり、この景色は素敵です。
双六小屋へと連なる道

この草原の景色も最高。9月らしい景観

双六小屋前から見る鷲羽岳はやっぱり圧巻


12時半に双六小屋に到着しました。
本来、予約は双六小屋に入れていたのですが、明朝の台風のことを考えて、このまま黒部五郎小屋まで行こうと、予約を変更してもらうことにしました。

小屋の方に相談すると、明日は強風で黒部五郎岳に登れないどころか、ここまで戻ってこれないのではないか…とアドバイスを受けました。さすがに今から黒部五郎岳の山頂まで登る時間も気力もなく…一緒に行った友人と相談して、今回は黒部五郎岳を断念し、双六小屋で1泊して帰ることにしました。

嗚呼…遠い黒部五郎…。今年2回めの断念。五郎様にはなかなか会うことができません…切ない…(泣)

双六小屋から双六岳へ登る。意外に遠い?!

せっかくなので、いつもスルーしてしまいがちな双六岳に登ることにしました。
小屋で荷物を整理して、外に出てきたら空は一気に曇りに変わっていました。やっぱり午後は天候が崩れやすい。

双六岳まで往復で1時間半程度なので、雨が降ってもまあいいかと思い、登山開始。
せっかく来たから、どこかしらピークハントはしておきたい…。

双六岳方面に登っていきます。

コケモモ?の花。一面咲いていてかわいい

ここを30分ほど登って、双六の分岐へ

雲が増えてきて鷲羽岳を覆っていく

分岐点に到着しました。


三俣へ向かう分岐に差し掛かりました。
前回来たときは、中道を通って三俣山荘に行ったのですが、今回は「双六岳」の方向へ登り続けます。

今回は双六岳方面へ進みます

双六岳山頂へ、ここが急登

岩を乗り越えながら、急な道を上っていきます。


急な岩場を登り切ると、やたらと広い、ハイマツの平原に出ます。
ここはゆるやかに道を進み双六岳の山頂と思しき方向(霧で見えませんでしたが…)へと進んでいきます。
しばらく歩くと、また岩が転がる場所に出て、その先はまた広い平原。
双六岳は思った以上に、山頂まで遠いです…。

岩場を抜けるとハイマツに囲まれた穏やかな上り

再び岩だらけになる登山道。

双六岳山頂はどこだ…??


山頂の直下辺りで、人が立ち止まっていたのでなんだろうと思ったら、雷鳥でした。
やっぱり曇りになると出てくるんだなぁ。

雲が出てきたから、雷鳥が姿を現しました。


14時40分に双六岳山頂に到着。霧で見えなかったし、なんだか長い道のりだった双六岳でした。
山頂についたら雲が晴れてきて、今回いけなかった黒部五郎岳が見え、
「五郎〜!来年こそは会いに行くよ〜♡」と、心の中で叫びました。

双六岳の山頂に到着

少しだけ雲が晴れてきました。

今回もたどり着けなかった黒部五郎岳。大きな山容です。
そのむこうに見えるのが薬師岳。

双六岳山頂から見る鷲羽岳

紅葉している木がありました。

双六小屋の美味しいごはんで、のんびり1泊

15時半に双六小屋に戻ってきて、あとはやることもないので、小屋を散策。
双六山荘は広くて、きれいで設備が整っています。なんと洗面台があって、石鹸もついています。
ただ、自分に割り当てられたスペースは本当にふとん1つ分で、ちょっと狭い。コロナのために細かく寝室を区切ったようです。

双六山荘に戻ってきました。
部屋はこの廊下の先にあります。
広いしキレイ。

正面が受付。右側が談話室です。

ちゃんと石鹸がついている洗面所。学校の水道みたいです。

ベッドはちょっと狭め。布団1つ分しかないです。


乾燥室で服を乾かし、談話室でぬくぬくとしている間に、夕ご飯の時間になりました。
夕ご飯はボリュームたっぷり。天ぷら、そば、魚や芋の煮物。ごはんに味噌汁。
山小屋で天ぷらは初めてだったかもしれません。天ぷらの量がかなりあってお腹いっぱいになりました。

夕ご飯はなんと天ぷら。おかずもいっぱい、蕎麦もついていて、ボリュームあります。

ちくわ、ピーマン、ナス、かぼちゃ、鶏肉(?)の天ぷら。
たくさんの種類があります。

おそばものど越しが良くてツルッと食べられます。

じゃがいも・お魚は甘辛醤油味

翌日は朝ごはんをお弁当にしてもらいました。また、このお弁当が炊き込みごはんになっていて、めちゃくちゃ美味しい。
鮭にシュウマイに、唐揚げものっていて大満足です。
山小屋弁当の中ではイチオシのお弁当でした。

お弁当は炊き込みごはんで、おかずも充実。
私の中では山弁当のNo1です。

双六山荘から新穂高温泉へ。鏡平山荘のコーヒーフロート!

翌日は早朝5:30に双六小屋を出発しました。
心配していたほど風はありませんでしたが、空には雲が立ち込めています。
今にも雨が降り出しそうな空に、雨が降る前に山を下りようときょうも急ぎ足に進みました。

台風が近づいていて天気は怪しい

さっさと下山します。

昨日とは打って変わった雲の多い天気

弓折乗越に戻ってきました。

鏡平山荘に戻ってきた


一気に鏡平山荘まで下ってきました。
7時に山荘に到着。なんと青空も覗いていい天気になっている…?!

ここでちょっと休憩。今回は行きから絶対注文しようと決めていた「コーヒーフロート(1000円)」を頼みます。
ちょっと高いけど、山にはご褒美が必要。

ここで贅沢することにしました。

じゃじゃーん。コーヒーフロート1000円です!

自家焙煎の珈琲に、どうやって保存しているのかバニラアイスクリームがのっているカフェメニュー。
さすが、北アルプスの山小屋はクォリティが高いです。
甘く冷たいアイスとコーヒーが歩いて疲れた体を癒やしてくれます。最高の贅沢タイムです♡

ここで、双六小屋のお弁当も半分頂いて(半分は出発前に食べた…)、下山のエネルギー補給はばっちり。
一気に新穂高温泉まで下り、12前にはバスターミナルに到着しました。

最後の最後にソフトクリームも食べてしまって(本日2個めのアイス!)
今回の「ゆるいグルメな双六山旅」は終了しました。
まあ、黒部五郎には会えずじまいでしたが、景色とグルメを楽しめた、なかなかよい山旅でした。

新穂高ロープウェイ乗り場でもソフトクリーム購入。