2021年の雪山入門の2回目は北八ヶ岳へ。北八ヶ岳の坪庭から縞枯山を経由して白駒池のほとりの白駒荘に一泊し、高見石から黒百合ヒュッテを経由して渋の湯に帰るコースです。
私は今回は12本爪のアイゼンと冬靴で行きましたが、メンバーは軽アイゼンと夏靴の人もいましたので、軽アイゼンでも十分歩けるコースでした。
【装備・ウエア】
軽アイゼンでもいける山ですが、私は今回は12本爪アイゼンと雪山用の靴で行きました。ピッケルは使わず、ストックのみ。1日目は暖かったので上下ともに2枚重ねぐらいで行動しました。雪山ウエアは以下の記事を参考にしてください
【縞枯山】
北八ヶ岳ロープウェイの駅から1時間ちょっとで登ることができます。初心者でも、軽アイゼンでもいけますが、寒いで気をつけて!
雪山レベル:★☆☆ 初級
【白駒荘】
白駒池のほとり立つ山荘です。新館は立て直したばかりで、とてもきれいです。ごはんも美味しい、お風呂もあるおすすめの山荘です!ここに泊まるために雪道を歩く価値あり。スノーシューの貸し出しもあるので、池でスノーシュー体験もできます。
白駒荘ホームページ
【1日目行程】
北八ヶ岳ロープウェイ(11:00)→縞枯山荘(11:20)→縞枯山(12:00)→縞枯山展望台(12:20)→茶臼山(12:50)→麦草峠(13:40)→白駒荘(14:40) ※4時間40分

【2日目行程】
白駒荘(7:10)→高見石小屋(8: 40)→中山峠(10:10)→黒百合ヒュッテ(10:15)→渋の湯(12:10) ※5時間

坪庭から縞枯山、麦草峠
スタートは北八ヶ岳ロープウェイの駅。ロープウェイで山頂付近まで来てしまうの楽ちんです。
ロープウェイの山頂駅を出たところでスパッツ・アイゼンをつけます。
今日は晴天なので、登山客やスキー客でロープウェイは大賑わい。

身支度を整えて、坪庭展望台を経由して、縞枯山荘へと歩いていきます。
晴天の八ヶ岳、今年は雪も多く、素敵な景色が楽しめました。




展望台から南アルプス、中央アルプスの山々を眺めた後は、アイゼンで歩いて縞枯山荘へ。雪はふかふかで歩きやすく、軽アイゼンでも十分歩けます。天気もいいので、暖かい…いやむしろ暑い。先週行った赤城山が寒かったため、ものすごく厚着をしていたのですが失敗でしたw
雪山は何度行っても着る服を悩みますね。

縞枯山荘はロープウェイの駅から20分ほどで到着します。2017年の雪山で1泊したことがありますが、ロープウェイから近いため、お手軽に冬の山小屋泊ができる、雪山初心者におすすめの宿です。
今回は、縞枯山荘を通り過ぎ、縞枯山へ40分間、木々の間の急な坂をひたらすら登っていきます。


坂を登りきると縞枯山の山頂なのですが、ここは木々に覆われて見晴らしはそれほどよくありません。ただ木に覆われているので風がなく、ここでちょっと休憩。お茶を飲んだり、行動食を食べたりした後、展望を楽しむために縞枯展望台へいきます。

縞枯山の展望台からは赤岳を見ることができました。
天気がよかったので南アルプス、中央アルプス、北アルプスまで見通せます。
白い雪を冠した山々と青空に映えて美しい姿を披露していました。


景色を眺めた後は、本日の目的地、白駒池を目指して再び歩き始めます。
縞枯山から一度下りて、茶臼山に登ります。その後はまた山を麦草峠に向かって下っていきます。途中、中小場という展望スポットでちょっとだけ休憩しました。ここも景色が良い場所です。


この後は麦草峠まで樹林帯をひたすら下山していきます。
森の中は雪でいっぱい。木に積もった雪が、大きい「雪見だいふく」のようにこんもり半円を描いて積もっている様は、ちょっと可愛らしく見えました。


麦草峠前の道路までやってきました。一面雪で埋もれていて、車は走れないほどの深く積もっている。雪に消えた道路の上で、標識だけがここが舗装された道路であることを示していました。

麦草峠の麦草ヒュッテに到着しました。三角屋根のヒュッテで冬も営業しています。
ここで再びトイレや行動食の休憩をしましたが、ここから白駒池までは1時間程度です。



麦草峠から少し登って雪原を歩き、樹林帯に入って30分ぐらいすると、凍って雪で覆われた白駒池が見えてきます。池のほとりを歩いてすぐ「白駒荘」の木造の小屋が見えてきました。
今日の宿はこの「白駒荘」です。本日の5時間弱の雪山歩きはゆるく終了しました。

白駒荘と白駒池のスノーシュー
白駒荘は大正時代から続く宿で、今年は100周年だそうです。
本館は昔ながらの面影を残した宿、新館は平成30年に建て替えたばかりのまだ新しい山荘でした。見た感じは、山小屋というよりホテルみたい…。

今日は新館の大部屋に泊まる事になりました。
室内も新しくて、布団もふかふか、床はピカピカ。清潔感もあって、山小屋とは思えない綺麗なお部屋です。


荷物を部屋に置いた後、白駒池遊びにでかけました。
白駒荘で1000円でスノーシューを借りて、凍った池の上を歩きます。
アイゼンだとズボッと雪にはまるところ、スノーシューは全然だいじょうぶ。雪の上をスイスイ歩くことができます。




スノーシューで遊んだ後は山荘に戻って、お部屋でビール&おつまみタイム。
夕ご飯が美味しいと聞いていたので、食べすぎ・飲みすぎないように要注意です。

さて、5時になって、お待ちかねの夕ご飯タイムです!
食堂に行ってみてびっくり、分厚いお肉が3枚もお皿にのっている!そして女性に嬉しいたっぷり野菜がまるでカフェみたいな木のお皿に色とりどりに並べられています。お鍋に野菜が沢山。
普通のカフェより豪勢で量もたっぷり。さすが白駒荘です。

やわらかくてすごーく美味しかった!

これだけでもお腹いっぱい。デザートは自家製の凍った柿。

食べきれないほどたくさんのご飯を頂いて満足!
しかも宿にはお風呂があるので、浸かるだけですが、温まってから寝ることできます。
お部屋に戻ったら、白駒荘100周年記念の手ぬぐいを頂きました。
100周年おめでとうございます!また来たい山小屋だと思いました。

白駒池の朝と展望台から天狗岳を望む
次の日の早朝。まだ日が上る前に起きて、夜明け前の白駒池へ行ってみました。
うっすらと明るくなる東の空。頭上にはまだ星が残っていて、澄んだ空気の中で、月も輝いていました。早朝の絶景です。


朝6時に食堂で朝ごはんをいただきます。
朝ごはんも品数が多くて、野菜もたっぷり。どれも美味しくて、昨日の夜以上にお米も頂いちゃいました。朝ごはんは完食です!



朝7時に、お世話になった白駒荘を出発します。本当にいい宿だった。リピート確実です。
今日は空に雲が多く、昨日ほどの快晴ではありませんでした。
寒くはなく雪もふってないので、悪いコンディションではありません。
樹林帯を歩いて戻り、高見石小屋へと登っていきます。

高見石小屋へは1時間ちょっとで到着しました。
小屋は営業していましたが、中に入らず外で軽く休憩をしただけで、先に進みます。
高見石から中山は1時間ほど急な坂を登っていきます。

中山の展望台には10時過ぎに到着しました。
見晴らしがよい分、何も遮るものがなく、冷たい風が吹き抜けています。
山の写真をとっていたら、雪を踏み抜いて腰まで埋もれてしまいましたw足元要注意です。




見晴台は寒かったので早々に出発して、中山峠へ。
中山峠に来ると天狗岳がよくみえました。西天狗と東天狗。


中山峠から黒百合ヒュッテに向かう途中の見晴台に到着。
天狗岳が近づいてきて、ここからだと天狗岳に登ろうとしている登山客の姿もよく見えました。


中山峠から下ってすぐに黒百合ヒュッテに到着します。ヒュッテ前にはテントがたくさん。
昨晩、テント泊をしていた人は多かったようです。


黒百合ヒュッテ前で軽く休憩をしました。
持ってきたランチパックを食べながら、あんなに朝ごはんを食べたのになぁと思いました。
何回も朝ごはんを食べてしまうw…雪山は体力を使うのです。
さて、黒百合ヒュッテからは渋の湯へ向けて一気に下山します。
道は樹林帯をひたすら下っていく消耗戦。



途中、雪の斜面を滑った跡があったので、「お尻すべり」で挑みました。
一気に雪の斜面を下って下へ!楽しい!スリリング!
そんなことをしながら樹林帯を下ると、渋の湯の川が見えてきました。

12時に渋の湯のバス停に到着しました。
だいたい5時間ぐらいの行程でしたので、本日もお手軽な雪山歩きです。
今回の雪山旅は、天気に恵まれていたので、寒い思いもせず、終始楽しく雪山を楽しむことができました。
何よりも白駒荘の居心地の良さは最高でした。ご飯も美味しいし、白駒荘を楽しむためだけにもう1回来ても良いと思うほど。
このルートは軽アイゼンでも行けるので、雪山初心者にもおすすめのコースです。
数年前にも同じようなルートで軽アイゼンで行っているので、以下も参考にしてください。