【八ヶ岳のんびりテント泊②】赤岳の絶景を眺めながら、権現岳とキレット小屋へ

権現岳
八ヶ岳・中央アルプス

テント泊2日目は、朝から快晴!朝ごはんをゆっくり食べたら、権現岳に向けて登山を開始します。
赤岳や阿弥陀、南アルプスや北アルプスも見通せ、素晴らしい景色をたっぷり堪能しながら山歩きを楽しみました。

【行程】※このブログは2日目、3日目の行程になります。
アクセス:小淵沢→(タクシー3500円程度)→観音平
1日目:観音平登山口→雲海→押手川→青年小屋(テント設営)→編笠山→青年小屋
2日目:青年小屋(7:10)→西ギボシ(7:50)→東ギボシ(8:10)→権現岳(8:40/9:15)→旭岳(9:35)→ツルネ(10:10)→キレット小屋(10:45/11:25)→ツルネ(11:50)→旭岳(12:20)→東ギボシ(12:50)→西ギボシ(13:05)→青年小屋(13:45) ※6時間半
3日目:青年小屋(8:30)→押手川→雲海→観音平(11:15)
 ※2時間45分

【権現岳】
標高2715m。長野県・山梨県。八ヶ岳の代表的な8つの山の1つに数えられ、八ヶ岳の中でも南に位置します。観音平から青年小屋を経由して登るコース、天女山登山口から登るコース、赤岳から縦走するコースと代表的な3つのルートがあります。(このブログは青年小屋から登るコースをご紹介。)

【キレット小屋】
赤岳と権現岳の間に立つキレット小屋。本沢温泉が運営しています。リニューアルしたようですが、2023年は8月〜9月中旬の平日の素泊まりのみ営業だったようです。
詳細はホームページをご確認ください。

■2日目の行程(青年小屋〜ギボシ〜権現岳〜キレット小屋〜ギボシ〜青年小屋)

■3日目の行程(青年小屋〜観音平)

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青年小屋から権現岳へ

テント泊の朝、うっすら明るい日の出と、周囲の人の声で朝4時半には起床していました。
それでも今回はのんびりテント泊。出発時間に余裕があるので、5時すぎまでシュラフの中でダラダラして、5時半ぐらいにお湯を沸かしてコーヒーを入れて、今日のお弁当代わりのアルファ米にもお湯を入れます。
もってきたバームクーヘンとコーヒーで朝ごはんを終えて、身支度を整えたところで朝7時。

空は快晴。いい天気。これから権現岳を登っていきます。
青年小屋にある標識を見て、権現岳方面に歩き始めます。最初は樹林帯。朝なのでまだ涼しく、太陽の光も当たらないので気持ちよく登ることができます。

樹林帯を20分ぐらい登っていくと見晴らしがよくなって、振り返ると編笠山の丸い山容が青空にくっきりと見えました。

青年小屋〜権現岳
テント場から編笠山へ出発

青年小屋〜権現岳
最初は樹林帯

編笠山
登り始めてすぐ。振り返ると編笠山全景がくっきり見える

青年小屋〜権現岳
山の向こうに雲海

青年小屋〜権現岳
道は岩場と変わっていく

樹林帯を抜けると、岩と土の険しい登山道になっていきます。登り切ると、目の前に東西ギボシと、権現岳のゴツゴツした勇ましい姿が。左手を見ると、ギボシに連なる稜線のむこうにひときわ高い山が見えました。赤岳かな?と思ったけど、よく見ると「阿弥陀岳」の様子です。そして南側には、昨日編笠山から見たのと同様、雲海の中から富士山の頭が突き出ているのが見えました。…富士山見えるだけで、テンションアップするのはなぜだろうw
高度が上がったので、編笠山の向こうの南アルプスも見えてきました。天気がいいため、周囲の山がよく見えて嬉しい。

青年小屋〜権現岳
ギボシとその向こうに権現岳が見える

青年小屋〜権現岳
山の影に阿弥陀岳が見えてきた

青年小屋〜権現岳
雲海と富士山。まるで絵みたいな風景。

青年小屋〜権現岳
編笠山のむこうに南アルプスが見える

ギボシに登るガレ場の急坂に、昨日同じテント場にいた山岳部の高校生達が下りてくるのが見えました。彼らは朝5時過ぎぐらいに出かけていったので、権現岳からの帰りのようです。わいわい話しながら、急坂にお尻すべりで下りてくる子もいて元気だなーと思ったり…。

ここからはかなり急な岩場を登っていきます。ザレ場とガレ場、滑りやすいし、落石もしそうなので注意しながら進みました。

青年小屋〜権現岳
西ギボシ手前の急坂。岩だらけw

青年小屋〜権現岳
鎖がかかっているところを横に移動

青年小屋〜権現岳
振り返るとわかるけど、なかなかの急坂です

青年小屋〜権現岳
鎖あり。特に使わないけど落石注意


西ギボシの山頂付近に到着。ここからは東ギボシと権現岳がよく見えました。
西ギボシを少し下りて、東ギボシへ。ここもしばらく岩場の道です。

青年小屋〜権現岳
西ギボシからみた東ギボシと権現岳

青年小屋〜権現岳
東ギボシの山肌は岩。鎖や岩を掴みながら三点支持で進む

青年小屋〜権現岳
同じような岩場上りが続く

東ギボシ山頂には寄り道する形で登頂。ひときわ高いこの山の山頂からは、赤岳と阿弥陀岳がよく見えました。
南側から見る赤岳は初めてかも。なんとも凛々しいお姿です。その肩のところに頭をのぞかせる横岳も険しい雰囲気がよく分かる…。

ここから少し下ったところ、権現岳の直下に「権現小屋」があります。40名程度の小さな小屋ですが、2023年は休業しているそうです。

青年小屋〜権現岳
東ギボシ山頂から見る赤岳

青年小屋〜権現岳
次に登るは権現岳。直下に権現小屋が見えます。

青年小屋〜権現岳
編笠山とふもとの青年小屋もよく見えます

東ギボシを下りて、権現小屋に到着。
ここから少し登って南側に進むと、権現岳に到着します。

権現小屋
権現小屋。営業はしていない。

権現岳
雲海に包まれる権現岳。山頂の岩の上に人が立っている。


8時半過ぎに権現岳に到着しました。青年小屋のテント場を出発して1時間半程度で登ることができました。
外からみたように山頂はゴツゴツとした岩でできています。
おっかなびっくりで山頂の岩の上に立ってみると…すごい!
八ヶ岳、南アルプス、富士山、遠く北アルプス、金峰山まで…360度よく見える!

権現岳
権現岳山頂に到着
権現岳
山頂の岩の上に立ってみた!

権現岳
山頂の岩の上から
権現岳
権現岳から東方面を眺める。雲海の中に浮かぶは金峰山かな?

権現岳
権現岳から南側。雲海だらけだw

山頂近くの岩場に腰掛けて、空と山の絶景を見ながら、2回目の朝ごはん。もってきたアルファ米にふりかけをかけて頂きました。おにぎりの代わりです。

権現岳
お湯を入れておいたアルファ米で朝ごはん

権現岳からキレット小屋へ

まだ朝も早いし、天気もいいので、もう少し進んでみることにしました。
赤岳と阿弥陀岳が手招きしているようないい景色なので、赤岳方面へ稜線を歩いて行ってみます。

権現岳〜キレット小屋
赤岳方面に進んでみることにしました

権現岳から稜線沿に少し下っていくと、目の前が切れ落ちています。そこに長い長い鉄のはしごがかかっていました。このはしごを下って一気に権現岳の谷筋におりて、そこから旭岳へ登り返しとなります。

しかし、この鉄梯子、まじで長い!15メートル以上はありそう。
今までいろんな山でハシゴを登ったり下りたりしたけど、これ最長かもしれない。

権現岳〜キレット小屋
見晴らしの良い稜線ですが、一気に切れ落ちている。
はしごを下りていきます。

権現岳〜キレット小屋
このはしご、長い!今までで最長かも。

少し息切れしながら階段をおりたら、今度は旭岳に向かって山の稜線を登っていきます。
ハイマツに覆われた尾根道は気持ち良い。ハイマツの下に「シラタマノキ」という白い丸い花が咲いてました。その名の通り白玉みたいで可愛いし、なんだか美味しそうw

権現岳〜キレット小屋
旭岳に向かっていく

シラタマノキ
シラタマノキ。すごく可愛い。

権現岳〜キレット小屋
旭岳の山頂は巻いて進みました。


旭岳は山頂には登らず、ちょっと巻いてそのまま先に進みます。
依然として、前方には赤岳がでんと構えていて、赤岳まで行きたい!という気分になりました。

権現岳〜キレット小屋
旭岳から眺める赤岳。立派です。

権現岳〜キレット小屋
旭岳からは一度下りて、赤岳への稜線を歩く

権現岳〜キレット小屋
振り返ってみた旭岳

権現岳〜キレット小屋
ここから見ると赤岳のゴツゴツ感がよくわかる

出合小屋の分岐まで来たところで10時15分。振り返ると、旭岳の左側、雲海が立ち込めていた辺りから雲が立ち上ってきているのが見えました。
天気予報によると午後から雷雨の可能性があるということで、キレット小屋まで行ってから早めに戻ることにしました。こんな稜線で雷にあったら怖いですものね。

権現岳〜キレット小屋
分岐に来ました。振り返ると雲が上がってきていた

権現岳〜キレット小屋
全体的に雲があがってきた

権現岳〜キレット小屋
赤岳がだいぶ近づいてきた

分岐からキレット小屋までは20分ちょっと。キレット小屋までの下りの登山道は、一部が崩れていて、草や土で滑り落ちないように注意しながら進みました。

着いたキレット小屋は外見はすごくきれい。どうやらリニューアルしたばかりのようです。営業していないのがもったいないくらい。小屋が営業していれば、キャンプ場もあるので、ここでテント泊ができます。一応水場があるみたいでしたが、見当たりませんでした。(2023年は平日のみ営業していたようです)

お昼も近くなったので、キレット小屋の前の木陰でランチにしました。残っていたアルファ米に焼き鳥と海苔をのせて、即席焼き鳥丼で昼ごはんにしました。

権現岳〜キレット小屋
キレット小屋へ下りていく。崩れそうな道

キレット小屋
キレット小屋に到着。外見はすごくきれいですが、営業していません。

キレット小屋
キレット小屋のキャンプ指定地

キレット小屋から青年小屋へピストン

キレット小屋でランチをした後は権現岳へと戻ります。
空には雲が広がっていて、さきほどまで見えていた遠くの山は見えなくなっていました。
雲に覆われて薄暗くなった道を、雨がふらないといいなぁと思いながら歩いていきます。
日差しがなくなったので少し涼しくなり、歩きやすくなります。

権現岳〜キレット小屋
キレット小屋から旭岳へ戻っていく。雲が東側半分を覆っている

山が雲に覆われてしまった

権現岳〜キレット小屋
あっという間に曇りの天気。

権現岳〜キレット小屋
長いはしごに戻りました。今度は上り


12時半過ぎに権現岳との分岐に戻ってきました。辺りは雲で真っ白です。午前と午後でこんなに天気が違うんだな、と思いながら、ギボシの岩場を慎重に降りて、青年小屋テント場へ戻りました。

権現岳
権現岳まで戻ってきました

権現岳
青年小屋へと下山していきます


1時50分にテント場に戻ってきました。
青年小屋前のテーブルに座って、小屋で買ったチューハイを飲みながら、ダラダラと時間を過ごしました。
天気は晴れたり曇ったりを繰り返しましたが、雷が鳴ったり、雨が降ったりすることもなく、外で過ごすにはちょうどよい気候でした。

夕ご飯は残ったマルタイの棒ラーメンと、インスタントのカレーを混ぜてカレー麺を作りました。
乾燥野菜と、昨日の残りのオクラ、チーズも入れて、ちょっと贅沢な仕上がりに。
今回は持ってきた食料をいい感じで全部食べきりました。過不足なしw

青年小屋テント泊
今日の夕飯はカレー麺。やっぱり水の分量が少なかったw

青年小屋から下山

テント泊最終日は観音平への下山のみです。

今回のテント泊は、ベース型でたっぷり3日間。登山もガッツリではなかったので、半分キャンプみたいなテント泊でした。時間に余裕があるテント泊もいいもんですね。

青年小屋
翌日、テントをたたみます。テント場もだいぶ空いてきました

青年小屋
リュックに全部しまって撤収完了


テントを撤収して、8時半に青年小屋から下山を開始しました。
苔の森を通って、雲のたちこめる「雲海」の地点を通過して、笹に覆われた緑が目に優しい道を歩き、観音平に3時間弱で下山します。

青年小屋〜観音平
観音平へと下山していきます

青年小屋〜観音平
八ヶ岳らしい苔の森

ホタルブクロ
ホタルブクロ。蛍を入れて光らせるらしい

観音平
観音平に到着。下山完了です

下山後は、スパティオ小淵沢に寄って「延命の湯」でお風呂に入り、3日間の汚れを洗い流しました。

その後、併設されているレストランでランチ。地元のお母さん達手作りの「しそジュース」と、テント泊は炭水化物ばかりだったのでタンパク質がほしい!ということで「唐揚げ」を注文。がっつりお肉を食べましたよ〜。

自家製しそジュース。美味しかった!

肉が食べたくて、唐揚げ単品を頼んじゃったw


スパティオ小淵沢には道の駅が併設されています。
道の駅には「シャトレーゼ」があり、濃厚ミルクソフトが売っていました。
普通のシャトレーゼではソフトクリーム売ってないから、小淵沢店でしか食べられないソフトクリームなのかもしれません。

登山帰り、お風呂帰りのソフトクリーム最高w 
そして、濃厚で甘くて、美味しい!大満足!

シャトレーゼ ソフトクリーム
シャトレーゼで濃厚ミルクソフト

今回はゆっくりとテント泊楽しむ2泊3日の山旅でした。
こういうテント泊だとのんびりできていいですし、やっぱりテント泊は安い!
北アルプスを3泊4日で山小屋泊で登山したときは、1万円札がパタパタ飛んで、あっという間になくなってしまったけど、テント泊だと千円札を使うことのほうが多かったです。


今年は体力が低下していたので山小屋泊メインでしたが、今回のテント泊で、テント魂に火が付きました。
またテント泊したい!