【前泊日帰り百名山】雨の恵那山

恵那山
八ヶ岳・中央アルプス

恵那山は長野県と岐阜県の県堺にある山で、百名山の1つ。でも登山口までのアクセスが悪いので、今回はツアーを利用しました。新宿を午後出発し、昼神温泉で一泊、翌日早朝から登山を開始します。

【恵那山】
長野県・岐阜県、標高219m、百名山。中央アルプスの最南端にある。恵那山の「えな」は「胞衣」から由来する名前で、天照大神がこの地に降臨したときの胎盤がこの山に埋められたとのこと。船を伏せたような形の山ということで、「船伏山」とも呼ばれるそうです。単調で眺望が少なく「百名山でもっともつまらない」と言われたりもします。

【登山レベル】
中級:★★★☆☆ 難しいところはありませんが、行程は長めで7時間程度のため、やや体力は必要。
【山バッチ】
近くの温泉施設で売ってっています

【行程】
往路:新宿→[バス]→昼神温泉※宿泊
登山行程:広河原駐車場(5:30)→[林道歩き]→登山口(6:00)→1合目(6:30)→7合目(8:00)→山頂(9:00)→避難小屋(9:20)→山頂(10:00)→登山口(13:00)→[林道歩き]→広河原駐車場(13:30)
復路:広河原駐車場→日帰り温泉→新宿

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昼神温泉で1泊、翌日は朝から雨…。

1日めは午後に新宿に集合しバスで長野の昼神温泉で一泊します。昼神温泉は長野県の阿智村にあり、「日本一星空がきれい」なことで有名な村です(ちなみに宿泊した日は曇りで星空は見れませんでした)。温泉はアルカリ性のツルッとした美肌の湯。ちょっと入っただけで体中温まります。

翌日は早朝4時半には宿を出発します。天気予報が悪くて、午後になればなるほど崩れるということで早めの出発だったのですが…。

恵那山登山の最短ルートと言われる「広河原駐車場」についたの5時過ぎ。バスを下りた瞬間からパラパラを雨が降り始めます。レインウエアを着ようか迷っていましたが、だんだん雨足が強くなってきたので、もう上も下もレインウエアを着込みます。

5時半、雨の中、登山スタートです。

恵那山 5月
広河原の駐車場。天気が悪いためか他の登山客はほとんどいません。

駐車場から登山口まで30分弱林道を歩きます。林道はアスファルトで整備されています。雨が降って暗い中歩き、鬱蒼とした緑の山を見上げると、これから雨の中の登山か…と、テンション低め。でも林道のまわり木々の若葉が一面やらわかな薄緑色で、芽吹いたばかりの緑に心が癒やされました。

恵那山 5月
登山道への入り口です。ここから林道歩きます
恵那山 5月
林道は川沿い。
恵那山 5月
見上げると空には重たい雲が立ち込めて、山は暗い感じです

30分弱歩いて、ようやく登山口に到着しました。ここから川に下りて渡渉してから、山を登り始めます。

恵那山 5月
恵那山登山口にに到着
恵那山 5月
恵那山 5月
木の橋を渡ります

川を渡るとすぐに登山開始です。樹林帯をひたすら上ります。のぼって10分ぐらいしてようやく1合目の看板が見えてきます。
ここまで1時間弱…。遠い山です。

恵那山 5月
恵那山 5月
やっと一合目。ここからスタートだ

坂は急登でもないですが、だんだん強くなってきた雨と、ことし最初の夏山でまだ体が慣れていないせいか、なんだかキツく感じました。ただひたすら地味に黙々と上り続けます。5月の半ばですが、暖かい日だったので、レインウエアを着て歩くとあっというまに汗まみれになり、体はサウナ状態です。

恵那山 5月
2合目までは1合目から20分ぐらい
恵那山 5月
霧がかかった山は神秘的
恵那山 5月
恵那山 5月

笹の道を登っていくと、視界が開けました。ここが恵那山唯一の展望地らしいですが、雨雲で何も見えません…。恵那山はもともと展望の少ない単調な山だと聞いていたので、景色に期待はしていませんでしたが…。

恵那山 5月
晴れていれば、ここから南だか中央だかのアルプスが見える

8時頃、七合目に到着しました。雨のたの2〜3分の短い休憩しかしていないので、予想外に早いペースです。

恵那山 5月

七合目を過ぎたあたりから、たくさんの花を見ることができました。足元に、5枚の花弁で梅に似た白いかわいい花が足元に咲いています。バイカオウレン(?)というのに似ています。

恵那山 5月
バイカオウレン?可愛い花がたくさん咲いている
恵那山 5月
これはイワウチワかな?

九合目付近になると雪渓が出てきました。麓のほうでは暑かったのですが、さすがに雪が残る山頂付近になってくると涼しいです。チェーンスパイクをつけるほどではないですが、

恵那山 5月
九合目到着。山頂まであと少し
恵那山 5月
5月の恵那山はまだ雪が残っている
恵那山 5月
アイゼンはいらないけど、そこそこ積もってます

午前9時、山頂に到着しました!駐車場を出発して3時間半なので、早いペースでした。

恵那山 5月
恵那山、山頂到着しました!

山頂には展望台もありますが、雨のため誰も上りませんでした。(晴れていてもそこから展望があるわけではないらしい)。小さな神社が見えます。

恵那山 5月
恵那山 5月
恵那神社奥宮
恵那山 5月
神様が祀られています
恵那山 5月
奥にも小さな神社が。山全体で7つ神社があるそうです

早く山頂についたので、10分ほど山を下ったところにある避難小屋にいって休憩することになりました。避難小屋はちょっと狭くてツアーの客20人ぐらいが入ったらいっぱいになってしまい、立って休憩…。しかも、雨に濡れた体がどんどん冷えていくので、フリーズを着て、カイロをポケットに入れて温まりました。…やっぱりお湯をもってくるべきだったと反省。

恵那山 5月
恵那山の避難小屋。別棟にお手洗もあります。

小屋の後ろに岩山があり、晴れているときにここを登ると展望がよいらしいです(富士山や南アルプスが一望できるとのこと…)
雨でしたが、私達も登ってみることにしました。ここだけ少しアドベンチャー気分を味わいます。

恵那山 5月
一番上の突き出た岩に登ると、なかなかの高度感がありますよ

雨はますます強くなってきました。避難小屋で濡れた体をふいたのはよいですが、さすが寒くなってきたので下山を開始します。手がかじかんできたので、「防寒テムルス」を装着。これで手が一気に温まりました。

一度山頂に登り返し、来た道を広河原までピストンで折り返します。スパッツでカバーしていた靴も、帰り道の大雨には耐えきれず、水が入ってきました。下山途中に足の裏が水でチャポチャポします。

恵那山 5月
雨はやむどころがひどくなったきた…
恵那山 5月
登山道でカエルちゃんを発見、なんかかわいい
恵那山 5月
桜が咲いていました!
恵那山 5月
この川を渡れば林道に出ます

13時に登山口の川まで戻ってきました。帰りは雨も強くて、かなり忍耐のいる下山でした。しかも中まで雨でぐっしょり。木の橋を渡って、林道をさらに30分歩いて、ようやく駐車場に到着。

レインウエア、ゲイター、靴下をとりあえずビニール袋にボンボン入れてリュックに突っ込みます。持ってきたサンダルに履き替えて体を温める温泉へさっさとGOです。

温泉に入って乾いた服に着替えて、持っていったもののほぼ食べなかったパンとか行動食でランチをしたら、ようやく落ち着きました。雨の日の登山は本当にしんどい…。

とはいえ、神話の舞台の恵那山を無事登頂できました。雨でしたが、百名山でもっともつまらない…というほどつまらなくはなかったです。ルートによっては眺望も楽しめるそうなので、もしまた行くとしたら、晴れた日に別ルートで行きたいと思います。