縦走2日目は木曽殿山荘へ縦走します。行動時間は10時間、アップダウンの激しい長いルートは脚力が必要で、かなり結しんどかったです。でも、ハイマツと岩場の縦走ならではの道を歩くのは景色もよく、楽しいものでした。
【木曽殿山荘】
東川岳と空木岳の間にある山奥の小屋。宿主さんが厳しいことで有名で、予約は必須です。
夕ご飯のおでんはすごく美味しかったので、また泊まりたい山小屋でもあります。
木曽殿山荘のホームページはこちら>>
【行程】
往路:新宿→[高速バス]→駒ヶ根IC→[路線バス]→駒ヶ根ロープウエイ→千畳敷カール駅
1日目:千畳敷カール→宝剣山荘 ※宿泊
2日目:宝剣山荘(5:00)→千畳敷カール(5:40/6:30)→極楽平(7:10/7:30)→濁沢大峰(8:30)→檜尾岳(9:50/10:40)→熊沢岳(12:10/12:30)→東川岳(14:00/14:10)→木曽殿山荘(15:00) ※宿泊
3日目:木曽殿山荘→空木岳→駒峰ヒュッテ→池山小屋→空木岳登山道入り口(池山林道終点)
復路:登山道入り口→[タクシー]→こまくさの湯(立ち寄り湯)→[高速バス]→立川
天狗山荘から千畳敷カールへ一度下山
今日は長い行程になるので、朝食をお弁当にしてもらって、朝5時に山小屋を出発します。
朝、カールには雲海が広がっていて、幻想的な朝の風景を見ることができました。
今回は宝剣岳を越えるの諦めて、一旦千畳敷に降りることにしました。重いリュックに慣れていない人もいたので、安全策です。
朝の千畳敷カールは光を浴びて、青空を背景に輝いています。
昨日見た夕方の景色とはまた違って、夏の山らしい雄壮です。
朝5時半なのに、ロープウェイはすでに動いていて、たくさんの観光客がやってきていました。お盆だと朝から大忙しですね。
千畳敷駅から極楽平へ登る
千畳敷駅から極楽平まで登っていきます。
300m弱の登りですが、朝一番で体が重たいせいか、とてもしんどかったです。
朝ごはん食べてなくてスタミナがなかったせいかもしれない…
登山に朝ごはんがとっても大事だと思い知りました。
30分ぐらいかけてようやく極楽平に到着。
宝剣岳を右手に望み、左手に進む先の山々の稜線が見えました。
宝剣岳から来た人に「宝剣岳、どうでした?」と聞いてみると、宝剣山荘からの登りだったらそんなに危なくない…ということでした…
晴天の極楽平から檜尾岳
スタミナ不足を認識したので、少しご飯を食べてから出発します。
まずは1時間後に着く予定の濁沢大峰へ。雲が下界を覆っているものも、まだ山の上は晴れ渡っていい天気。
進む先の山々が見渡せる景色は気持ちがすっきりして、テンションが上がります。
最初はハイマツの中の穏やかな稜線歩きがしばらく続きます。
しばらく歩いていくと、大きな岩が目の前に現れ始め、徐々に登りが厳しくなってきました。足を高く上げて、岩を乗り越えていきます。
地図上の時間通り、ほぼ1時間で濁沢大峰に到着(8:30)。
平たい大きな岩が斜めになって、どんと鎮座している峰です。
ここから1時間半をかけて檜尾岳に向かいます。この先は少し岩場や鎖があるやや危険ゾーン。細い尾根を岩を乗り越えながら進みますが、危険というほどではなく、道は整備されていて歩きやすい道でした。
赤矢印を見逃さないようにしながら進みます。バツ印もあり、そちらは進入禁止なので要注意です。
1時間20分。地図上のタイムで檜尾岳山頂に到着しました(9:50)
行く前は、このルートが激しいと聞いて心配していましたが、時間通りに到着できてほっと一安心です。
東側に檜尾避難小屋が見えました。
天候が悪くなったら逃げ込もうと思っていたところですが、意外に遠い…。
トイレがあるそうなのですが、一回降りて小屋まで登らなければならないので、行くのは諦めました。
昼が近くなってくると、東側から雲海の雲が上がってきて行く先の山を覆い始めました。
空木岳あたりも雲に覆われてしまいました。
ここで、宿でもらったお弁当でランチタイムにします。
朝5時から動き始めたのでさすがにお腹が減りました!山の眺めながら、山頂で食べるご飯は本当に美味しい。
しかも、宝剣山荘のお弁当はおかずが多いの嬉しい〜!
鮭、からあげ、卵焼き、佃煮、きんぴら、煮豆…。たくさん歩いたので、しっかり食べます。
熊沢岳、東川岳を通って木曽殿山荘へ雲の中の縦走
ご飯を食べ終わってから、今度は熊沢岳に向けて出発します(10:40)。
ここから今日の宿の木曽殿山荘までは4時間弱。ピークを2つぐらい越える予定。すでに足はちょっと疲れ気味…。そして前方はガスで視界が悪化。コンディションが悪くなってきました。
登山道は岩場のアップダウンが続きます。
ガスっているけど、熊沢岳山頂に到着(12:10)
1時間30分で、良いペースで進んでいます。
山頂では、何回か会っている登山客が休憩していました。
中央アルプスの縦走路は人があまり多くなく、みんなペースも一緒なので、だいたいメンバー決まってきていて、なんとなく顔見知りになってしまいます。
多くの人が今日の目的地は木曽殿山荘のようです。
熊沢岳で少し休憩して、次のピークの東川岳に向かいます(12:30)。
道はガスで視界は全くありません…。あるき始めて7時間を超えると、さすがに足も体も疲れてきました。
噂通りなかなかタフなコースです。
激しい岩場の登りを終えると一息つく間もなく激しい下り…
というのを何度も繰り返していて、足が痛くなってきました(泣)
東川岳は1時間半ぐらい到着(14:00)
熊沢岳からの東川岳は、前の登頂に比べて少し早く感じました。
この山を下っていくと「木曽殿山荘」に付く予定です。
雨も降りそうで頂上で休んでいる人はいなくて、みんな先を急いで木曽殿山荘に向かった様子です。私たちも10分ぐらい休憩したあと、小屋を目指して下り始めます(14:10)
下界は雲で見えませんでしたが、一瞬だけ、空木岳の全貌がチラッと見えました。
目の前にそびえ立つ険しい山の岩肌。
私たちを圧倒するかのように、すぐ目の前にそそりたつ。
「うわーっ」と、テンションが上がるほどカッコイイ山が雲間に姿をあらわしました。
これが空木岳かぁ〜…
明日これを登るのかと思うと、楽しみのような、不安のような。
そして山小屋が見えてきました。今日のゴール「木曽殿山荘」です。
着いたのは15時。朝出発して10時間の長旅でした。
16時半までに着くようにという山小屋のご主人の言葉を守れてホッと一安心。
予約が入ってない?!木曽殿山荘
こじんまりしていますが、中は木目調でキレイで温い感じの山小屋です。
ここの山小屋は厳しいと評判だったので緊張しながら「予約した者ですが…」と受付のご主人に話しかけると。
「予約ないよ」
えええ〜〜っつ!!!!!!
「えーと、先月ぐらいに予約したのですが…」
間違いなく16時半に着けって言われたし、朝昼2食か弁当か聞かれた記憶が…。
予約必須の宿だったので、追い返されるのではないかとヒヤヒヤしたのですが、2食付きで宿泊OK。ただしお弁当はなしで朝食は宿でとることとに。
聞けば朝飯を食べて出発しても間に合うということ。
今日の行程もちゃんと時間通りだったので大丈夫なはず…。
泊めてくださったご主人と奥様に感謝です。宿代は8500円でした(2016年当時。現在は10000円)
山小屋の中はとてもキレイで清潔感があります。
お手洗いは外。2階が大広間でみんなで寝るスタイルです。
宿に着いて少し休憩したら、明日の水を仕入れに10分ほど離れた「木曽義仲の力水」を汲みに行きます。
やっと小屋に着いたと思ってからの、このお仕事はちょっとキツイ…
サンダルでは行けないと書いてありましたが、普通に山道を歩いて行きます。
でも、力水はほんのり甘くて冷たくて、本当に美味しかった!!
木曽義仲もこのお水で戦う力をつけたに違いない…w
また片道10分を戻ります。この道で人とすれ違う方が、空木までの縦走路ですれ違う人の数より多かったんじゃないかと思うほど、宿泊者が水をくみに来ていました。
宿に戻って汗を拭いて着替えて、ホッと一息ついていると16時50分になりました。
ご主人が「夕食が出来ました」と呼びに来てくれて1階に降りると、山菜ごはんとおでんの夕ご飯が…
おでんが山小屋で出るのは今まであまり無かったので、「おでんだーっ」とテンション上がりまくり。
おでんは昆布を入れて一人6種食べられます。コンブ、卵、大根、ちくわ、練り物2種で合計6個。
山菜ごはんはお代わりできます。
おでんの暖かさがとっても良かったです
宿の消灯は8時でした。
それまで1階で雑誌を読んだり、ヨガをして体をほぐしたりして残りの時間を過ごし、8時には布団に入ります。昨日はあまり寝れなかったので、布団に入った途端、爆睡…朝まで起きることはありませんでした。
明日は縦走最終日。目的の空木岳に登ります。