【北海道山旅 前編】倶知安(比羅夫)コースで強風の羊蹄山

羊蹄山
北海道・東北

北海道2泊3日、ニセコに泊まって羊蹄山を日帰りで登ってきました。羊蹄山の山頂は絶えず雲が渦巻き、早い勢いで流れているのが見え、強風の予想。それでも北海道に来たからには登らないわけにはいかない!風と戦う長時間の登山が始まります。

【羊蹄山】
北海道、百名山、標高1898m。「蝦夷富士」とも呼ばれる、富士山に似た円錐形の山で、山頂は大きな火口になっています。

【登山レベル】★★★☆☆(中級)
日帰りで登ると行程は長いですが、危険箇所は少ない。

【山バッチ】
羊蹄山避難小屋で売っています。

羊蹄山バッチ



【行程】※このブログは前半です
アクセス:ニセコに宿泊、レンタカーで半月湖野営場の駐車場へ
行程(前半):半月湖野営場(4:50)→1合目(5:20)→4合目(6:40)→7合目(7:20)→北山(8:40) 
行程(後半):羊蹄山避難小屋(9:10)→真狩ピーク→羊蹄山山頂(11:10)→真狩ピーク→羊蹄山避難小屋(12:40 ※休憩50min)→9合目分岐(13:45)→1合目→半月湖野営場(16:20)

YAMAPの行程

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新千歳空港からニセコへ

仕事のストレス解消と、久しぶりの飛行機に、早朝の羽田ですでにテンションアップ。朝ごはんにあんバターパンと、スタバのコーヒーで、搭乗を待っている間もなんだが楽しい。

朝10時、新千歳空港に到着。友人と待ち合わせまで時間があったので、北海道グルメをたべまくりです。まず寿司!先日テレビで見て目をつけていた立ち食いのお寿司やさんへ。朝なのに並んでいます…でも、2人待ちぐらいだったので、10分も待たずにカウンターに。

北海道グルメ
新千歳空港の立ち食い寿司「五十七番寿司」。朝から行列

テーブルタップのオーダーシステムで注文。1貫ずつの提供でお値段はお高め。でも、新鮮な北海道のネタで頂くお寿司なので奮発しました。さすがに1貫900円のバフンウニは食べれなかったけど…。


お寿司は少なめにして(高かったから)、北海道の味噌ラーメンを食べに行くことにしました。新千歳空港にはラーメン店が軒を連ねる場所があって、ランチタイムとなれば人でごった返します。入り口付近にあった海老ラーメンのお店はすでに長蛇の列だったので諦めて、他のお店を物色。大量焼きもろこしのラーメンに惹かれて「空」というお店に入りました。

北海道グルメ
焼きとうもろこしたっぷり。甘くて美味しかったです!


北海道の寿司とラーメンを食べて、お腹も心も満足。友人と合流して、レンタカーでニセコへと移動します。車で約3時間ぐらいのドライブで、近づくと羊蹄山の一部…らしきものが見えてきました。雲に覆われて、「蝦夷富士」と呼ばれる円錐形の立派なお姿の全容は見えず。

羊蹄山登山
雲に覆われて羊蹄山の勇壮は見えず…明日の天気に期待です。

泊まったホテルは「miru niseco」。おしゃれできれいな低層ホテルです。
本来は窓から羊蹄山がどーんと見えるはずでしたが、残念ながら見えませんでした…。

miru niseco
miru niseco

本日の夕食はホテル併設のレストランでグリルミートのプレート。私は鶏肉のグリルを頂きましたが、柔らかくて、美味しい。つけあわせの野菜、アスパラ・たまねぎ・じゃがいもも、北海道の大地のうまみがぎゅっと凝縮していて甘くて美味しい野菜でした。

miru niseco
オープンキッチンのおしゃれなレストラン。

miru niseco
ロメインレタスのサラダ。盛り付けが美しい。

miru niseco
チキンのグリルプレート。お肉が柔らかく、お野菜も甘くておいしい

やっぱり、北海道は食も最高!と…今日は食べてばかりで摂取カロリーオーバー。明日はカロリーを消費すべく、朝から羊蹄山に登ります!

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半月湖野営場から、比羅夫コースを登る

朝4時にホテルを出発し、30分弱で半月湖野営場の駐車場に到着しました。登山口に一番近い駐車場は改装中で駐車できなかったので、林道手前の駐車場に車を止めました。
車の数もそう多くなく、現時点では登山客も少ない様子です。
駐車場で身支度を整えていざ出発。しばらくはアスファルト道を歩いて比羅夫コースの登山口へ向かいます。

羊蹄山登山
羊蹄山まで車で向かう。前方の羊蹄山の山頂に雲が渦巻いていて強風の予想。

羊蹄山登山
半月湖野営場の駐車場に到着。ステンドグラスの建物はトイレです。

駐車場から登山口までは10分程度アスファルト道を歩きます。(本来はこの道路の先に駐車場がありますが、その駐車場が閉まっていたため、この道を歩く羽目になりました…)

羊蹄山登山

10分ほど歩くと、比羅夫コースの登山口に到着します。登山届を入れられるBOXがありますので登山届を出します。

朝4時50分。比羅夫コースをピストンする羊蹄山の登山をスタートします。

羊蹄山登山
ひらふ登山口。ここからスタートです。

登山口から20分ぐらい森林の中を並行移動します。鬱蒼と茂った草木の中を歩いていると、すぐに汗だくになってきます。6月末の北海道、標高が低いとかなり蒸し暑いです。
ようやく1合目についたときには、すでに汗がしたたり落ちるくらい。

1合目を過ぎると登りが始まります。
標高が低いうちは蒸し暑いので、登れば登るほど汗びっしょり。強風予想でしたが、麓の森林は風はなし。暑さでつらい。登りがきつい…。

羊蹄山登山
やっと1合目に到着。ここから登りが始まります

羊蹄山登山
草木の中を登っていきます

羊蹄山登山
1合目を過ぎてちょっとすると「風穴」があります

3合目過ぎたあたりから標高が上がってきて、木々の間から景色が見えるようになってきました。少しだけ、風が通って空気も涼しくなってきたようです。4合目近くになると、一気に視界が開けて、北海道の広い大地が眼下に広がります。

羊蹄山登山
木の間から陽がさして明るくなってきた

羊蹄山登山
景色が見えるたび標高が上がっていくのがわかる。

羊蹄山登山
見晴らし最高。青空の下、北海道は広い!

4合目に着きました。ここまでずっと登り。羊蹄山は火山なので円錐形の山。ひたすた登って、登って、山頂をめざします。

心配していた風は今のところ影響はないのですが、頭上の方でごうごう音をたてているのが聞こえてきていました。

羊蹄山登山
4合目到達。まだ半分まで来ていない。

羊蹄山登山
まだまだ登る…しんどいなぁ

羊蹄山登山
爽やかな晴れ。今のところ、風は強くない

足元に、花が咲き始めました。白いきれいな花が至るところに咲いています。
登るのを一休みして写真を撮ります。

6時半、出発して2時間半で、五合目に到着。やっと半分まで来ました。
道は変わらず、そこそこ斜度がある土の地面をくねくねと登り続ける感じです。

羊蹄山登山
やっと半分まで登りました

羊蹄山登山
こういう道が続いています


五合目と六合目の間で一休みしていたら、後からきたお爺さんが登山道にはみ出ている木の枝や草をナタのようなものでカットしながら登ってきました。登山道を整備している人でしょうか?ストックではなく、木の棒をもって杖としてあるいいています。

「羊蹄山は好きですか?」と話かけてきたので、「登り始めたばかりで、まだ羊蹄山の良さがわかってないです」と正直に答えました。登り坂が続く道に少し辟易していたせいもあります。お爺さんは羊蹄山に登るのは今年で7回目だそうです。雪のシーズンから登っているとのこと、羊蹄山を愛する地元の人なのかもしれません。

どこから来たのかと問われて「東京から」と答えると、「そんな遠くから来てくれたのかー」とお爺さんは嬉しそう。「ならばいいものあげよう」と懐から取り出したのが、木を削って作った箸置き。年輪がきれいな模様になっている素敵な箸置きでした。

羊蹄山登山
頂いた箸置き。生木を削って年輪を模様に使ってます

思いがけない頂き物にテンションが上がってきたので、私達は登りを再開しました。歩いて登って、六合目を過ぎて七合目に到着。
上り坂は一向に緩やかにならず…景色も木々と、時々開ける景色の繰り返し。ただ標高だけが上がってきているのがわかりました。ここまでくると結構涼しいので暑さによるダメージは少ないです。

羊蹄山登山
七合目に到着

羊蹄山登山
まだまだ登り続けますよ〜羊蹄山は楽ではない

羊蹄山登山
さらに視界が広くなった。だいぶ上まで登ってきた

薄紫の大振りな花が咲いていました。これがシラネアオイかな?華やかななのでわかりやすいです。

羊蹄山登山
シラネアオイ

八合目までやってくると、少しずつ、周囲が曇りに変わっていきます。ここに向かう途中に見た山頂の雲に近づいてきたようです。
今まで穏やかだったのですが、時折、ざっと風も吹いてきます。

羊蹄山登山
八合目まで来ました。山頂まであとちょっと…!

羊蹄山登山
霧が立ち込めてきました。あたりは一気に不穏な雰囲気に…

九合目から北山…予想していた強風。前に進めない!

やっと九合目に到着した途端、強風に襲われ、慌てて風よけのためにレインウエアを着込みました。周囲は真っ白な霧に包まれて、視界はほとんどありません。
予想通り、山頂は雲と強風の中です。

羊蹄山登山
真っ白の中、山頂に向かう

羊蹄山登山
シラネアオイが群生していて霧の中でもきれいでした。


途中、山頂から降りてくる男性に「風どうでしたか?」と聞いてみると、「前に進めないので諦めて戻ってきた」とのことでした。…ここまで来て、諦めたくない…と思っていると「喜茂別のルートの方は歩けた」という話を聞いて、真狩方面から山頂を目指そうか…とみんなで話ました。

旧小屋経由で避難小屋まで行くルートがあったので途中まで行ってみましたが、ハイマツが茂っていて足元もわからないくらい整備されておらず、断念して戻ってきました。
とりあえず、行けるだけ山頂を目指してみようと尾根へと上がっていきます。

羊蹄山登山
避難小屋まで抜けるルート。あまり人が歩いていないようで整備されていなかった。

羊蹄山登山
お鉢のあたりまで登ってきた。風が強い!

尾根まで来ると、突風が吹き荒れていました。北山に向かって数歩進んで耐風姿勢でしのぎ、また数歩進んで風に晒され…ついにしゃがみこんで全く進めないほどの強風に。
やむなく撤退。諦めて九合目まで下山して、避難小屋に行き、そこから真狩方面から山頂に再チャレンジすることにしました。

羊蹄山登山
山頂付近の風は立っていられないほど。撤退を決めます。