【飯豊山 Day2】絶景の飯豊山と長い下山路

北海道・東北

朝、美しい日の出を見てから、山頂に向けて出発します。晴天の飯豊山は絶景の連続。広く雄大な山脈を歩いていると登山の醍醐味を感じます。長い道のりの果にようやく辿り着いた飯豊山の山頂は、また来たいと思わせる素晴らしい世界でした。

【飯豊山】
標高:2105m、山形県、日本百名山
山形、福島、新潟にまたがる飯豊連峰の本山。山脈の中では、一番高いのが大日岳。本山には神社もあり、信仰の山です。連峰を縦走するコースは2泊以上を要する健脚コース。今回は大日杉小屋からのピストンのため1泊2日で歩きました。
【登山レベル】
中上級:★★★★☆ ピストンでも1日7〜9時間歩くため体力が必要

【全行程】
往路:東京駅→[新幹線]→米沢駅→[レンタカー]→大日杉小屋 ※宿泊
1日目:大日杉小屋→地蔵岳→目洗清水→御坪→切合小屋 ※宿泊
2日目:切合小屋→飯豊山山頂→切合小屋→地蔵岳→大日杉小屋
復路:大日杉小屋→[レンタカー]→米沢駅→[新幹線]→東京駅

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切合小屋の日の出

4時半、東の空が明るくなってきました。山の谷間に雲海が見えて、空と地の堺が赤く輝いています。今日はいい天気になりそうです。

朝焼けの空

5時に朝ごはんをいただきます。朝は卵かけご飯と味噌汁。のりとお新香付きです。今日も長く歩くので、しっかり食べてスタミナをつけます。

切合小屋の朝ごはん
朝ごはんを食べて終えて外に出たら、ちょうど太陽が上がってきました

5時、飯豊山頂に向けて出発します。朝焼けに赤く染まる山の中を尾根沿いを歩き始めます。

手前の山の向こうに飯豊山があるそうです

切合小屋から御秘所

西の方向に高い山が見えます。おそらく飯豊連峰で一番高い大日岳。この山々を見ながら登っていきます。

まず最初に越える山が前方に。

5時40分頃に草履塚に到着しました。草履塚はこれから上が神聖な場所なので、草履を履き替えたことに由来するそうです。太陽もだいぶ高くなってきました。ここで一休みします。

草履塚
ようやく飯豊本山が見えました。左側に少しだけ頭がでている山です
下界に目を転じると雲海がきれいに。
大日岳の稜線がはっきりしてきました

草履塚から歩いて、姥権現へやってきます。姥権現は、昔女人禁制の信仰の山飯豊山に息子を探しに来た母親が禁じられた領域に入ったため岩にされた…という伝説が残る場所だそうです。石仏が祀られていました。信仰の山なんですね。

姥権現から御秘所にやってきました。ここからは岩場になります。

御秘所から本山小屋へ

目の前は切り立った岩場。ここを乗り越えていきます。鎖があったり、岩場をよじ登ったり、冒険気分で登山ができます。

立ちはだかる岩山
岩の上から山脈の絶景を眺める。
鎖場。この狭い岩の上の道を通って越えます
岩をよじ登って進みます

岩場を越えると今度は青々とした緑の高い山が行く手を阻みます。うーん、これを登るのか…と、山肌を伝う登山道を見て疲れが増します。

ここが最後の急な登りです
直下から見ると、すごく高く見える…山頂は遠い

太陽も上がってきて、光で空は青く、山々は緑に輝きます。長い登りを登りながらも、周囲の絶景は疲れを忘れさせてくれるほど。

とはいえ、かなりの急登です。切合小屋に荷物を置いてきたので身軽だからいいものの、重たい荷物でこの坂を登るのはなかなか大変だったかもしれません。
30分ほどかけてこの急坂を登りました。

かなりの急坂です
山の上のほうに石が積み重なっているところがあります
登りきったところがテント場。この坂をテントを持って登ったのか…

午前7時に本山小屋に到着しました。切合小屋から2時間です。
小屋の脇に飯豊山神社があります。旅の安全の祈りと良い天候の感謝をして、いよいよ飯豊山頂へ向かいます。

本山小屋
飯豊山神社の鳥居

本山小屋から飯豊山山頂へ

本山小屋から飯豊山山頂までは20分です。尾根道歩きなので、激しいアップタウンはもうありません。

頂上まであと20分の道標
あの三角形のてっぺんが飯豊山山頂
飯豊山山頂とそのむこうに大日岳

やっぱり、晴れた山は気持ちよいです。飯豊山まで360度の絶景を楽しみながら気持ちよく歩きます。

下界に雲海が見える
足元に咲く花。山肌に見える雪渓
山頂の標識が見えた!

7時15分、飯豊山山頂に到着しました!
山形に来て、大日杉小屋で前泊して、切合小屋で1泊して、遠い飯豊連峰の本山にようやくたどり着きました!百名山の中でも行くのが大変な山の一つです。これてよかった。そして快晴、いい見晴らし。嬉しい!

2105.1m 飯豊山

ここまで歩いてくる途中、ずっと見えていた大日岳。今回は飯豊山までですが、次は大日岳、できれば縦走したいと思います。

あの稜線を歩いて大日岳まで行きたい〜
こちらは大グラ尾根への分岐。破線ルートですが魅力的な尾根が延びている…

切合小屋から大日杉小屋へ下山

山頂を堪能して、別れを惜しみつつ下山を開始します。せっかくここまで来たのに、もう帰らなくてはならないのが残念。とはいえ、今日はまた大日杉小屋まで下りなくてはなりません…。また来るよと思いながら来た道を戻ります。

切合小屋に戻ったのは9時半。ここまでで往復4時間半です。
荷物をピックアップして、山バッチを小屋で買って、すぐに下山開始します。
今日は青々とした緑の景色を眺めながら、種蒔山方面から御坪、目洗清水を通って地蔵岳へ下りていきます。

今日は天気がよくて地蔵岳の方向も見えます
昨日、真っ白だった沢のところ
種蒔山から下山。ダケカンバの木々の間を抜けていきます
振り返って、切合小屋のある山を見たら、あれ雲が覆ってきている…
御坪のダケカンバの林に戻ってきました。

今日は晴れと思っていたのですが、昼近くなってくると昨日と同じように雲が空を覆い始めて、天気が怪しくなってきました。地蔵岳に戻って展望台から飯豊山を見たのですが、雲で隠れてしまって何も見えませんでした。本当にそこに山があったのか?行ってきたのか?という不思議な感じ…やっぱり、飯豊山は秘境の山です。

長之助清水まで戻ってきましたが、もう水は大丈夫。
大日杉小屋まであと300mのところまで
大日杉小屋の名前の由来である大日杉があった場所。
大日杉小屋の前にNEW大日杉が植えられていました
大日杉小屋に戻ってきました。

大日杉小屋に戻ってきたのは14時半。切合小屋から5時間の道のりでした。途中、地蔵岳への登り返しがきつかったですが、あとは基本的には下り。とはいえ、今日は9時間半の長い行程でした。

小屋で着替えをして、米沢駅までレンタカーで戻り、新幹線に乗り込みます。
帰りは絶対食べようと思っていた、米沢名物の駅弁「牛肉どまん中」。これを食べながら東京へ帰りました。

名物駅伝を食べながら帰ります〜
今回の山バッチ。切合小屋で購入しました。