月山は数年前に行ったのですが、雨風で景色がほとんど見えなかったので、再びやってきました。
前回は月山リフトを使うルートで山頂へ行きましたが、今回は八合目登山口というリフトと反対側から山頂を目指します。
7月の連休、雪渓が溶け始めた時期で、お花がたくさん楽しめる月山登山となりました。
【行程】
アクセス:山形駅→[レンタカー]→羽黒休暇村(宿泊)
月山行程:八合目登山口(5:45)→一ノ岳(6:40)→二ノ岳(6:55)→佛生池小屋(7:00)→オモワシ山(7:15)→月山山頂(7:50)→月山神社(8:00/8:30)→オモワシ山(9:15)→佛生池小屋(9:25/9:40)→八合目登山口(10:40) ※約5時間(休憩込み)
【月山】
山形県、百名山、標高1984m。
山岳信仰の山で、出羽三山の1つでもあります。山頂には神社があり、白装束を着た多くの人がお詣りで登っていました。
花の百名山でもあり、初夏はとくに花がたくさん咲いていますので、お花好きな人にもおすすめです。
登山レベル:★★☆☆☆(初級)
難しいところはありません。登山道も整備されていて、標高差も少なく、往復で4〜5時間ほどです。
【羽黒山】
山形県、標高414m
出羽三山の1つ。山頂の三神合祭殿は3つの山の神様を祀ったもので、その山頂までは2446段の長い階段を登っていきます。参道は樹齢数百年の杉並木で、訪れる者を圧倒します。観光客が階段を登るので、普通のスニーカーなどで十分登れます。登山というよりはお詣りです。
※出羽三山とは、羽黒山、月山、湯殿山のこと。羽黒修験道では、羽黒山が前世、月山が現世、湯殿山が来世とされ、死と再生の意味をもつそう。古来より霊山、霊場として知られており、出羽三山に詣でることを「東の奥参り」といい重要な人生の儀礼として人々が訪れるとのことです。
【山バッチ】
月山の佛生池小屋で購入しました。
羽黒休暇村でテント泊
7月の連休、北アルプスが荒天だったため、急遽東北の山を登ることにしました。選んだ山は月山、以前訪れたときは、山頂が雲に覆われて真っ白、景色の記憶がなかったので、再チャレンジです。
連休に急に予定を変更したため宿はとれず、キャンプ場を予約して、テント泊することにします。
山形の駅でレンタカー。車で2時間ほどかけて羽黒山のふもとにある休暇村にやってきました。
キャンプ場なので緑の芝生で、テントをはりやすい。休暇村のお風呂も使えるし、登山としては最高のテント場です。
来る途中に寄った道の駅で買ったハンバーグとおにぎりで夕ご飯。
翌日は早朝から登山です。
早朝に八合目から登山開始、弥陀ヶ原を歩く
朝5時に休暇村を出発して、車で30分ぐらいで、月山の八合目登山口に到着しました。
連休ということもあって、たくさんの人が早朝から登山に訪れていて、駐車場は早くもいっぱい。
なんとか車を止めて、5時40分に登山を開始します。
最初は弥陀ヶ原という湿原を歩いていきます。木道が通っていて、その上を歩きながら湿原に咲く花を楽しみます。
ちょうど太陽も登ってきて、湿原の池塘に太陽の光があたってキラキラ。美しい光景でした。
緑の中に黄色の花、ニッコウキスゲがポツポツと咲いています。
湿原の端までくると、登山開始。月山山頂に向かって登っていきます。
足元にはたくさん花が咲いていましたが、チングルマがすでに綿毛になっていたのにはびっくり。
まだ7月の半ばなんですが…
少し高いところまで登って振り返ると、弥陀ヶ原の全景が見えました。池塘が点在している緑の湿原に朝日があたっている景色はとてもきれいです。
花を楽しみながらオモワシ山へ
登山道に入ると一部は急な登りになりますが、基本的にはゆるやかな上り坂が月山へ連なっているだけです。
途中、花がたくさん咲いているので、色々写真を撮りながら進みます。
途中、白装束の登拝者さんがたくさんいらっしゃいました。
法螺貝を吹いたり、お祈りをしながら歩いています。信仰の山らしい光景です。
湿原から1時間半ほど登ったところで、九合目の仏生池小屋に到着します。
休憩ポイントで、ここで飲み物や食べ物を買うことができます。
私はここで「月山」という渋い感じのバッチを買いました。
小屋から少し登ると「オモワシ山」です。
あんまり山頂ぽくないので見逃す感じですが、山頂の標識がありました。
振り返ると、今まで歩いてきた道と、雪渓が見渡せるきれいな風景が見えます。
その先も、いろんな種類の花が沢山咲いていました。
雪解け後の山は花の宝庫です。
ゆるゆると登りながら月山山頂へ。月山神社にお詣り
その後も、広い道をゆるやかに登っていくことが多いです。
巡礼者もいるためか、道はとても整備されています。石畳になっていたり、木道が通っていたり。見晴らしの良い稜線をずっと歩いていく、気持ち良い道でした。
月山の山頂近くにくると雪渓が行く手を阻みます。
でも、傾斜もない雪渓なので、7月のこの時期であれば、軽アイゼンをつけることなく、そのまま歩いて行くことができます。
雪渓をこえたらすぐに山頂に到着です。
7時50分、駐車場を出発して2時間ちょっとで山頂にやってきました。
山頂はあまり広くないので、人がたくさんいると混み合います。
写真を撮ったら後は、神社の方へと歩いていきます。
神社は山頂の反対側。石の鳥居があり、入ったらすぐに待機して、お祈りをしてもらいます。
御札のような紙を頂き、その紙で体を拭くようにして、下界の穢を祓います。
なんだか、すごーく、悪いものが落ちたような気持ちになります。病気とか日々の悪意とか、そんなもの落ちて清々しい気分になって、本殿へ。
本殿には、ご祈祷されている方がいて、山形の地元の人は願掛けにここにいらっしゃるんだろうなと思いました。
お祈りをしてから神社を出ます。売店があって、勾玉のお守りが売っていました。
最近、入院したりしたので、「健康」を願う緑色の勾玉のお守りを購入。これで少しは健康になるかな?!
神社を出て、そのまま頂上山荘の方へ下っていきました。
前回ここに来たときは、真っ白で風が強くて、この建物の陰で風を避けていた記憶があります。
今回は天気もよく、風も穏やかで本当に良かった!
山頂から下山。弥陀ヶ原を通って駐車場へ
山頂を楽しんだら、また2時間程度をかけて、八合目までピストンで下山していきます。
午後は天気が崩れるという予報だったので、徐々に雲が増えてきましたが、近くの山々や弥陀ヶ原などを見渡しながらゆっくり下山します。
弥陀ヶ原につくと、朝よりもニッコウキスゲの花が大きく開いている気がしました。さらにたくさん増えている?
この数時間で太陽があがって、花もめいいっぱい花弁を広げたかのようです。
黄色の大きな花を見ながら、湿原を歩いて、登山口へと戻りました。
10時50分、登山を開始してから約5時間で登山口に戻ってきました。
まだ午前中、体力にも余力があるので、この後は羽黒山に行ってみることにします。
羽黒山で長い階段を登る
月山の八合目の駐車場から車で40分程度、羽黒山の駐車場へ移動します。
ここは出羽三山詣りの本拠地…ということで、麓には売店やお蕎麦屋さんなどがあり賑わっています。連休だったので観光客の方もかなり来ていました。
鳥居をくぐり、随神門を通ると2446段の石段と、杉並木が始まります。
山頂までは、途中緩やかな箇所もありますが、一の坂、二の坂、三の坂の3つ急坂を越えて行きます。
杉も樹齢数百年の立派な杉がたくさん。まっすぐ空に向かって伸びている様は圧巻ですし、清々しい気分になります。
山の麓のほうは蒸し暑くて、汗だらだらで階段を登っていました。
中腹にきてお茶屋さんがあり「氷」の旗に心を奪われました…。でも先に山頂でお詣りということで、ここはスルーします。
ただ、山頂に近づくに連れ、風通しが少しよくなったのか、涼しくなった気がしました。
時代の長さ、時の深さを感じます。
登り始めて1時間もしないで、山頂の大鳥居に到着。
いやーなんだかんだで長い階段でした…。
山頂には羽黒山、月山、湯殿山の三山を合わせ「三神合祭殿」があります。
ここでお詣りして、御朱印を購入。
今回は本当に、神様に近い、ありがたい登山になりました。
お詣りのあとは、また長い階段を下って戻ります。
階段の下には「須賀の滝」という見目涼しい滝が流れています。
江戸時代に月山から水を引いて造られた滝だそうです。
滝が流れる先は川になっていて神橋がかかっています。
昔、参拝者はここで体を清めて参道を登ったそうです。
羽黒山登山を終えると、時間は14時過ぎ。お腹も減ったので羽黒山の駐車場に近いお店で蕎麦を頂きました。
やっぱり山と蕎麦は切り離せない。登山後の蕎麦は美味しいですよね!
その後、雨が振り始めたのもあり、もう1泊予定を切り上げて、この日は山形駅まで車で戻り、新幹線で東京へと帰りました。
月山の八合目からの登山道は、ゆるやかな上り坂が多く、月山の広い裾野の景色を楽しみながら歩くことができます。
7月だったので花も多くて、なかなか素敵な登山でした。登山を始めたばかりの方でも十分に行ける、百名山だと思いました。
羽黒山は杉並木が心を清らかにする霊場らしい山でした。今回は湯殿山は行きませんでしたが、今度は湯殿山まで巡って、「来世」へ再生を願う登山をしてみたいと思います。