【北アルプス黒部五郎・鷲羽・水晶縦走4日間 Day2】黒部五郎岳からの大パノラマ!

黒部五郎岳
北アルプス

縦走2日目は黒部五郎岳に登ってから、三俣山荘まで歩く6時間程度の行程。
天気がよく黒部五郎岳、鷲羽岳、雲ノ平、槍ヶ岳などが見渡せる、とても気持ちいい山歩きでした。

【行程】※この投稿は2日目の行程になります。
往路:東京→夜行バスにて新穂高温泉
1日目:新穂高温泉ロープウェイ→わさび平小屋→秩父沢→鏡平山荘→弓折乗越→双六小屋→丸山→三俣蓮華岳分岐→黒部五郎小舎
2日目:黒部五郎小舎(5:30)→黒部五郎岳(7:15/7:35)→黒部五郎小舎(8:45/9:30)→三俣山荘(11:45)
3日目:三俣山荘→鷲羽岳→ワリモ岳→水晶小屋→水晶岳→水晶小屋→東沢乗越→真砂岳→野口五郎岳分岐→野口五郎小屋
4日目:野口五郎小屋→烏帽子小屋→高瀬ダム登山口→高瀬ダム
復路:高瀬ダム→(タクシー)→信濃大町→(JR大糸線)→松本→(JR・あずさ)→都内

【黒部五郎岳】
標高、2839m。富山県・岐阜県、百名山・花の百名山。
北側に雄大なカールが広がっていて、夏はお花畑が楽しめます。今回は9月の初秋だったので、少し草紅葉していて、美しかったです。大きな岩がゴロゴロしている「ゴーロ」から五郎という名前がついているそう。
登山レベル:★★★★☆(中上級)
※難しいところはないのですが体力が必要。どの登山口から登っても1泊2日以上の行程になります。

【三俣山荘】
三俣蓮華岳と鷲羽岳の間に立つ山小屋。サイフォンコーヒーとジビエシチューが名物。
1泊2食12000円〜(2023年時点。シーズン・曜日で異なる)
テント場が80張で、1人2000円。2023年からは予約不要だそうです。
>>三俣山荘ホームページ

YAMAPの行程
スポンサーリンク

2日目は快晴。黒部五郎にようやく会えた!

朝、明るくなってきてから外を見渡すと、嬉しいことに青空が広がってしました。
昨日、雲で覆われていたのが嘘のような快晴。
黒部五郎小屋から見渡す景色も見通しがよく、念願の黒部五郎岳の山頂がちらっと見えました。

黒部五郎岳
2日目の朝は快晴。朝日に赤く染まりつつある黒部五郎岳の山頂が見えます

黒部五郎岳
テント場も草原も朝日に赤く染まっている。

朝5時半、黒部五郎小舎を出発して、カールコースで黒部五郎岳山頂を目指します。
目的の黒部五郎岳は朝日を浴びて真っ赤に染まっています。これはモルゲンロードと言っていいのではないでしょうか!
五郎が薔薇の花束をもって、私達を待っていてくれているのです!(…という妄想)

黒部五郎岳
カールコースで、黒部五郎岳を目指す

黒部五郎岳
朝日を浴びてバラ色に染まる山頂。


黒部五郎小舎からは笹の中、木の下の登山道を登っていきます。
道には岩や石が敷き詰められていますが、歩きにくくはなく、坂もそれほど急坂ではありません。
15分ぐらい歩いていくと、木がなくなり一気に視界がよくなり、黒部五郎の雄大なカールが目の前に広がります。
登山仲間から、このカールがいいよ!と教えてもらっていましたが、本当にいい。この景色を見ながら登って行くのは最高の気分です。

黒部五郎岳
笹に覆われた道を上っていく

黒部五郎岳
道は石や岩がたくさん

黒部五郎岳
目の前に広がる、黒部五郎の美しく雄大なカール

黒部五郎岳
太陽の光があたって白い山肌が光っている

黒部五郎岳
ナナカマドの赤い実がカールに彩りをそえる

黒部五郎のカールに抱かれながら、カールを登っていきます。振り返るとすでに高く登った太陽の下に、鷲羽岳や水晶岳がの姿が見えます。北アルプスの山々の絶景です。

黒部五郎岳

黒部五郎岳の山頂には、山の右側のカールを登っていきます。
左側に山頂を見ながらのこの上りはやや急坂。ここを登り切ると一気に黒部五郎の肩に到達。今までとは反対側の、薬師岳や、太郎平から黒部五郎へ連ねる山の稜線が見えてきます。

黒部五郎岳
少し急な坂を登って稜線へ

黒部五郎岳
左側に五郎山頂が見えます!

黒部五郎岳
登り切ると、太郎平から連なる稜線と登山道が見える


太郎平ヘトの分岐点、黒部五郎の肩まで来れば、山頂まではあと10分程度。
ハイマツと岩の登山道をゆるっと登っていくと、黒部五郎の山頂に到着します。

黒部五郎岳
黒部五郎の肩に到着。山頂まではあとちょっと


黒部五郎岳
山頂はすぐそこです。

7時15分、黒部五郎岳の山頂に到着しました。
昨年何回かチャレンジして登れなかった黒部五郎。今年は快晴の空の下で無事に五郎に会うことができて感無量です^^

山頂からの景色も絶景。
眼下にカールが広がり、その向こうに雲ノ平、裏銀座の山々と、その先にぴょこっと尖った北アルプスのシンボル槍ヶ岳が見えます。
更に目を転じると、先月登った薬師岳がでんっと立っています。こちらも美しいカールを見せていて立派な姿。
南側は太郎平へ通じる稜線と、おそらく乗鞍岳であろう高い山が雲間に見えました。
北アルプスの360°の眺望。

黒部五郎岳
黒部五郎の山頂からの眺め、サイコーです。

黒部五郎岳
登ってきた登山道が見えます。その向こうには雲ノ平の平らな台地。
左手の高い山は薬師岳

黒部五郎岳
どこから見てもわかる槍ヶ岳

黒部五郎岳
乗鞍岳(?)、遠くに高い山が見えます


7時半、お腹も減ってきたので、この景色を眺めながら、朝ごはんタイム。
昨日、黒部五郎小舎で作ってもらったお弁当をおにぎりにして持ってきました。
ちょっといびつな三角形だけど、炊き込みごはんが美味しいおにぎり。
うーん、やっぱり、山頂にはおにぎりが合うなぁ〜

黒部五郎岳
山頂でおにぎりいただきます!


山頂で30分弱、景色と朝ごはんを楽しんで下山します。
ほんと名残惜しいけど、五郎とお別れです…また会いに来るよ!

今日はこのあと三俣山荘へ行くため、荷物を置いてきた黒部五郎小舎へと戻ります。
帰り道もカールを使って下山しました。雲ノ平、鷲羽、水晶がよく見えて、下山中も景色を楽しめました。

黒部五郎岳
カールをおりて、黒部五郎小舎へ戻ります

黒部五郎岳
太陽を浴びて眩しい黒部五郎。青空に映える
スポンサーリンク

黒部五郎小屋から三俣山荘へ

黒部五郎小舎に戻り、荷物をピックアップします。少し休憩をしてから、三俣山荘を目指して歩きはじめます。
小屋の周りの少し色づいた初秋の草原が、太陽に照らされて、黄金色に輝いて見えました。

黒部五郎小舎
黒部五郎小舎に戻ってきました

黒部五郎小舎
初秋の草原。少し色づいている

黒部五郎小舎〜三俣山荘
テント場と、黒部五郎の稜線コースはこちらから

黒部五郎小舎から10分弱歩くと、山登りになります。樹林帯で、岩の多い登山道を30分ほど登ります。
昨日、ここを下りてきたとき、すごく長く感じた急坂です。大きな岩もあるので、ハイステップで乗り越えていきます。

黒部五郎小舎〜三俣山荘
これからあの山をガッツリ登ります

黒部五郎小舎〜三俣山荘
登山道にはかなり大きな岩があります。

昨日よりも足も体も、心も元気だったためか、思ったより早く樹林帯を登り終えて、視界の良い場所に出ました。
笹などの低木が山肌一面に茂っているので、周囲の山がよく見えました。
振り返ると、黒部五郎岳が目線の先に。雄大のカールも同じ高さぐらいにあって、全貌がよくわかります。
昨日は霧で真っ白だったので、こんなに見えていたのに気づかなかった^^;

黒部五郎小舎〜三俣山荘
登りきったところで振り返ると黒部五郎岳の全景が見えます

黒部五郎小舎〜三俣山荘
樹木がなくなり、笹に覆われた道が続く。

黒部五郎小舎〜三俣山荘
視界はよく、太陽を遮るもののがない、笹の中の道をしばらく登ります

黒部五郎小舎〜三俣山荘
黒部五郎岳の堂々とした姿が色々な角度で見えます

笹に覆われた道を登り切ると、開けた場所に出て、対面の山がよく見えるようになりました。
ここで右に折れて、稜線を進んでいくと、三俣山荘と三俣蓮華岳への分岐点に出ます。三俣蓮華岳への道は昨日通ってきた道で山沿いの稜線を進み、もう1方は山を巻いて三俣山荘へ進むショートカットの道です。

今日のゴールは三俣山荘なので、巻き道を進みました。

黒部五郎小舎〜三俣山荘
昨日も通った三俣山荘を示す標識の場所

黒部五郎小舎〜三俣山荘
三俣蓮華を通らず、巻いて三俣山荘へ向かう道を選択しました

黒部五郎小舎〜三俣山荘
ここで振り返ると、薬師岳がよく見える

山の斜面を右手に巻き道を進みます。
前方には雲ノ平の台地がよく見えていて、雲ノ平山荘がポツンと立っているのがわかります。
裏銀座の山々が近づき、鷲羽岳が少しずつ見えてきました。対して、黒部五郎岳がだんだん小さくなっていきますが、今日は天気がいいので、振り返るといつでも五郎が見える♡

黒部五郎小舎〜三俣山荘
前方に鷲羽岳が見えてくる

黒部五郎小舎〜三俣山荘
段々と黒部五郎から離れていく…名残惜しい。

巻き道といえども急坂が何回か出てきます。大きめの岩が転がる道を登っていきます。天気がいいので、太陽の日差しが強く、9月でも暑い!汗をかきながら進みます。

黒部五郎小舎〜三俣山荘
急登がいくつかありました
黒部五郎小舎〜三俣山荘
ここを登ります

そして坂を登り終えると…
目の間にドーンと、鷲羽岳が見えました。翼を広げたようなその大きな山容。
わーっ!と思わず声が出てしまうほど、綺麗な景色でした。

鷲羽岳
目の前に鷲羽岳の勇壮。カッコいい!

黒部五郎岳〜鷲羽岳
槍ヶ岳も見えた!テンションあがる!

三俣山荘と伊藤新道

後ろに黒部五郎、前に鷲羽岳…北アルプスのイケメンに囲まれてテンションアップ。
今日は疲れ知らずで歩くことができました。やっぱり景色がいいと、心も元気になるなぁ。

しばらく歩くと、三俣山荘がの赤い屋根が見えて、今日のゴールがだいぶ近づいてきました。
さらに10分ちょっと歩くと、三俣山荘のテント場に出て、ここを下りていくと、三俣山荘に着きます。

鷲羽岳
鷲羽の直下、三俣山荘が見えました

三俣山荘テント場
三俣山荘のテント場に到着。昨年はこの向こうからテントを持って歩いてきたのを思い出す

鷲羽岳
太陽に照らされて輝く鷲羽岳


11時45分、三俣山荘に到着しました。黒部五郎小舎を出発して2時間15分、ほぼコースタイムで歩きました。
今日は、ここがゴール。
受付を済ませます。1泊2食で14000円。夕ご飯は有名なジビエシチューなので、それも楽しみな小屋です。
今年は「めちゃくちゃ水が少ない」そうで、洗面所も飲めるお水は1箇所からしか汲めませんでした。

部屋は約20人が入る大部屋で、2段床。昼前の到着だったので、他に人の姿はありませんでした。
とりあえず、自分たちに当てがわれたスペースに荷物を置いて、昼ごはんタイム。

三俣山荘
今日の宿、三俣山荘に到着しました。

三俣山荘
三俣山荘の受付

三俣山荘
部屋の様子

三俣山荘
三俣山荘の談話室


昼ごはんを軽く食べた後、時間があったので、今年開通した「伊藤新道」に散歩にでかけました。
天気予報どおり、午後は雲が広がってきています。鷲羽岳の上空にも雲が立ち込めていました。

鷲羽岳の手前で右に折れると、山の中腹、緑の中に白い筋が横切っているのが見えます。その細い道が「伊藤新道」。
歩いてみると樹木に覆われているため、風も通らず蒸し暑い登山道です。
ゆるゆると下っていますが、途中は少し崩れぎみのところもあり、慎重に歩く必要がありました。
前方からヘルメットを被った人が登ってくるのが見えました。湯俣から沢を越えて登ってきたようです。
「伊藤新道どうでしたか?」と尋ねると「沢の水量はたいしたことがなかったが、沢からここまで登りがきつかった〜」と仰っていました…。一緒に行った友人と、伊藤新道を行くとしたら三俣山荘から湯俣に下りよう…と話しながら、1時間ほど歩いて「かぶり岩」という場所に出ました。
この先も「庭園」とかがあるようでしたが、天気も怪しいし、暑いし…ということで、ここでリターン。伊藤新道の全容把握は来年以降に持ち越しです。

伊藤新道
少し雲が増えてきた

伊藤新道
伊藤新道を少しだけ歩いてみます

伊藤新道
草木に覆われているためか、蒸し暑い

伊藤新道
三俣山荘が遠くになりました。結構おりてきた。

伊藤新道
道は細く、いくつか崩れかけているところもありました

伊藤新道
かぶり岩とい言う場所まで来て戻ることにしました

伊藤新道
その名のとおり、かぶっている岩。

三俣山荘のサイフォンコーヒーとジビエシチュー

伊藤新道のお散歩から戻ってきたら、三俣山荘の食堂へ行って、ティータイムを楽しむことにしました。
山荘の2階にある食堂で、ケーキをいただきます。コーヒーはサイフォンで入れてくれる本格派。
大きい窓から山を眺めつつケーキとコーヒー♡最高に贅沢な時間です!

三俣山荘
三俣山荘の食堂から見える景色

三俣山荘 コーヒー
サイフォンコーヒーが飲めます

三俣山荘 コーヒー
コーヒーを作ってもらっていますw

三俣山荘 コーヒー
アップルシナモンケーキを注文

三俣山荘 コーヒー
サイフォンコーヒー。カップもレトロ感あってかわいい。


三俣山荘の夕ご飯は「ジビエシチュー」。
実は昨年、テント泊で三俣山荘に来たとき、このジビエシチューは頂いていました。まさに1年ぶりのジビエシチュー。
よく煮込まれていて、お肉は柔らかく、前回来たときよりも臭みのないジビエシチューに感じました。
ポテトサラダに、さっぱりしたオレンジもついて美味しかった〜!

三俣山荘ジビエシチュー
夕ご飯は有名なジビエシチュー!

三俣山荘ジビエシチュー
よく煮込まれていて柔らかく、臭みもあまりなかったです。

三俣山荘ジビエシチュー
ポテトサラダとオレンジも美味しい〜

翌日の朝食もお弁当にしていただいたので、こちらも夕ご飯の後に受け取ります。
中を覗いてみると、つくねやイワシの煮物、卵焼き・・・など和風なお弁当になっています。
ジップロックにまとめることはせず、このお弁当はそのまま持っていくことにします。

三俣山荘のお弁当
三俣山荘のお弁当。お米は胡麻がかかっている

今日は天気もよくて景色が楽しめました。
明日はちょっと雲が多く、午後は雨がふる予報。早めに出発して、鷲羽岳と水晶岳を越えて、野口五郎小屋へ移動します。