久しぶりの雪山だったので訓練に行こうと思って、「雪山訓練」に参加してきました。
ところがその訓練が、雪洞を掘って泊まるという…興味深いものの、体力を使う過酷な訓練でした。穴を掘るのはかなり大変でしたが、雪洞は噂通り暖かく快適。掘らなくていいなら、また泊まりたいくらいw
翌日は東洋一の雪庇を見に行こうと思っていたのですが、ホワイトアウトで断念。少し残念な雪山にはなりましたが、いい経験ができました!
【守門岳】
標高1537m、新潟県、二百名山。大岳、青雲岳、袴岳の3つのピークで構成された山。
冬は山頂付近に東洋一と謳われる雪庇ができるため、それを見に訪れる登山客も多い。
スキーなどを担いて登っている人もいたので、山スキーやクロスカントリーなどもする人も訪れる。
登山コースは6つあり、雪山でも夏山でも楽しめる越後の山です。
雪山用の寝袋(ISKA AirDryght860)購入
雪山用の寝袋はずっとレンタルで対応していたのですが、ついに意を決して買うことにしました。
買ったのはISKAのAirDryght860です(税込75,900円)
-25℃までの厳冬期の国内山岳、ヒマラヤでも使用に耐えられる770FPの撥水ダウン。これで寒がりの私も雪山のテント泊で快適に寝られるはずです。
ただ収納袋にいれても長さ40cm程度あり、重量も1.33kgとかなりの重い。リュックいれたらこれだけでいっぱいになりますw
なのでこれでは持ち運べないから、コンプレッサーも購入しました。



さて、今回の雪洞泊で、早速この寝袋を使ってみることにします♪
浦佐駅から守門岳へ。大岳を目指して登山開始
守門岳の雪洞訓練は山岳ガイドさんと一緒に行います。
浦佐駅でガイドさんの車にピックアップしてもらい、守門岳の登山口の駐車場へ。
今年はとても雪が多いそうで、町中の道路の両脇も雪の壁ができているほど。
登山口に近づくにつれ、雪の壁は高くなり⋯内心、「ここで雪洞堀りでいいのではないか?」と思ってしまいました。



登山口手前の道路にはすでに登山客の車がたくさん止まっていたので、私達の車も登山口から少し離れた道路に止めました。
ここから荷物を担いで歩いていきます。雪洞泊用のスコップ、共同装備のご飯などを75リットルのザックにいれたら、もうぱんぱん⋯やっぱり雪山泊はきびしい〜!
20分ほど道路歩いて登山口に到着。雪上でわかんを履き、ビーコンなども装備、ス守門岳を目指して歩き始めます。
⋯荷物は重たいし、この状態で5時間歩いて、守門岳直下の雪洞泊ポイントまで行きます。
守門岳の直下までは緩やかな登りをトラバースしていきます。ゆるやかといえども、重たい荷物を担いで登っていくのは大変です。
しかも、私の履いていたわかん(今回新しく購入したもの)が、途中からベルトが外れてしまって、足が雪にハマるハマる⋯。
とれやすいとYoutubeとかでも言われていたけど、こんなにとれやすいのか!


わかんトラブルで何度も何度もベルトを締め直し、ようやく途中の避難小屋まで着いたときにはすっかり疲れ切ってました。
まだ2時間しか歩いてないのに!
避難小屋の屋根の上には5mぐらいの雪が積もっていました。さすが豪雪地帯。すごい雪の量です。


12時になったので、ちょっと一休みしてランチタイム。
重たい荷物と、外れるわかん、慣れない雪の斜面を登る⋯ほんとに過酷な雪上訓練です。
まだこの先2時間ほど歩いて守門岳の大岳直下へ行き、そこで雪洞を掘るなんて⋯まさに体力勝負だ。
と嘆いていても仕方がないので、ご飯を食べて元気をつけ、再び登り始めます。
ガイドさんにわかんのベルトを締め直してもらったら外れなくなったので、歩くのは快適。
ただ、さきほどよりも斜面がきつくなってきたので、息を切らしながら、必死登りました。
樹林帯を登り切ると、見晴らしのよい雪面に出ます。山頂はすぐそこ、そして今回の私達の宿泊先も、すぐそこでした。


雪洞堀り開始…4人入る雪洞を掘るまで4時間!
14時を過ぎて、ようやく雪洞を掘る場所にやってきました。
ここまでですでにへとへとですが、これからが今回の訓練のメイン⋯雪洞堀です。
雪洞掘る場所は、雪崩がおきにくい場所を選びます。沢や谷といった急斜面は避け、周囲に木がないにします。
ある程度斜面があり、雪が3m以上積もっている場所を掘っていきます。
手順としては
①身長の高さの倍ぐらいの1m四方の縦穴を掘ります。
②掘ると雪の層が数段になっているのがわかるので、硬い部分をスノーソーで格子状に切り込みを入れます。
③切り込みに沿ってスコップを入れて、雪をブロック状に切り出し、横穴を掘っていきます。
④横穴の中を左右に広げます。
⑤床と天井を整えます。入口に切り出した雪のブロックをおいて冷たい空気や風雪を遮断します。
雪洞を掘るのに必要な道具は
・スコップ(軽量のものもありますが、しっかりしているものの方が掘りやすい。大きさも大小2種類あるとよいです)
・スノーソー
・防寒テルムス(作業に最適な手袋です)



掘った雪は斜面下の方に投げ捨て、雪洞の周りにたまりすぎないようにします。


雪のブロックを切り出し横穴を掘ります
⋯と、ここまで、女子3人で掘っていたのですが、すでに3時間。
横穴は一人の身体がようやく入る程度しか掘れていません。
しかも、天気が崩れるという予報通り、雪が降ってきて、だんだん強くなってきます。
17時を回り、太陽も沈んであたりは暗くなってきました。
いや、これは訓練ではなくて、マジで遭難じゃないだろうか⋯
と、だいぶ不安になっていきました。
結局、非力すぎて全く進まなかった女子3人の雪洞はそのままにして、ガイドさんが掘っていた穴を広げる手伝いをし、
なんとか4人が寝られる広さの穴を掘ることができましたが、あたりはすでに真っ暗⋯。
遭難しないで本当に良かった⋯
雪洞堀りは、お試し程度を一度やったことがあったのですが、ちゃんと泊まれる雪洞を掘るのが、こんなに大変だとは⋯
正味4時間ほどかかってようやくできたので、実際、非常事態で掘ろうとしたら力尽きそうだな⋯と思いました。
(※緊急時は一人が入れる竪穴を掘り、その上にツエルトなどを張ってもぐりこむだけでもOKです)
ガイドさんいわく、雪がだいぶ硬かったことも時間がかかった要因だそうです。



風が入ってくるのが防げます。完全に塞がず、ちゃんと空気の通り道を作ります。
雪洞の中では服などが濡れないように、まずマットを敷いてから作業します。
大きな荷物はビニール袋に包んで、雪洞未遂となった穴においておきました。今回デビューの雪山用の寝袋はシュラフカバーに包んでマットの上におき、いつでも潜り込める状態にします。ダウンジャケットとダウンパンツを着込んで暖かくして、雪洞泊の準備がようやく整いました!
そして、お待ちかねの夕ご飯です!
ガイドさん手作りの、栃尾揚げがまるっと入ったお鍋が美味しかったぁ〜。
体も温まるし、いっぱい食べられるし幸せ〜。体力を使う労働の後には最高のご飯です。



初めての雪洞の中で寝ましたが、労力の甲斐あって、ものすごく快適でした!
テントより広いし、なにしろ温かい!寒がりの私でも快適に寝ることできました。
(もちろん、買ったばかりの最強雪山シュラフのおかげもあります!)
雪がとけて天井から水がたれてくるケースもあるそうですが、今回は雪がとけることもなく熟睡。
雪洞を掘るのはシンドいけど、だれかが掘った雪洞に泊まるのはいいかもw
と思いました。
ホワイトアウトの守門岳。無念の下山…
翌朝、軽い吹雪で天候はいいとは言い難い。
朝4時に起きて、朝ご飯を食べたものの、もう少し様子見ようとしばらく待ってみましたが、天気は回復せず。
7時に外に出てみたのですがホワイトアウトしていて、山頂にいっても雪庇は見れない⋯ということで断念しました。
一晩お世話になった雪洞は、他の登山客が落ちないように、穴を埋めます。
登山道の近くに穴を掘っていたので、登ってきた登山客が、珍しそうに雪洞をのぞきにきました。
「雪洞泊は快適だけど、掘るのはすごく大変でした〜」と話をすると、興味深そうに「やってみたい」とのこと。
確かに貴重な体験なので、一度はやってみることをおすすめします!

来た道を荷物を背負って下山します。
私はまた、わかんのベルトがゆるんでしまって、ガイドさんに締め直してもらい、ようやく快適に歩けるようになりました。
⋯このわかん、どう考えてもおかしい⋯帰ったらメーカーに問い合わせをすることにしました。
ガイドさんはMSRのスノーシューを履いていて、少し履かせてもらったら、めちゃくちゃ快適でした。
次シーズンはスノーシューを買うかな⋯
下山していくと天気は回復してきて、雪もやみ、明るくなってきました。
途中雪庇があり、守門岳の東洋一の雪庇は見れなかったので、この雪庇を見て満足することにしました。



昼前には無事に下山し、最後に少しだけビーコンの使い方を学んで、今回の訓練は終了しました。
途中、立ち寄り湯に寄ってさっぱりしたら、遅いお昼ごはんで「魚沼の里」へ。
ここでおそばを頂きました。鴨南蛮というか鶏南蛮そば。温かさと、ほっとする味で、身も心も緩みました。


今回はガイドさんと「雪洞泊訓練」にチャレンジしましたが、とてもいい経験ができました。
でも4時間半に及ぶ雪洞掘りは本当にきつかった⋯。
また、残念ながら守門岳の雪庇が見れなかったので、今度は雪庇を見に日帰りで来たいと思っています!
