【お正月登山】雪の金峰山と金峰山小屋のおせち料理

金峰山山頂
甲信越・北陸

今年はお正月に登山をしてみよう・・・ということで、1月2日、金峰山小屋一泊で金峰山へ登ってきました。正月の金峰山は人も少なく、景色も最高!金峰山小屋では美味しいご飯とおせち料理を楽しめます。

【行程】
往路:→[JR]→韮崎駅→[バス]→増富温泉郷→[バス]→みずがき山荘
1日目:みずがき山荘(11:00)→富士見平小屋(11:40)→大日小屋(12:40)→大日岩→金峰山(15:30)→金峰山小屋(16:00)
2日目:金峰山小屋(9:40)→廻り目平(12:40)
復路:廻り目平→[タクシー]→信濃川上駅→[JR小梅線]→小淵沢→[JR]

【金峰山】
標高2599m、山梨県・長野県、百名山。
信仰の山で、山頂の五丈岩は金峰山のシンボルで、高さが15mあるそうです。奈良県の金峰山が名前の由来でもあり、蔵王権現を祀っているとのこと。
以前は大弛峠より登りましたが、今回は年末年始のみ運行しているバスを利用して、みずがき山荘から登りました。
前回は雨であまり景色を楽しめませんでしたが、今回は快晴で、山頂から富士山の美しい姿を望むことができました。

【山バッチ】
今回は、金峰山小屋で購入しました。かわいいw

YAMAPの行程(1日目のみ)
前回の金峰山の記録はこちら
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みずがき山荘から登山開始!

正月2日、あずさ3号に乗って、韮崎駅へ。韮崎駅から9:25のバスで増富温泉郷へと向かいます。
ここで下車。ひんやりとした山間のバス停で10分弱待つと青いバスがやってきました。
増富温泉郷からみずがき山荘の間を、年末年始の12月30日〜1月3日のみ運行しているバスです。

増富温泉郷でバスを乗り換え
増富温泉郷のバス停。周辺には売店が一つあるだけ(正月は休業)
ここからみずかき山荘へのバスに乗り換えます。

みずがき号に20分程度乗ると、みずがき山荘に到着します。
お正月は瑞牆山荘は営業していません。したがってトイレも閉鎖。
登山客も私達以外は1人しかおらず、ひっそりとした雰囲気です。

茅ヶ岳・みずがき田園バス
正月だけ運行しているみずがき号。

バスからのお年玉?!
お正月の乗車記念にミニタオル頂きました!

冬のみずかき山荘
みずがき山荘はお休みで、トイレも閉鎖してました

見上げれば青空。正月なのに、驚くほど暖かく、登山道に雪は見当たりません。
落ち葉が積もった、秋の山のような雰囲気。
ここから、金峰山への登山を始めます。

みずかき山荘から登山開始
落ち葉の山道。天気が良くて登っていると暑い・・・

みずがき山荘〜富士見平小屋
金峰山への道も大きな岩が多い

坂道を登っていると、軽装の人が数人下りてきました。登山というには普通の運動靴でリュックも背負ってない。
観光客って感じですが、何をしにきたんだ?と思っていたところ、坂を登りきって向こう側の景色が見えたところで納得。
瑞牆山の全景が見えるビュースポットに着きました。瑞牆山を前に写真を取っている観光客の姿があります。

天気がよくて青空に瑞牆山の白い岩が映えます。
冬の澄んだ空気の中で見る素敵な景色です。

みずがき山荘〜富士見平小屋
登り切ると瑞牆山を一望できるビュースポットに到着

みずがき山荘〜富士見平小屋
尾根道を歩く。ここも雪がない。

ビュースポットから20分程度歩くと、富士見平小屋に到着しました。
お正月はこちらの小屋も営業はしていないのですが、ここのトイレは利用できます。
少し休憩をしていると、やはり気温が低いのが汗をかいた体が冷えてきて、すぐ寒くなってしまいました。

さらに金峰山山頂ヘと登っていきます。
しばらくは雪もなく、穏やかな木陰の苔や草に包まれた道を歩きます。1月とは思えない、春もしくは秋の景色でした。

富士見平小屋〜大日岳小屋

ただ、大日岳小屋手前になって、道に雪が積もってきました。
まだアイゼンをつけるほどではないですが、徐々の雪道に変わっていきます。
岩の上にも雪。日陰なので溶けていないようです。

富士見平小屋〜大日岳小屋
大日小屋付近。雪が増えてきました。
富士見平小屋〜大日岳小屋
鎖場にもうっすら雪が積もっています

青空の大日岩、寒い登山道

大日岩の真下にやってきました。
見上げると青空に白い岩が突き出しています。
目線を前方にやると、真正面に高い山々が見えます。アルプスなのか、山頂に雪が雪に覆われています。

大日岩〜金峰山
大日岩の真下に来ました

大日岩〜金峰山
ここまで来ると遠くの山々を見通せるようになります

さらに登って、大日岩の尾根道にやってきました。
せっかくなので大日岩に寄ってみることにしました。

大日岩〜金峰山
岩横を登り切ると尾根へ

真っ青な空、白い大日岩、その向こうに雪をかぶった八ヶ岳。
とってもキレイな光景で、ここでのんびり景色を楽しんで休憩をしたかったのですが、風が冷たい!
長居はできずに、樹林帯に戻って、温かいお湯を飲みつつ休憩することにしました。
・・・でも樹林帯は風がないけど、陽が当たらずに寒い・・・やっぱり1月の山は寒かった。

大日岩〜金峰山
大日岩に寄り道
大日岩〜金峰山
大日岩から雪をかぶった山々を眺めます

大日岩〜金峰山
金峰山山頂の方。まだまだ先は長い。

金峰山山頂はまだまだ先。体が冷える前に歩き始めます。
雪がどんどん深くなっていきます。樹林帯は陽が当たらないので、雪が深く残っているのです。

大日岩〜金峰山
だいぶ雪が積もってきました

大日岩〜金峰山
尾根道へ最後の上り

富士山を眺める雪道を歩いて、金峰山山頂へ

樹林帯を抜け出し、最後の金峰山へ続く尾根へと出ました。
一気に見晴らしが良くなります。心配していたほど風はありません。
澄んだ青空が広がっていて、目の前に瑞牆山、その先に八ヶ岳が見えました。
更に歩いていくと富士山が!たなびく雲を身にまとい、お正月らしい姿です。

金峰山
手前に瑞牆山、奥には八ヶ岳
金峰山
富士山と巨石
金峰山
尾根道を歩く。金峰山山頂はあの先です。

雪は深くはなかったのですが、山頂付近は気温が下がっていて凍結もあるので、チェーンアイゼンを装着しました。
登山道は途中岩の鎖場もあって、岩の上の一部が氷になっていたためアイゼン必須でした。
凍っているところで滑らないように気をつけて歩くのは、少し緊張します。

金峰山
ここでチェーンアイゼンを装着

金峰山
チェーンアイゼンでこの岩を登るのは大変。
凍っているところもあるので要注意!

金峰山小屋と金峰山山頂への分岐にやってきました。
本日の宿泊は金峰山小屋。時間は15時になっているので、時間的には遅かったのですが、風もなく快晴というコンディションだったので、山頂に寄ってから小屋へ行くことにしました。
山頂経由だと小屋につくのに30分遅くなる計算です。

金峰山
ここから金峰山小屋へいけますが、金峰山山頂へ寄っていくことに

金峰山
雲がたなびく富士山。正月の絶景ですw

金峰山
五丈岩と金峰山山頂がよく見えます。あとちょっと!

15時30分、五丈岩に到着しました。
陽が傾いていて、五丈岩の向こうに太陽が光っていました。富士山も見えて最高の景色です。

1月、しかも夕方近く・・・ということもあって、山頂には誰もいません。まさに金峰山独占状態でした。

金峰山
山頂に到着。五丈岩と富士山と夕日が美しいコラボ

金峰山山頂と、温かい金峰山小屋

五丈岩の向かいの岩山を登って、金峰山山頂に到着しました。
ここに来るのは3度目ですが、今回が一番景色がいい。こんなに富士山が見えたのは初めてじゃないかな。
冬は晴れていることも多いし、空気が澄んでいるので見晴らしが素晴らしいです。

金峰山
金峰山山頂にやってきました!

最後、五丈岩の近くの岩によじ登って、富士山とコラボ写真を撮影。
あけまして、おめでとうございます!
という感じの素敵な写真になりました。

金峰山

15時半を過ぎて陽も陰ってきました。
晴れていても体は冷えてきたので、そろそろ小屋で温かいストーブにあたりたい・・・。
たっぷり、山頂を堪能したので、下山を開始します。

金峰山小屋は山頂から20分程度下ったところにあります。

金峰山
金峰山小屋へと下りていきます

金峰山小屋
下山して20分程度で、金峰山小屋に到着!

16時、金峰山小屋に到着して、本日の行程は終了です。
小屋の中はストーブあり、炬燵あり・・・暖かい!
冬の山小屋って、この暖かさだけで幸せな気分になりますね。

金峰山小屋は二階がカーテンに仕切られた大部屋の寝床、一階が食堂兼談話室になっています。
食堂のランプシェードは版画絵のついた和紙。木のぬくもりのある小屋の雰囲気に合っていて、かわいい〜。
小屋で売っているグッズもかわいくて、山バッチにてぬぐいに、切り絵作家の後藤郁子さんのカレンダーなど、正月で懐もゆるんでいたせいか、たくさん買ってしまいました。

金峰山小屋
温かい小屋の中。ホッとする〜。こたつもあります。
金峰山小屋
和紙のランプシェードがぬくもりがあって素敵

正月の振る舞い酒?なのか、お茶やお酒が飲み放題でした。
私はお酒い弱いので、日本酒やストロベリーの酒をちょっとずつ味見します。
飲み放題だと、色々味見ができるのでいいですね!

金峰山小屋
お酒が飲み放題。正月だけ?

炬燵に入って、先に小屋に到着していた友人たちと話しつつ、飲みつつ、つまみつつ・・・(山小屋居酒屋って感じ!)
ぬくぬくと時を過ごしていたら、夕ご飯の時間になりました。

夕ご飯は大きなハンバーグ!マッシュポテトと、ライスがつき。そしてデザートのティラミス。
本日の山歩きで消費したエネルギーを一気に回復させる、元気ながっつりお肉。
そして味濃めなデミグラスソース、そして贅沢な気分させてくれるティラミス。
ご飯も最高でした!

金峰山小屋
ハンバーグ大きい!食べ応えあり

金峰山小屋ティラミス
ティラミスのデザート、最高!

ご来光とおせちの朝ご飯、廻り目平への下山

翌朝、5時半・・・目を開けました。
温かい布団の中でぬくぬく。
ああ、ここから出たくない・・・。
昨日、山頂へ行ったからいかなくてもいいかな〜とか思いつつ、それでも周囲がガサゴソと支度しているので、起き上がります。
とりあえず服を着込んで、ダウンまで着て、覚悟を決めて、外に出ます。

まだ暗い・・・そして寒い・・・風も吹いている。
それでもせっかくの正月。ご来光を見たいからがんばって30分、山頂へ登っていきます。
指先が凍りそう、マイナスの冷たい風吹いてきて顔が痛い。

ようやく山頂に到着。東の空が明るくなっています。
5分ぐらい待っていると太陽が登ってきました。
すごい!ご来光!しかも富士山がよく見える!
寒い中、がんばってよかった〜。素敵な正月の朝を迎えることができました。

金峰山のご来光
富士山と日の出。お正月らしい最高の景色!

金峰山のご来光
2025年、良い年になりますように!

太陽が上りきったのを見届けて、早速小屋へと戻ります。
なにしろ1月の山頂は寒い。長居はできません。
下山の途中、木に付いた霜が太陽の光をうけてキラキラしていました。
雪山だと雪が積もっているけど、寒さと空中の水分で霜がハイマツについているのが見えるのは面白い。

朝の金峰山
木々につく霜。氷の結晶がキレイ。

朝の金峰山
雪ではなく霜がついているのが、低山の雪山ならではという感じ

小屋に戻ったら、お正月のスペシャル朝ご飯、おせち料理とお雑煮が待っていました!
おせちは、なます、かまぼこ、昆布締め、花豆、伊達巻、栗きんとん、みかんというラインナップ。
お雑煮は、お餅がおかわりOK。
お正月のごはんに、山頂で冷えた体も温まりました。

金峰山小屋のおせちの朝ご飯
おせちとお雑煮。お正月の朝ご飯、すごい嬉しい!


今日は廻り目平に下山するため、朝9時半に出発します。
居心地良かった金峰山小屋ともお別れ。小屋の外に出ると、瑞牆山のむこうに八ヶ岳がキレイに見えました。
廻り目平へは樹林帯の中を歩いていくため、この景色を眺めるのはこれが最後。

金峰山小屋〜廻り目平
一晩、お世話になりました。とても居心地がよかった!

金峰山小屋〜廻り目平
瑞牆山のむこうに八ヶ岳が、よく見える

樹林帯で、山の北面ということもあり、昨日登ってきた道よりもは雪がたくさん積もっていました。
チェーンアイゼンを装着して下りていきます。
最初はふかふかの雪で、雪山歩きが楽しめます。

金峰山小屋〜廻り目平
廻り目平への道は雪がいっぱい積もっていました。

山の中腹から先はうっすら積もっている程度だったので、途中でアイゼンを外しましたが、ところどころ、急な坂道で凍っているところもあったので気を付けて歩く必要があります。

金峰山小屋〜廻り目平
樹林帯を下っていく
金峰山小屋〜廻り目平
雪でわからないけど、水場があるらしい。

11時半に林道まで下りてきました。2時間でほぼ下山完了。ここから1時間弱歩いて、予約しているタクシーに乗れる廻り目平のキャンプ場へ行きます。
道の途中、切り立った岩がたくさんあるのが見えます。
今は閉鎖されていますが、春〜秋の間はクライマーが訪れるクライミングの有名な場所とのことでした。

金峰山小屋〜廻り目平
金峰山小屋〜廻り目平
林道を歩いて駐車場へ。道の一部が凍っていました。

12時半に、予約していたタクシーに乗ります。
ここから、小海線の信濃上川という駅へ移動し、帰路につきました。

金峰山小屋〜廻り目平
ここで予約していたタクシー乗ります

信濃上川駅
帰りは小海線の信濃川上駅から小淵沢へ

信濃上川から小淵沢へ出て、あずさに乗り換えます。
その間、少し時間があったので、丸政そばでお蕎麦で、下山メシ。
昨年に続き、丸政そばブームですw 今回は山賊蕎麦を頂きました。
山賊揚げは長野名物の唐揚げ。にんにくの風味がきいた大きい一枚の鶏肉唐揚げが蕎麦の上ののっています。
温かいし、ボリューム満点だし、お腹も体も充実の一品です。

丸政そば 山賊そば
丸政そばで、「山賊そば」を頂きました。

今回は、初のお正月登山で、金峰山へ行ってみましたが、天気もよく風も少なく、雪もほどほどで、雪山初心者でも楽しめる内容でした。なにしろ、金峰山小屋のご飯が美味しい!そして冬の澄んだ空気の中、山頂から眺める富士山は格別でした。またリピートしたいくらい楽しいお正月でした!