聖平小屋を出発して、今日最大の目的地へ聖岳へと登ります。小聖までは晴天だったのですが、聖岳の山頂へ登る最後の急坂から曇ってきてしまいました。でも、雨にはふられることなく山頂に到着!目標達成です。
【行程】※このブログは3日目後半と4日目の行程です。
往路:東京→[東海道新幹線]→豊橋→[飯田線]→平岡 ※龍泉閣で前泊
1日目:龍泉閣→[タクシー]→易老渡駐車場→易老渡登山口→面平→馬の背→易老岳→三吉平→静高平→イザルガ岳→光岳小屋→光岳→光石→光岳→光岳小屋 ※宿泊
2日目:光岳小屋→光岳→光岳小屋→イザルガ岳→静高平→三吉平→易老岳→喜望峰→仁田岳→茶臼岳→茶臼小屋※宿泊
3日目:茶臼小屋(5:30)→上河内岳(6:50)→南岳(7:30)→岩頭→聖平小屋(8:50)
3日目:聖平小屋(9:10)→薊畑→小聖岳(10:42)→聖岳<前聖岳>(12:00/12:25)→奥聖岳(12:40)→聖岳→小聖岳(13:55)→薊畑→聖平小屋(15:00) ※宿泊
4日目:聖平小屋(4:30)→薊畑(5:00)→西沢渡(8:00)→便ヶ島・聖光小屋(8:30/9:00)→易老渡(9:30)→柴沢ゲート(10:37)→[タクシー]→平岡※龍泉閣で立ち寄り湯
復路:平岡→[飯田線]→豊橋→[東海道新幹線]→東京
【聖岳】
百名山、長野県・静岡県、標高3013m(前聖岳)。三角点は奥聖岳(2982m)にあります。
南アルプスでも南側に位置する大きな山容で、山へのアクセスが遠くて大変。直下は直登でなかなか手ごわい山です。
【登山レベル】★★★★☆ 中上級
危険な箇所はないですが、急登と長い行程を歩くので上級寄りの中上級
【山バッチ】
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いよいよ今回の旅の最終目的地、聖岳山頂へ!
聖平小屋でエネルギー補給をして、9時10分に聖岳山頂に向けてアタックを開始します。
晴天で日差しが強く、何しろ暑い…。持ってきた雨笠を日傘代わりにさすメンバーもいました。
薊畑という場所には分岐から歩いて30分ほどで到着します。
ここで荷物をデポしている人がたくさんいました。易老渡からここまで登ってきて、荷物を置いて聖岳に登る人も多いようです。
薊畑から小聖まで1時間の行程になります。かなりの急登を登っていくので、縦走3日目の足にはきつい…。途中から岩が転がる登山道になり、岩や石に足をとられて滑らないように気をつけながら歩いて登りました。
小聖山頂には、10時40分頃に到着。聖平小屋を出発して1時間半なので、ちょうどコースタイムぐらいで歩いています。
小聖山頂に着いたら風が強くなり、急に雲が立ち込めてきました。あれよあれよという間に、周りが真っ白になり、聖岳のお姿が消えてしまいました…残念。
急に寒くなったので上を羽織って、休憩もそこそこに聖岳山頂を目指して歩き始めます。
聖岳山頂へ最後の登りに入りました。数週間前に行った鷲羽岳と同じように、真っ白な景色の中、しかも同じくらいの急登を登ります。完全にデジャブです。
登っても登っても、雲におおわれて文字通り終わりが見えない。途中降りてきた人に「あとちょっとですか?」と尋ねたら「もうちょっとだけど、まだまだ」。結局、山頂はまだ先だよとやんわり告げられる感じ。
結局、岩や石に足を取られるような、ガレた急坂をジグザグと登り続けること30分以上。聖岳、なかなかの険しい山でした。
12時に前聖岳3013mに到着しました。茶臼小屋を出発して7時間半…長い道のりでした。
先程までの晴天はどこに行ったか、雲で真っ白な山頂ですが、なんとか百名山の山頂ゲットです!
一緒に行った友人はこれが百名山99座目だったので、みんなで「99」をお祝い。
前聖岳から20分ほど歩くと奥聖に行けるということで、奥聖にも足を伸ばしてみました。
奥聖は標高2978mと前聖よりは低いので、少し下ることになります。
奥聖岳山頂に着いたら、奇跡的に雲が晴れてきて、ちょっとだけ景色が見れました。山の神様ががんばった私達にご褒美をくれたみたいな一瞬の晴れ。
奥聖岳で晴れ写真を撮った後、前聖岳に戻りました。残念ながらまた雲に覆われてしまいましたが、聖岳は十分堪能できたので、下山します。
帰りは石に足を取られないように十分注意しながら、急坂を下山。疲れた足は踏ん張りがきかないので転びやすい。何回もずるっと滑って、尻もちをつきそうになりました。
南アルプスの最深部にある聖岳、手強い山です。
聖平小屋に戻ってきたのは15時。今日は9時間半の長い行程でした。
さすがに縦走3日目でアップダウンも累積1500mほどあったので、足の筋肉も疲労気味です。
私達の部屋は、大部屋で2段ベット構成。一つの仕切りに3人ぐらいが寝れます。シュラフとマットをお借りして、まずは着替え。天気が悪くなったため、小屋の中はひんやりしつつもしっとりしていました。
小屋ではカップラーメンなどの軽食と、お酒は売っていますが、基本的には自炊です。
これがこの縦走の最後の小屋泊。持ってきたご飯もだいぶ食べつくしました。スープに、エビピラフ+カレーのドライフードだらけの夕食ですが、たくさんエネルギーを使ってお腹が減っていたから、なんでも美味しい!
小屋の外テーブルで夕食をとりながら、みんなでワイワイ話していたたら、雨が降ってきました。かなり強い雨であっという間に足元が水浸し。この雨が登山中にふらなくて本当によかった!と思い、山の神様に感謝です。
茶臼小屋から聖光小屋へ下山
翌日は朝から雲に覆われていました。4時半に荷物をまとめて、茶臼小屋を出発。
薊畑までは、昨日の聖岳登山と同じルートをたどり、そこから易老渡へと下りていきます。
登りと同じように急坂が続き、樹林帯の中を4時間近く、ひたすら下りていきます。
見えるものはキノコだけという、ちょっと心が折れる下山です。
8時に西沢渡に到着。川をみると水量が多くなく、橋も無事に渡れる状態でした。
ゴンドラでの渡渉がにも興味があったのですが、引っ張る力がいると聞いていたので、橋を渡ります。
渡渉してしまえば、あとはほぼ平坦な道を45分、聖平小屋まで歩いて行きます。
途中は滝があったり、橋があったり、トンネルがあったりと、今までの道よりは変化にとんでいるので飽きませんが、やっぱり3泊4日の南アルプス縦走の最終日だけあって足は疲れ気味です。
8時30分に聖光小屋に到着しました。ここで一旦休憩。
荷物をおろして、トイレに行ったり、エネルギー補給をしたりします。
小屋ではサイダーなどの飲料も売っていて、食事も頼めるようです。
易老渡から芝沢ゲートへ。平岡駅で外界飯
聖光小屋からこの旅のラストスパート。
4日前に登った易老渡登山口から芝沢ゲートへと1時間半林道を歩きます。
今日は週末だったためか、易老渡の登山口には自転車がいっぱい置かれていて、芝沢ゲートと易老渡の間の1時間の道中を自転車を使う人が多いのがわかります。途中、自転車で快適に進む人たちに何回が抜かれましたw
10時半、芝沢ゲートに到着しました。
最後の1時間が本当に長くて、足は痛いし、心も折れそうだったけど、友人と今までの山旅の思い出話しながら歩きました。思い出していると辛かった山旅も楽しいものになってしまって、なぜかまた来ようと思っちゃうんですよね。
芝沢ゲートからは迎えに来てもらったタクシーに乗って、平岡駅に戻ります。
平岡に戻る道中、「下栗の里」なる観光名所がありました。日本のマチュピチュと言われる場所の一つで、急峻な山の中に集落がある景観がビューポイントとなってテレビでとりあげられているそうです。本当に山の中にあるので、よくここに住もうと思ったなぁと昔の人の逞しさに感心してしまいます。
平岡駅では、龍泉閣という4日前に泊まったホテルの立ち寄り湯で汗を流して、ホテルのレストランで下界メシ。「カツ煮定食」を頂きました。ちょっと塩分きいていて、ボリューミーで美味しかった!これくらいのご褒美ご飯は良いでしょうw
平岡駅から飯田線に3時間乗って豊橋駅へ行き、そこから東海道新幹線に乗って、東京方面へと戻りました。
南アルプスの光岳、聖岳。行くまでも遠い山で、山も激しいアップダウンの中4日間の縦走は、本当に歩きがいのある山旅でした。
でも、ここでしか見れない景色や、素敵な山小屋に出会えた楽しいの旅でもあります。
聖岳は天気がよくなかったので、もう1回、今度は赤石岳のほうから縦走してみようかな…