南アルプス縦走3日目。この日も朝は晴天。遠くに聖岳を眺めながら、上河内岳、南岳を越えて聖平小屋へ。そして荷物を置いて聖岳にピストン…なかなか長くてハードな行程でしたが、景色も抜群で、縦走中で一番楽しい日でした。今までの山行の中でも好きなコースBEST10に入るくらい。
【行程】※このブログは3日目の行程です。
往路:東京→[東海道新幹線]→豊橋→[飯田線]→平岡 ※龍泉閣で前泊
1日目:龍泉閣→[タクシー]→易老渡駐車場→易老渡登山口→面平→馬の背→易老岳→三吉平→静高平→イザルガ岳→光岳小屋→光岳→光石→光岳→光岳小屋 ※宿泊
2日目:光岳小屋→光岳→光岳小屋→イザルガ岳→静高平→三吉平→易老岳→喜望峰→仁田岳→茶臼岳→茶臼小屋※宿泊
3日目(前半):茶臼小屋(5:30)→上河内岳(6:50)→南岳(7:30)→岩頭→聖平小屋(8:50)
3日目(後半):聖平小屋(9:10)→薊畑→小聖岳(10:42)→聖岳<前聖岳>(12:00/12:25)→奥聖岳(12:40)→聖岳→小聖岳(13:55)→薊畑→聖平小屋(15:00) ※宿泊
4日目:聖平小屋→薊畑→西沢渡→便ヶ島・聖光小屋→易老渡→柴沢ゲート→[タクシー]→平岡※龍泉閣で立ち寄り湯
復路:平岡→[飯田線]→豊橋→[東海道新幹線]→東京
【上河内岳】
二百名山、長野県・静岡県、標高2803m。
三角形の綺麗な形の山で、赤石山脈の南に位置します。茶臼小屋から1時間半程度で行けます。途中の草原や尾根道は景観が美しく、かなりお気に入りのルート&山です。
【登山レベル】★★★★☆ 中上級
危険な箇所はないですが、急登と長い行程を歩くので上級寄りの中上級
茶臼小屋から上河内岳へ
縦走3日目は、朝4時半に起きて暗いうちに朝ごはんを食べて、5時半に茶臼小屋を出発しました。茶臼小屋から昨日の分岐まで20分ぐらい登り返しますが、朝一番の体にいきなり急な登りはきついので、ゆっくり登っていきます。
分岐の尾根まで来れば、今度は茶臼岳と反対側、上河内岳へと稜線を歩いていきます。薄暗い朝、山の影を、ちょっと肌寒い風に吹かれて稜線を登ったり降りたりします。
歩いているうちに、富士山の横、雲の向こうから太陽が登ってきました。今日も天気が良さそうです。
稜線沿いをちょっと歩いて、一度降ります。
緑の森を抜けると草原が広がっていて、その先に上河内岳の三角形の山が見えました。ちょっと鷲羽岳にも似た感じの、翼を広げたような形の山が朝日を浴びて、空に浮かび上がる様はなかなか見応えがあります。
草原と低木の道が終わると今度は、上河内岳へと登っていきます。木のない稜線を歩くので景色は抜群に良く、南アルプスの深い山を一望できます。
そして、遥か前方に、今日登頂予定の聖岳が見えました。まだまだ、遠いじゃないか。…あんな遠くにまで歩いて行って、しかもあんな高い山頂に登るなんて、今は信じられないくらい。
登っている最中で、昨日茶臼小屋で一緒だった2ヶ月以上かけて日本横断している男性に追い抜かれました。さすが、めっちゃ早いわ〜。足の筋肉も半端ないし、その脚力は一目瞭然。コーラが好きだと仰っていたように、リュックのポケットというポケットにたくさんのコーラを詰め込んで歩いていました。
日本横断、がんばってください!!本当にすごい!
日本横断の彼なみには歩けない私達はのんびりと…それでも必死に上河内岳への坂を登り続けます。
坂はなかなかきついのですが、この稜線から見える景色は最高で、それを励みに進みます。
6時半頃、上河内岳の肩に到着しました。ここから上河内岳にも登れますが、登らずに聖岳の方面にも行くことができます。
私達は上河内岳に登る組と先に進む組の二手に分かれました。
急斜面が目の前にそびえ立っているので、ちょっと慄きますが、15分程度で登れるというので、私も山頂に行ってみることにしました。メンバーの中でもトレランをやる健脚の人についていって、結局10分ぐらいで登ったのですが、途中は会話もできないほど息がつらかったw
6時50分に二百名山の上河内岳に到着。晴れていたので山頂からの景色は360度の大パノラマ。
聖岳が目の前にそびえ立ち、富士山もはっきり見えて、茶臼岳を始め、昨日まで歩いてきた山々が広がっています。分岐から10分〜15分で山頂に着くので、天気が良ければ登って、この景色を見ることをおすすめします。
上河内岳から南岳を経て、聖平小屋へ
上河内で景色を楽しんだら、また下山して、先行して進むメンバーに追いつくためにやや駆け足で先を急ぎます。道はアップダウンが連続するものの、前方に聖岳を眺める絶景の尾根道。天気もいいからテンションあがります。
30分ほど歩いたところで先発隊のチームに合流できました。
ここから南岳まで、小規模のアップダウンを繰り返していきます。
7時半に南岳山頂に到着。ここは上河内岳に比べると低くて、ハイマツも茂っているので、若干景色はみずらいですが、聖岳、上河内岳がよく見えます。
ここから聖岳を見たら、山頂に雲がかかっていて、メンバーに言わせると「標高が低くなっている」状態です。雲の感じからすると風が強そうに見えます。
南岳山頂で栄養補給の休憩をして、ここから一気に聖平小屋を目指します。
南岳から聖岳へは、もちろん平行移動とはいかず、谷へとかなり下りていきます。
聖岳山頂が目線近くの高さになったにも関わらず、また下りていかなきゃいけないのは、ちょっと損した気分だ…。
でも、素敵なお姿。
南岳から1時間半弱歩いたところで、聖岳と聖平小屋への分岐に到着しました。
谷まで下りたために、ここから見上げる聖岳はかなり高く感じます。ここまですでに3時間半歩いているので、今からあの山に登るのかと考えると気力が萎えますが、今回の目的のうちの1座でもあるから、頑張るしかない!
分岐から5分ぐらい歩くと聖平小屋に到着します。ここで荷物を置かせてもらい、軽身で聖岳にアタックします。もってきたアタックバックに必要な水、行動食、レインウエア、防寒着、エイドセットを入れたけど、荷物が軽い!だいぶ楽ちんです。
茶臼小屋と同じ作り。