仙丈ケ岳は6年ほど前、登山を始めたばかりの時に登ったことがあり、これが2回目になります。当時の写真が全く残っていないので、もう1回行きたいと思って企画しました。
早朝に車で仙流荘に入り、バスで北沢峠へ。仙丈岳に登ってから、北沢峠のテント場でテント泊をする1泊2日の登山。南アルプスは登山口まで遠いのと、バス待ちの長い行列でうんざりしちゃうのですが、雄大でスケールが大きいのが魅力です。
【仙丈ヶ岳】
山梨県・長野県、標高3033m、百名山。
南アルプスの女王と呼ばれる3000m級の山。女王の名にふさわしいスカートのような3つのカール(大仙丈、小仙丈、藪沢)をなびかせ、甲斐駒ヶ岳にならび、悠々とそびえ立つ、見ても美しい山です。7月には藪沢カールにお花畑が広がり、花の百名山の1つにも数えられています
【行程】
往路:東京(3:00)→[車]→仙流荘(5:30)→[バス待ち1時間]→仙流荘(6:30)→[バス]→北沢峠(7:30着)→[徒歩10分]→北沢峠テント場(7:40) ※テント設営
行程:北沢峠テント場(9:00)→ 二合目(9:30)→五合目・大滝の頭(10:50)→小仙丈ヶ岳(12:15)→仙丈ヶ岳(13:40)→仙丈小屋(14:00)※ランチ休憩→馬の背ヒュッテ(15:15)→仙丈藪沢小屋(15:40)→大滝の頭(16:00)→二合目(16:40)→こもれび山荘(17:15)→テント場※テント泊
復路:北沢峠→[バス]→仙流荘→銭湯→ダム
早朝に東京から車で仙流荘へ
前日は東京の友人宅に泊めていただき、朝の3時に車で出発、長野県伊那市の仙流荘に向かいます。仙流荘に着いたのは朝の5時半頃。なのにもうバス待ちの長い行列ができていました…さすが週末の南アルプスです。
バスはピストンで運行していたのですが、登山客が多すぎて、私たちは1時間ほど並んでようやく、6時45分にバスに乗る事ができました。本当に南アルプスは遠い…
ちなみにバスの時刻表はこちらです。(混んでいるときはこの通りにはいかないようですが)
バスに乗って、曲がりくねった山道を行くこと1時間。激しい揺れにバス酔いしつつ気持ち悪い〜と思ってきた頃にようやく北沢峠に着きました。
もしかすると、山頂まで登るよりも、登山口までの道のりの方が本当に過酷かもしれない。
さて、北沢峠のバス停に着いたら、まずはキャンプ場に向かい、テントの場所を確保します。バス停から歩いて10分ほどの所にテント場があります。管理事務所で1人あたり500円の幕営料金をお支払いし、テントが張れそうな場所を探します。8月の北沢峠はかなり混んでいて、テントはすでにいっぱい。奧のほうまで進んで、ようやくテントが張れる場所を確保しました。
今回は麓でキャンプという事で、3人用の天井も高い広いテントを持参しました。これを建てて準備万端。あとは目的の仙丈ケ岳を目指して登山開始です。
登山開始。仙丈ヶ岳への遥かな道のり
テントを張って、登山を開始したのは9時頃です。登山開始には大分遅い時間ですが、7〜8時間で戻ってこれるだろうと推測して、仙丈ケ岳山頂に向けて登山口から登っていきます。
最初は樹林帯の中を、山の斜面をトラバースするような道を進んでいきます。道は平坦で登りを感じないほど。本当にこの道であっているのか心配になりましたが、アプリとGPSで場所を確認する限りこちらで大丈夫そう。
30分程歩くと、ようやくこもれび山荘側から登ってくる道と合流しました。合流地点が2合目になっていました。道は間違ってはいなかったのですが、まだ2合目というのに少しがっかり…。
今度は尾根沿いを進みます。道はすこし上り坂になってきました。樹林帯の中を2合目から1時間弱歩いたところで、4合目に到着します。
4合目から先を登って行きます。途中で黄色い花がたくさん咲いていました。7月から8月に咲く「マルバタケブキ」のようです。
五合目の「大滝頭」に到着したのは11時すこし前。その先の登山道は岩場の急な登山道。見るだけで気持ちが萎えそうな坂でした。力を蓄えるために、ここで軽く行動食を食べて休憩をします。
五合目から仙丈ケ岳山頂へ
気を取り直して山頂を目指して上り始めます。今までの道よりも急な登り坂を登って行きます。ここからが仙丈ケ岳登山のハイライトという感じ。
大きな岩がゴロゴロ転がっている急斜面を登って行きます。
ここを上りきると六合目。ハイマツの緑に覆われた山の斜面が目の前に聳えます。高い木々がなくなったので、視界も広がってきました。
ハイマツの中を登って行きます。山頂がいくつか見えますが、あのてっぺんが仙丈ケ岳ではなさそうです…。
12時15分頃に、小仙丈ケ岳(2864m)に到着しました。
ここから仙丈ケ岳のカールがとても綺麗に見えます。南アルプスの女王の雄大な姿に感動するものの、先はまだまだ長いのがわかります。
ここで小休憩をしてから、山頂に向かって歩き始めます。遥かな山頂はずっと先。でも、ハイマツの緑の中に尾根道が通っている景色は本当に綺麗てテンションが上がります。山を覆っていた雲が晴れて、仙丈ケ岳の稜線がはっきり見えるようになりました。
分岐までやってきました。山頂まであとひと息です。
前回来た時も、ここを登りきったら山頂か…というのを数回繰り返した記憶がありましたが、今回もフェイクな山頂に数回騙されながらの登山でした。
カールの上を歩いて、13時40分、やっと南アルプスの女王、仙丈ケ岳の山頂(3033m)に到着しました!9時に出発して、4時間40分。なかなか長い道のりでした。雲があるものの青空が頭上に広がり、山の緑も太陽の光に輝く、素敵な山頂でした。
山頂からこもれび山荘まで下山
山頂は人が多かったので、ゆっくり休憩はせずに下山を開始しました。
カールの中を降りて行くと、下に「仙丈小屋」が見えてきます。
14時、仙丈小屋に到着しました。ここでランチ休憩をします。
仙丈小屋は茶色の木の壁の山小屋。ハイマツの緑のカールの中に守られるようにあるのが印象的な、こじんまりとした小屋です。
ここまでの道のりが暑かったので、小屋で売っていた「チューペットアイス」を思わず購入。昔、駄菓子屋さんで売っていた懐かしい氷のアイスです。でも外でアイスを食べていたら一気に体が冷えてしまいました。8月とはいえ、3000m級の山は風が冷たいのです。
お湯を沸かしてカップラーメンで昼ごはん。温かいものを食べます。やっぱり山はラーメンが美味しい。
ご飯を食べてエネルギーを蓄えたら、下山を開始します。少し雲が上がってきて周囲が白くなりました。
馬の背ヒュッテに到着して小休止しました。水場がなかったので、100円ほど払ってペットボトルいっぱいの水を購入します。
小屋の中で見た手ぬぐいが可愛かったので、思わず買ってしまいました。
休憩のあとは、元の道に戻るためにさらに下りていきます。
分岐では「大滝の頭」方面を選択。南アルプス天然水の川を渡って、小道を少し急ぎ足で進みます。時間は15時半。山の陰ということもあり、少し薄暗くなっています
16時に「大滝の頭」まで戻ってきました。出発が遅かったからか、時間的には遅い到着です。ここからあと1時間程度。頑張って下山します。
午後5時15分、登山口までおりて無事ゴールしました!休憩も入れて8時間15分の長い往復でした。
テント泊とキャンプご飯
登山を終えて、テントに戻ります。
たくさん持ってきた食材と器具を使ってキャンプご飯を作ります。
メニューは「棒棒鶏」「チキンステーキ」「野菜鍋」「豚バラご飯」
チューブの生姜とだし入れる
北沢峠も2000mあるため夜は冷えてきます。8月だからどうかと思ったけど鍋が体を温めくれました。しっかり味のついたチキンステーキ、ソースを作ってきてくれた棒棒鶏でかなりお腹いっぱい。
最後に出来上がった豚バラご飯は、みんなお腹いっぱいで食べきれず、翌日持って帰りました。
(翌日、キムチを入れて炒めてチャーハンにして、ちゃんといただきました)
『南アルプス村』のクロワッサンとダム巡り
大きめのテントでゆったり寝て、快適な睡眠をとることできました。
翌朝は6時半にテントを畳んで、帰路につきます。
南アルプスのバスで仙流荘へ戻ります。今日は朝早かったためか、昨日よりはバスを待つ人の数は少なく、7時ぐらいにバスに乗ることができました。
仙流荘に止めた車に乗って「南アルプス村」へ行きます。ここでは焼きたてのパンを売っていて、中でもミニクロワッサンが大人気とか。
事前に予約しておいたクロワッサンを購入して、朝ごはんにします。
朝ごはんのパンに満足してから、ダムカードを集めている友人に連れられて南アルプス村に程近い「美和ダム」へ。今まであまり興味のなかったダムですが、見てみると意外と面白い。アーチダムとか、ロックフィルとか形状が色々あるんですって。
その後、高遠のさくらの湯でお風呂入り、高遠の食堂でソースカツ丼をいただきます。
ソースかつ丼でしめて、今回の山旅は完了。麓のテント泊は担ぎ上げなくて良いから楽だし、ご飯も充実できるのが魅力。
仙丈ケ岳は日帰りで往復8時間、3000mまで登るなかなか大変な山ではありましたが、その名の通り、女王のスカートのようなカールの美しい山でした。今回は写真もいっぱい撮れて満足。車での山行も自由が聞いて良いなぁと思う旅となりました。