2日目は快晴でした。昨日見えなかった景色を堪能しながら易老岳へ戻り、その先、三百名山の茶臼岳を越えて茶臼小屋へ移動します。
【行程】※このブログは2日目の行程です。
往路:東京→[東海道新幹線]→豊橋→[飯田線]→平岡 ※龍泉閣で前泊
1日目:龍泉閣→[タクシー]→易老渡駐車場→易老渡登山口→面平→馬の背→易老岳→三吉平→静高平→イザルガ岳→光岳小屋→光岳→光石→光岳→光岳小屋 ※宿泊
2日目:光岳小屋→光岳(5:45)→光岳小屋(6:10)→イザルガ岳(6:40)→静高平(7:15)→易老岳(9:45)→喜望峰(11:30)→仁田岳(11:55)→茶臼岳(13:00)→茶臼小屋(13:30) ※宿泊
3日目(前半):茶臼小屋→上河内岳→南岳→岩頭→聖平小屋
3日目(後半):聖平小屋→薊畑→小聖岳→聖岳(前聖岳)→奥聖岳→聖岳→小聖岳→薊畑→聖平小屋 ※宿泊
4日目:聖平小屋→薊畑→西沢渡→便ヶ島・聖光小屋→易老渡→柴沢ゲート→[タクシー]→平岡※龍泉閣で立ち寄り湯
復路:平岡→[飯田線]→豊橋→[東海道新幹線]→東京
【宿泊した山小屋】
茶臼小屋:茶臼岳の直下にあるこじんまりとした小屋。1泊寝具込で9000円。2022年は食事の提供はないため自炊。ゴミ等は持ち帰り。
【茶臼岳】
300名山、静岡県・長野県、標高2608m。山頂付近は岩稜のかっこいい山です。連なる尾根道もハイマツの中をゆく気持ち良い道で、なかなか良い山でした。
【登山レベル】★★★★☆ 中上級
危険な箇所はないですが、急登と長い行程を歩くので上級寄りの中上級

朝の光岳と南アルプスのパノラマ
光岳小屋で朝起きると、風の音がしていました。窓から覗くと薄暗い空の向こうに雲と、日の出にオレンジ色に染まった空が見えています。お、晴れた!と思って外に出るとかなりの強風で、寒いくらいでした。東の空が明るくなっています。雲はあるものの空が見えているので、今日は晴れそう。下界にいるときは、ずっと雨の予報だった南アルプスですが、どうやら変わった様子です。




今日の行程は短めで時間もあるため、もう一度、光岳の山頂に行ってみることにしました。
光岳山頂は木に覆われているので展望はないかと思いきや、木々の間、その向こうに山の稜線が見えました。
昨日とは全然違う景色!これぞ、光岳山頂!

山頂から歩いて2分ぐらいのところにある三角点。こちらの景色も最高でした。
光石も見えますし、その向こうに連なる広くて深い南アルプスの稜線も一望できます。





2回めの光岳山頂を堪能して、すっきりした気分で山をおります。晴れた山頂も見れたし、もう思い残すことはない!っという気分です。
光岳小屋に戻り、小屋番さん達にさよならのご挨拶をして、6時過ぎに本日の目的地「茶臼小屋」に向けて出発しました。易老岳までは昨日と同じ道を戻り、それから先は稜線を歩きながら茶臼岳を越えて行く予定です。

天気がいいから、今日は歩いていて気持ち良い。そして昨日の蒸し暑さが嘘のようなスッキリとした気候。風も朝よりは収まったので、歩いていてスーッを吹く風がちょうどよいくらいでした。
センジガ原も晴れて見通しがよく、亀甲状土も昨日よりはわかりやすい景色。ちょうど朝日の光を浴びてキラキラしている原っぱはなかなかキレイでした。

亀甲状土の凸凹もわかりやすい。


360度の大展望イザルヶ岳と易老岳への登り返し
イザルヶ岳の分岐に着きました。
このいい天気、360度の展望が今日は期待できるはず。分岐に荷物を置いて、イザルヶ岳に登ります。
10分ほど歩いて山頂につくと、見よ!この景色。昨日は真っ白だったのに、全然違う!
光岳、聖岳といった南アルプスの山々を一望、遠くに富士山を望めます。山頂は木がないので、本当に360度ぐるーりと山が見えるのです。





イザルヶ岳の山頂を堪能して下山。分岐に戻って荷物をピックアップして、まずは易老岳にむけて歩いていきます。昨日歩いていてわかっているように、急坂を下りた後、地味に長い上り坂をのぼってようやく易老岳山頂に着くのです。




易老岳の上り返しの途中で、開けた場所に出ました。昨日はガスって真っ白だったので、全く気づかなかったのですが、山々が見える、芝生の素敵な場所でした。ここで一旦休憩します。
ここで、光岳小屋で頂いた朝ごはんのおにぎりを1つ頂くことにしました。
緑の原っぱで、景色を眺めながらのおにぎりは最高。子供の頃の遠足に来たような気分になります。


休憩して一息ついたあとは、また易老岳へと登っていきます。
樹林帯の中は涼しく、木の間を吹き抜ける風は冷たいくらいでしたが、登っていると、どんどん暑くなってきて汗だくに…。

易老岳から喜望峰へ。仁田岳にも寄り道
易老岳には9時半に到着。ここでちょっとだけ休憩をして、今度は茶臼岳へと進みます。
木々の間を尾根伝いに歩いていきますが、アップダウンがありました。
途中、どこに向かって、あと何kmなのかは全くわからない「←現在地→」という道標が、やたらと掛かっていて、何の意味があるのだろうかと、みんなで首を捻って歩きました。まあ、道は間違っていないってことなのかな?





登ったり下りたりを繰り返し、最後に結構な急坂を登り終えると、「喜望峰」に到着です。
この急登を茶臼岳への上り坂だと勘違いしていた私はがっくり。まだ茶臼岳の取り付きにも着いていなかったってことですね。
喜望峰からは目の前に「茶臼岳」が見えました。まだあんな遠くです。聖岳の堂々とした姿も見えます。だいぶ、聖岳に近づいてきたようです。



喜望峰についたのが11時半。光岳小屋を出発して5時間ぐらい経っています。
ここでランチタイムです。私は残っていたおにぎりと、持っていた携帯食でランチにしました。
ご飯を食べながら、見晴らしがいいという「仁田岳」に行くかどうかをみんなで検討。先を進むチームと、仁田岳に寄っていくチームの2つに分かれることにしました。私は仁田岳からの展望が気になったので、仁田岳に寄っていくチームに入りました。


仁田岳は希望峰から往復で30分程度。荷物を希望峰において、軽身で仁田岳へと進みます。少し急ぎ足で行ったのですが、ハイマツがかなり伸びていて、走ると足にピシピシと枝が当たって痛い。
でも、仁田岳山頂へのハイマツに包まれた緑の中にうねうねと延びる登山道がキレイ。
今まで歩いてきた山の稜線が見えて、うわーよく歩いたなぁと思わされます。



仁田岳山頂に到着。富士山は雲に覆われていましたが、朝にいた光岳が遠くに見えます。
これから進む方向には茶臼岳、上河内岳、聖岳が連なるように見えます。
展望よいと地図に書いてあっただけあり、この山頂からの景色もなかなかのものでした。
機会があれば、仁田岳に寄り道することをおすすめします。



三百名山の茶臼岳
仁田岳から喜望峰に戻り、デポしていた荷物を担ぎ直して、先行チームを追って茶臼岳へと急ぎます。喜望峰からはハイマツの中をアップダウンしながら歩きます。途中、木道と緑の爽やかな道を行ったりと景色もよく、楽しい道が続きました。







仁田池に到着したら、ここからは茶臼岳へと登っていきます。今までの緑豊かな道が一転、砂利と岩の急登になります。茶臼岳は岩稜ぽい山なのです。
急斜面ぶりも、今日一番。本当にここ登るのか?という道を、○マークやピンクテープを頼りに進んでいきます。






13時に茶臼岳に到着しました。標高2604mの三百山です。ちょっと雲が多いですが、景色は抜群。山頂は大きな岩で埋め尽くされた、ここまでのハイマツ帯の山と少し異なる雰囲気。
山頂から、先行メンバーが山の下の方を歩いているのが見えて、手を振ります。なかなか見晴らしが良い山です。前方に聖岳が見え、振り返れば光岳の姿も。ここまでの尾根を見ながら、本当によく歩いてきたなーと思いました。




茶臼小屋でスイカと宴会
本日の宿になる「茶臼小屋」が見えるはず…と思って、山頂から探しましたが建物らしいものは見当たりませんでした。明日登っていく予定の山の稜線を見ながら、ハイマツの中の登山道を下っていきます。

下りきって、登り返すところで、標識を発見。さらに下った先に「茶臼小屋」があるようです。山の右側にそれて谷川に20分ほどおりますが、かなりの急坂で、しかもザレていて下りにくい。階段は鉄骨がむき出しになっていて、転んだら危ない感じです。
そこを通り抜けて下りていくと、小屋が見えてきます。





13時半に茶臼小屋に到着しました。途中仁田岳に寄ったとはいえ、8時間の行程でした。昨日や明日の予定に比べると短い行動時間ですが、それでも8時間…南アルプス遠い…。
茶臼小屋はこじんまりとした、2階建ての小屋。1階に受付と食堂があります。私達は2階の大部屋に泊まることになりました。小屋の裏に2階へ上る階段がありそこから客室に入ります。小屋の裏には外テーブルがあって、水場やトイレも外。




茶臼小屋についていた仲間が、外テーブルで早くもお酒を飲んでいたのでテーブルについて話をしていたら、小屋の人がスイカをもってきました。200円!というので、即買い。8月も終わりだけど、今年初めてのスイカかもしれない。
みずみずしくてジューシーで甘いスイカ。汗かいて水分を失った体に最高のごちそうでした。

水場でお酒やジュースが冷えていると聞いて物色に行きます。
スイカがまるっと1個冷やされています…聞くところによると昨日荷揚げのヘリが飛んできたらしく、お酒もジュースもスイカも、今日のところは豊富にあるようです。

今日は昼過ぎの早い小屋到着だったのと、自炊っていうのもあって、気分はお酒モード。氷結のレモンを購入しました。レモンチューハイは酸味もあるから、美味しくてグビグビ飲んでしまうのです…酒に弱いのですぐに真っ赤になってしまったw


つまみを食べてチューハイ飲んで、着替えたり荷物を整えたりしているうちに夕方になったので、明るいうちに夕飯の支度をします。茶臼小屋はコロナの影響もあって食事の提供はなし。持ってきた食材を使ってご飯を作りますよ〜。
今日のメニューはチムチ鍋&ラーメンです。
暑い中、長く持ち歩くことを考慮して、基本的に乾燥食材。鍋キューブのキムチ味、乾燥ほうれん草、乾燥きのこ、高野豆腐、魚肉ソーセージで鍋を作ります。

高野豆腐、魚肉ソーセージ
飲みながら鍋をつまんだあと、持ってきた棒ラーメンを半分にして、鍋に投入。つまみを食べている間にお腹いっぱいになってしまったので、炭水化物は少なめ。
夕方になって少し寒くなってきたらから鍋とラーメンはベストチョイスでした。

日の沈む頃になって、再び空が戻ってきました。結局今日は雨はふらず、雲が多いものの快適な1日となりました。
夕方の空、雲海が夕日を浴びてほんのりピンクに染まりました。なんともいえない色合い。やわらかいパステルカラーの景色に癒やされます。

19時には小屋に入って寝る準備。疲れていたから、あっという間に寝てしまいました。
明日は4時に起きて、今回の旅の本丸、聖岳を目指します。