9月の飛び石連休、どこかに登山に行きたいと天気予報を毎日チェックしていたら、8月に天気が悪くて諦めた笠ヶ岳が、どうやら天気が良さそう。直前にダメ元で電話した笠ヶ岳山荘も1人なら空きがあり、毎日アルペン号のバスも空きがある!・・・ということで、数日前にすべて手配して、夜行バス+1泊2日で笠ヶ岳にソロで行ってきました。
【笠ヶ岳】
百名山、岐阜県、標高2898m。
播隆上人がこの笠ヶ岳から槍ヶ岳を見て、槍ヶ岳への道を拓いたということで有名な笠ヶ岳です。8月に行った槍ヶ岳からも笠ヶ岳の雄壮がよく見えました。今回登りで利用した笠新道は急登で有名で、上りごたえのある道でした。
登山レベル:★★★★☆(中上級:行程が長く、標高差もあるため)
行動時間:7時間半〜8時間
【笠ヶ岳山荘】
笠ヶ岳山頂の真下にある山小屋。1泊2食付きで13500円〜。
キャンプ場があるのでテント泊もできます(1人1500円)
ホームページはこちら
【行程】※本ブログは1日目の行程です
往路:東京→[夜行バス]→新穂高温泉(6:20)
1日目:新穂高温泉(6:40)→笠新道登山口(7:35)→杓子平(10:50)→抜戸岳笠新道分岐(12:10)→笠ヶ岳山荘(13:30/13:55)→笠ヶ岳山頂(14:10)→笠ヶ岳山荘 ※宿泊
2日目:笠ヶ岳山荘(5:00)→抜戸岳笠新道分岐(6:15)→秩父平(7:10)→大ノマ岳(7:50)→弓折岳(8:30)→弓折分岐(8:40/8:55)→鏡平山荘(9:20)→ワサビ平小屋(11:10)→新穂高温泉ロープウェイ駅(12:20)
復路:新穂高ロープウェイ→[バス]→平湯(立ち寄り湯)→[バス]→松本→[あずさ]→東京
新穂高温泉から笠新道登山口
東京の竹橋から毎日アルペン号の夜行バスで、朝6時20分に新穂高温泉のロープウェイ駅前に到着しました。9月の朝は少し寒く、秋の訪れを感じさせます。天気予報で晴れの日を狙っただけあって、山々がスッキリと見える爽やかな9月の晴天。登山日和の予感です。
ロープウェイの駅前から少し下って「新穂高観光センター」へ。
ここでトイレを済ませて、登山届けを提出します。
身支度を整えて、登山を開始します。新穂高の温泉街を抜けて、笠新道へ続く林道へと歩を進めます。
ゲートを越えて林道を歩いていきます。
行く先に北アルプスの山々が見えて、テンションが上がってきます。
林道を歩いて1時間ぐらいすると「笠新道」の道標が出てきます。林道の側面の急な山肌を登っていく道。急登で有名な笠新道、ここを登れば一気に笠ヶ岳まで行くことができます。
笠新道の急坂を登り、杓子平へ
さて笠新道を登り始めます。最初の1時間半〜2時間は樹林帯を登っていきます。
緑が豊かで、苔むす岩の上を進んでいきます。
標高1700mの道標を過ぎてから徐々に、木の切れ間から青空と近隣の山々が見えてきました。しかし、ここまで登ってくるのに1時間以上。目指す山頂は2898m。まだまだ1000m以上あります…
9時半、やっと標高2000m付近に到着。「槍穂高の眺めが一望できます」とあります。今までの上り坂でも槍も穂高もよく見えていたのですが、ここからは紅葉も鮮やかになってきて、初秋の景観を楽しみながら登ることができました。
この後、道は大きく迂回し杓子平へ向かっていきます。
今までの登山仲間だった穂高と槍とはしばしお別れです。
杓子平の絶景と天気の急変
登山道は山の西側に入っていきます。しばらく歩くと、今度は全く違う絶景が目に入ってきて、わぁ!と思わず声をあげてしまいました。
初秋の紅葉に彩られた笠ヶ岳から抜戸岳の大パノラマです!
黄色に彩られた山々があまりにキレイで興奮して写真をとりまくってしまいました。
ここまで登ってきた疲れも吹き飛ぶ美しい景色です。
落ち着いたら、景色を眺めながら2回目の栄養補給と休憩。
涼しい秋の風に吹かれて冷静になってくると、まだまだ目指す先があまりにも遠いということに気付かされました…。
ううう…今日中にあそこまで行けるのだろうか?!
気をとりなおして、再出発。
まずは抜戸岳へと登っていくために、道を歩き始めました。
途中で紅葉が美しい場所に出ました。ちょっと紅葉には早い時期かと思いましたが、
この標高だとちょうどよいのかもしれません。赤と黄色で埋め尽くされた秋の景色です。
歩きだして30分弱、抜戸岳への取り付きを登り始めると、雲が頭上を覆ってきました。
さきほどの晴天と打って変わって、急激に悪天候に。今にも雨がふりそうです。
太陽がなくなって、一気に気温も低下。登り続けて汗まみれでしたが、少し寒く感じました。
尾根道を歩き笠ヶ岳山荘へ
杓子平を出発してから1時間半程度。思ったよりも早く尾根道に到着しました。
さきほど見上げていた抜戸岳の稜線です。
風はなく雨もふられなかったので、思ったよりもコンディションは悪くはなかったのですが、やっぱり長い急登に足が疲れていました。
すれ違った人に聞いたら、笠ヶ岳までの尾根道も小さな山を越えていくのでアップダウンがあるとか…いやぁ、本当にヘビーな笠新道です。
アップダウンを繰り返し、まだ着かない、まだ着かないと思いながら歩き続けること1時間。急に霧が晴れて、笠ヶ岳とテント場が姿を現しました。
やっと着いたーと思ったけど、山荘も遥か頭上、笠ヶ岳山頂ももっと上…。
かなり心が折れる風景でした。
もう登りたくなーいと思いながら、最後の力を振り絞って山荘へ。
午後1時半。ようやく笠ヶ岳山荘に到着しました。長い長い笠新道の登りでした。
途中景色もよかったので、山に励まされてここまでこれましたが、8時間近く登り続けてへとへと。
笠ヶ岳も、ガスって真っ白で見えなかったので、とりあえず先にチェックインします。
部屋に案内されたのですが、到着が早いほうだったので、他の人はおらず一番乗りでした。窓近くのいいポジションの布団をゲットして、荷物をおろしてほっと一息。
窓の外を見るとガスで真っ白・・・。
うーん、笠ヶ岳山頂へは明日の朝にしようかなぁ、疲れたし、天気悪いし。
と、思いながら、しばらく時間を潰しました。
やっと着いた!笠ヶ岳山頂
ちょっと休憩してから小屋の外に出ると、少しだけ視界がよくなっていました。
雲があるものの、笠ヶ岳の全容が見える状態。
ということで、疲れた体に鞭打って、笠ヶ岳山頂まで登ることにしました。
山荘から山頂までは15分程度の登山です。
14時10分。笠ヶ岳山頂に到着しました。
新穂高温泉を出発してから7時間。長い険しい笠新道を登りきった先のゴールです。
少しだけ雲がきれて青空が見えました。霧も晴れて辺りが明るくなってきました。
もう少し待てば晴れるかなと、山頂にいた人とお話しながら、少し待っていましたが、結局晴れず、やむなく下山しました。
下山してから小屋の前で、ココアと行動食のナッツを食べながら時間を潰していたら、
だんだん晴れてきました。
寒くなってきたので小屋に入り、夕ご飯まで過ごします。山荘には漫画や本がいっぱいあったので、本を読んで時間を潰してたところ、部屋には続々と登山客が到着し、満室になりました。ソロ登山の女性が多かったので、初めて会った人同士で「どうやってきたのか」、「どの山小屋のご飯が美味しい」とか…山の話で盛り上がりました。
ソロで山小屋泊する登山も、いろんな人と話せるので楽しいものですね。
夕ご飯の時間になりました。メニューはハンバーグカレーと、ポテトサラダと野菜スープ。お腹が減っていたので美味しかった!一気に食べて完食です。
夕ご飯を食べた後、外に出てみると青空が広がっていました。
テント場の向こうに今日歩いてきた山の尾根が見えます。小屋の反対側、西の方角には夕日が雲の中に沈もうとしています。
日が沈んですっかり暗くなると、今度は月が登ってきました。
テントの明かりと月の明かり。明日もいい天気になりそうです。
明日は早朝から山荘を出発し、弓折岳から鏡平に抜けて、新穂高温泉に戻ります。
【yamaiko.vlog】笠ヶ岳1泊2日の動画
\ゆるい動画を作ってみました。参考までにどうぞ/