【屋久島 Day3】早朝の静かな縄文杉と神秘的な雨の白谷雲水峡

宮之浦岳縦走2日目は、新高塚小屋から縄文杉へ、ウィルキンソン株を見てからトロッコ道を経由して白谷雲水峡へ行きます。
縦走日程:2014年9月20日〜9月21日(夏山)
2日目コースタイム:新高塚小屋(6:30)→高塚小屋(7:10)→縄文杉(7:30)→ウィルソン株(9:30)→トロッコ道(10:30)→白谷雲水峡分岐(11:40)→辻の岩屋(12:40)※ランチタイム→辻峠(13:40)→白谷雲水峡(13:15)
コースタイム:11時間
新高塚小屋から縄文杉
朝5時。
夜中にものすごい雨音がしていたので1回起きたけど、昨日の縦走の疲れと、日々の寝不足のせいもあって、避難小屋の寝袋で10時間近く熟睡をしていたらしい。
周りの音がうるさいなーと思って時計を見たら、もう朝5時でした。
慌てて寝袋を袋に詰め、マットの空気抜いて丸め、タイツをCW-Xに取り替えて、荷物をパッキングして2段ベッド(?)の上から降りていくと、ガイドさんがアルファ米にお湯を入れて朝ごはんを用意してくれていました。
朝いちばんに、この大量のアルファ米を食べるのは、なかなかしんどかったのですが、食べないとエネルギーが足りなくなるし、荷物も重たくなるし・・・で、なんとか3分の2程度食べて朝飯終了。
今日は縄文杉を朝一番で見て、ウィルソン株に行って、白谷雲水峡へ向かうコース。
本日も9時間ぐらいの行程です。(ざっと10kmぐらい・・・)
夜中に雨がひどかったけど、朝はやんでいる様子。
日差しを期待しながら、朝6時半ぐらいに、新高塚小屋を出発しました。
樹齢1000年を越える巨大な杉たちがあちらこちらに見えます。
50分ほど歩いて高塚小屋に到着。修復したばかりでまだ新しい。
こちらはあまり人数が泊まれない小屋だそう。
縄文杉はここを下って10分程度のところにある。
こんな木の板の歩道を下っていきます。かなり整備されています。
そして、縄文杉が見れるデッキへ到着。
朝の7時半。まだ下から上がってくる観光客は到着していないらしく、縄文杉の前で朝ごはんを食べている男性が1名がいるだけ・・・そのせいか、看板なければここが縄文杉だなんてわからない。
最初の感想は「白い杉」なんだなーと思いました。
樹齢7000年と言われた(実際は2700年ぐらいらしいけど)、長老の杉。
縄文時代から生きている杉だからとか、杉の文様が縄文土器に似ているからとか、名前の由来は諸説あるらしい。
高さが25mぐらい、幹の16mあるそうです。
見る角度により、木の幹のくぼみやコブがおじいちゃんの顔に見えるから不思議。
太古の昔から、屋久島の森でひっそりと長きに渡って息づいている、しわくちゃなおじいちゃんの顔。
見るのはデッキからだけなので、縄文杉の巨大さを間近で感じることはできないのが残念。
少し遠目なので迫力には劣るけど、年輪の深さをしわくちゃな外見から推し量る・・・。
ゆっくり縄文杉を堪能した後は、木の長い階段を下りながら、ウィルソン株を目指します。
縄文杉からウィルソン株
森はますます深く、緑はさらに濃く、美しく。
木も苔も葉も、雨の恵みを受けて豊かに育っている様に身も心も癒されます。
▲千手観音みたいな杉の枝
そうこうしているうちに、昨日始まった世界自然遺産の地域は、ここで終わりになりました。
縄文杉が見つかる前まで屋久島の1番大きい杉だったらしい「大王杉」
樹齢は3000年ぐらいと言われているので、確かにご立派。
縄文杉より元気な感じがする。
幹は太く、中に空間があるのか、洞が見えます。
あ、こんなところにも屋久島ハートが。
縄文杉から下っていくと、日帰りの登山客が増えてきました。
みんな長い長い木の階段を一生懸命登ってきます。
登りと下りで道を譲りあいながら、狭い山道を進み、私たちがウィルソン株に着いたのが9時半ぐらい。
新高塚小屋を出て3時間ぐらいたっていました。
株の周りにはすでに人がいっぱい・・・。
順番待ちをして中に入り見上げると、空と木が切り株の天井に見えます。
しかしながらハートには見えない。。。
でも、ある位置に座って頭上を見上げるあら不思議。
ちゃんとハート型になる!
すごいなぁ、屋久島のマジック。
これ、最初に見つけた人エライと思います!
ウィルソン株からトロッコ道
ウィルソン株から少し下ったところに「翁杉」があります。
もはや切り株だけ。老朽化して雨風で折れてしまったそう。
さらに下っていくと、川が見えてきます。
縄文杉横に湧水があったけど、いたるところから湧いてきた水が集まって川になっている。
本当に水の豊かな島なんだなー。
川沿いに少し歩くと、トロッコ道に出る階段。
縄文杉の日帰り登山客は、トロッコ道を歩いて、ここから山道に入ります。
私たちは、ここからトロッコのレールの上を歩いて下っていきます。
トロッコ道。楠川分かれまで1時間ちょっと、なだらかに下っていきます。
自分がトロッコになったかのような気分・・・。
今まで足元に気を遣う急なくだりだったから気が抜けたのか、歩きながら少し眠くなってきました。
トロッコ道の途中にある仁王杉(阿形)。
吽形もあったらしいのですが、そちらは倒木になっていました。
トロッコ道を歩いていると、ちょっと
日差しが出ました。
待ちに待った「木漏れ日」
一代目の杉が倒れた上に二代目の杉が育ち、さらにその上に三代目の杉が育ったもの。一代目の杉の樹齢は1200年だそうです。
トロッコ道の脇の緑が実にきれい。
苔生している様子も屋久島ぽい。
トロッコ道から白谷雲水峡
トロッコ道を歩いて1時間ちょっと。白谷雲水峡へ向かう楠川分れにきました。
ここでトロッコ道から離れて脇道に入ります。
ここから辻峠までは上り坂です。
しかしながら、低地のためか蒸し暑く、宮之浦岳への上り坂よりも厳しかった…。
辻峠に上るまでの道のりは暗くて深い森でした。
曇ってきたせいなのか、光があまり届かない。
霧の中で濃い深い緑の木と、苔むした丸い岩がひっそりと年月を刻んでいる。
辻の岩屋に着きました。
ここでお昼ご飯です!
▲この岩が張り出した場所が辻の岩屋
▲ガイドさんが用意してくれたランチ。
お湯をいれて3分でできるナポリタンと、卵スープとクロワッサン。
クロワッサンがむちゃくちゃくおいしかった。ガイドさんありがとう。
雨が降り始めたので、ランチをさっさと済ませて、白谷雲水峡へ向かいます。
岩屋から少し上って、辻峠に到着。
苔の森、白谷雲水峡
白谷雲水峡に入ります。
この森は、辻峠の森よりは明るく、雨に濡れた緑が実にきれい。
▲一般公募で名前のついた杉「かみなりおんじ」
一面に苔が広がり水が滴り落ちる「もののけの森」にやってきました。
まるで絵の中にいるような絶景。
ここで宮崎駿さんが本当にスケッチしたらしいですよ〜。
もののけの森から少し下ると七本杉が見えてきます。
枝が上のほうで七本になっている。
もちろん、鹿もたくさんいます。
親子の鹿が目の前を横切りました。
雨が降っていたのもあって太鼓岩にいけなかったので、ガイドさんがよい景色の場所があると連れて行ってくれたのが、三叉路からちょっと横に入った所にある清流と苔のエリア。
こちらは原生林ルートとして迂回路なっているのですが、あまり通る人がいないとか。
ほんと、緑の苔と清流が絵のようにきれい。
苔の中から木の芽が生えている。杉の赤ちゃんだって。
これが1000年たって立派な杉になるのでしょうか。
また、元の道に戻り、下山を続けます。
▲大きな切り株
川を渡ります。
昨日は雨で増水していて渡れず通行止めだったそう。
今日は渡れてよかった。
川を渡って少し進むとさつき吊り橋。ゴールはもうすぐです。
川沿いを歩きます。
縄文杉のところでわき出していた水はこんな大きな川の流れになります。
落差が50mある「飛流おとし」
旅の終着地の白谷広場に着いたのは3時半。
白谷広場からは待っていたタクシーに乗り込み、そのままホテルへ。
(ガイドツアーならではの楽ちんな感じです・・・)
宮之浦岳縦走2日目は、6時半に出発して、しめて9時間の行程でした。
基本下りで、縄文杉、ウィルソン株、白谷雲水峡とみどころたくさんコース。
縄文杉は朝1番ですいているし、トロッコ道も途中で終わるし、縄文杉までの長い木の階段を上らなくてすむし、なかなか良いコースでした。
宮之浦岳縦走2日間のコースは、1日目も2日目も10時間近くの行程なので、体力がないと厳しいかもしれませんが、ガイドさんのツアーでいくとご飯も用意してくれるし、いろいろ説明もしてくれるしで満足いく旅になりました。
雨が多かったので、次回はもう少し晴れているときに、
ゆっくりと歩いてみたいなと思います