久しぶりに尾瀬に行って燧ヶ岳に登ってきました。2回目の燧ヶ岳でしたが、まさかの尾瀬沼の木道で転倒して、腰を殴打し激痛の中、雨の中山頂までいくことに…涙。でも尾瀬小屋でお風呂に入って美味しいご飯を食べて、翌日は快晴!腰は痛いけど、尾瀬を楽しむことができました。
【行程】
アクセス:バスタ新宿→[夜行バス(尾瀬号)]→大清水バス停
1日目:大清水(4:30)→一ノ瀬バス停(5:24)→三平峠(6:25)→沼尻沼山荘(7:00)→沼尻休憩所(8:00)→ミノブチ岳(10:12)→俎嵓(11:00)→燧ヶ岳(11:30)→尾瀬小屋(14:30)
2日目:尾瀬小屋(8:10)→龍宮小屋(8:30)→至仏山荘(9:45/10:45)→鳩待峠(11:30)
復路:鳩待峠→[乗合タクシー]→戸倉→[高速バス(尾瀬号)]→バスタ新宿
【燧ヶ岳】
福島県、百名山、標高2356m。尾瀬国立公園内にあり、尾瀬沼を見渡す日本百名山の一つ。5つのピークがあり柴安嵓(しばやすぐら)が最高峰、と俎嵓(まないたぐら)に三角点があります。
今回は大清水から尾瀬沼を歩いていって、一気に燧ヶ岳の山頂を目指すルートでしたが、尾瀬沼の休憩所から燧ヶ岳山頂は急登が続き、登山に慣れている人向けのルートかなと思いました。
登山レベル:★★★☆☆(中級) 岩を乗り越えるような急登が続きます。雨が降るとぬかるみと岩の濡れで滑りやすいので要注意!

尾瀬沼で転倒・・・尾てい骨激痛で登る雨の燧ヶ岳
新宿から深夜バス「尾瀬号」で、早朝に大清水に到着しました。朝4時半、あたりはまだ真っ暗です。
心細くなるような暗闇の中、ヘッドランプをつけて、一ノ瀬バス停へと歩いていきます。もう少し遅い時間だと大清水〜一ノ瀬間はバスが走るのですが、早朝のため1時間弱歩いて行きました。
道は緩い登坂の林道。街灯もないし、先を歩く登山者も少ないし、暗いから怖い〜。

5時半近くに、一ノ瀬バス停に到着。
うっすらと明るくなっているものの、まだヘッドランプが必要です。
さらに林道を歩いていくと、どんどん明るくなってきました。
尾瀬沼へとの分岐に差し掛かると、登山道の細い道に入ります。
渓流沿いを尾瀬沼に向かって進みました。

尾瀬沼山荘まで来ると、尾瀬沼が見えてきました。
朝7時近く、大清水から歩いて2時間半ほどかかりました。
天気が悪く、雲が厚くたちこめています。尾瀬沼も灰色…墨絵みたいな状態。

燧ヶ岳を目指して、尾瀬沼の木道を歩きます。前日に雨が降っていたので、木道は濡れて、実に滑りやすい…
慎重に歩いていたのですが、木道が下り坂になっているところで、つるっと滑って、あっという間に転倒、尾てい骨付近を殴打。
痛みでしばらく動けなくなりました。
激痛に悶絶して、しばらく休憩…そのうちなんとか歩けるようになったのですが、歩いていると痛い…
こ、これは、やってしまったかもしれない。
涙目でさらに30分ぐらい歩いていると、沼尻休憩所にやっと到着。歩けはするものの、山を登るのはちょっと不安…。
階段を登ると腰に激痛が走ります。


しばらく休憩して、登山どうしようかなーと思っていたのですが、先程よりは痛みは緩和されたので、とりあえず、燧ヶ岳の方向へ歩いてみることにしました。

結局、腰の痛みに耐えながら、燧ヶ岳の登り始めてしまいました。
しかし、尾瀬沼から一気に燧ヶ岳山頂へ登るこのルートは、えげつないくらいの急登。
一歩足を上げるたびに腰が痛み、なかなかスピードが上がりません…。
歯を食いしばってハイステップで岩を乗り越え、もう引き返したくない…という思いで山頂を目指しました。


そんな状態で必死に登っていたら、ついに雨が振り始めました。
まさに泣きっ面に蜂…状態。
冷たい雨に打たれながら、激痛に耐えつつ2時間。やっと尾根に出たところで「八合目」の看板が見えました。

本当はゆっくり休憩したかったのですが、雨も降って寒かったため、行動食をちょっと食べただけで歩き始めました。
八合目から10分ぐらい登ったところが9合目で、かなり近く感じました。
もうちょっとで山頂だ…と気力を振り絞って登ります。



11時に最初のピーク「俎嵓」に到着しました。
山頂は強風で、あっという間に体が冷えてしまいました…。

俎嵓が燧岳のピークではないので、次のピークを目指します。
一回、おりて、少し横移動したら、また登ります。
あーん・・・腰が痛くて、もう登りたくない!
…と、思いつつ登っていると、「柴安嵓」、燧岳の山頂にやってきました。

雨風が強く、休む場所もないので、すぐに下山。
風通しのよい斜面をちょっと下りていくと樹林帯に入ります。
この樹林帯が雨でぬかるんでいて、歩きづらい!泥沼と化した部分に足を踏み入れてると靴が真っ黒になります。
おまけに木の根や岩がたくさんあって、これが濡れて滑りやすい…。
ここで転んで、さらに腰を悪化させたくないし、泥まみれにもなりたくない…。
慎重に下りていきます。


3時間弱歩いて、ようやく登山口まで下山しました。
腰痛と、泥沼と、滑りやすい登山道でスピードが全く出ませんでした…ああ、しんどい〜。
ここまで来たら、あとは木道(ここも滑りやすい!)を歩いて、本日の宿「尾瀬小屋」を目指します。

尾瀬小屋に到着・・・地獄から天国!素敵な山小屋
満身創痍、泥だらけ…燧ヶ岳はもういいわ〜とか思いながら歩いていると、たくさん小屋が立ち並ぶところに到着。
尾瀬沼のほとりにある「見晴」です。
今までほとんど人の姿はなかったのですが、ここにはたくさんの人で賑わっています。
素敵なカフェ、美味しそうな食べ物、ワイングラス片手にテラスで歓談する人々…。
なんだか、文明社会に急に出てきた、原住民のような気持ちで、その都会的な雰囲気に圧倒されます。
そして、本日宿泊予定の尾瀬小屋に到着。一階がカフェの素敵な建物です。
カフェのメニューを見ると、ビストロのようなおしゃれメニュー、スィーツ、そしてワインにコーヒー。
これは…天国なんじゃないだろうか!



尾瀬沼を眺めるデッキチェアで、優雅にワインを楽しむ人々の横を通り、脇にある水場で靴についた泥を洗い流します。
身支度を整えて、いざ都会人になるべく、尾瀬小屋にチェックイン。
尾瀬小屋は個室で、お風呂もあります。山小屋というよりは旅館みたい。
このレベルだと、山を始めたばかりで、山小屋に宿泊するのはちょっと…という人でも十分満足できるクォリティ。
お風呂の時間になったので行ってみると、脱衣場はいっぱいだったので、ちょっと待ってから入りました。
浸かるだけのお風呂ですが、温まるし、さっぱりするし、山小屋にお風呂があるのは本当にありがたい。


お風呂から上がった後は、夕ご飯まで、もってきたコーヒーを飲んでのんびりしました。
本当は山頂でコーヒータイムをする予定でしたが、雨風でまったくゆっくりできず…
ここで楽しみます。

さて、お待ちかねの夕ご飯タイム。
廊下にあったメニューを見ると「赤ワイン煮込」とか「マリネ」とか「コンソメスープ」とか…
山小屋とは思えない素敵なメニューに、期待が高まります。



豚肉の赤ワイン煮込はボリューム満点でしたが、燧ヶ岳登山でエネルギーを使い果たしたらしく、完食!
美味しかった〜。
デザートのりんごシブーストもちょうどよい甘み。もうちょっと食べたいな〜と思うほどでした。
尾瀬小屋、素敵!大満足です。
翌日は快晴!黄金色の輝く秋の尾瀬湿原
翌朝は快晴でした。爽やかな尾瀬の朝…。
しかし、昨日転んで打った腰が痛くて、私自身は爽やかには起きれませんでした。
でも、旅館みたいな朝ご飯を食べて、元気回復です。


朝8時に尾瀬小屋出発、尾瀬を歩いて、鳩待峠を目指します。
本日は快晴、尾瀬小屋の前のテラス席から至仏山と、尾瀬が見渡せました。
こういう天気だと、やっぱり気持ちいい!


前方に至仏山、後方に昨日登った燧ヶ岳を眺めながら、尾瀬の木道を歩きました。
初秋で、尾瀬湿原は紅葉して、黄金色に。
池塘に浮かぶ水草も赤や黄色に色づいていて、とても美しい光景でした。





朝9時近くになると、鳩待峠の方からも、たくさんの観光客がやってきました。
海外のお客様も多くて、ここまで観光客も足を伸ばすのかと驚きましたが、秋の尾瀬は一見の価値ありですね。
振り返ると、昨日雨風でしんどい登山だった燧ヶ岳全景がきれいに見えました。
うーん、今日登りたかったなー。



9時半過ぎに至仏山荘まで到着しました。
ここで一休み。至仏山荘のカフェで「花豆ソフトクリーム」を頂きました。
花豆のソフトクリームは珍しいとは思ったのですが、味はあずきみたいでした。美味しかったです。


あずきみたいな味
至仏山荘から鳩待峠まで30分ほど歩き11時半に到着。
戸倉行のバスは2時間に1本ぐらいなのですが、乗り合いタクシーが待っていて、人が何人か集まると出発してくれます。
なので、それほど待つことなく戸倉へ戻ることができました。

戸倉についたら立ち寄り湯で、お風呂に入ります。
やっぱり汗を洗い流せるのは気持ちいい〜。
お風呂上がりには、近くの蕎麦屋でご飯を頂きました。おそばと、山菜の天ぷら。
苦みのある山菜の天ぷら、キレイなお水でつくる蕎麦。やっぱり山の幸が美味しいですね。




戸倉から東京へは高速バスで戻ります。
今回は往復バスを使いましたが、交通費が安くすむのは、本当に嬉しい。
早朝着くので時間も無駄にならなず、バスもいいなと思いました。(朝の到着で、あたりは真っ暗でしたけど・・・)
尾瀬小屋も、山小屋初心者の人でも十分楽しめるクォリティなので、おすすめです。
でも、雨の燧ヶ岳は上りも急登で、下りも滑りやすいので要注意。尾瀬の木道も転ばないように!
(そのあと1ヶ月ぐらいは尾てい骨が痛かった…w)