9月の連休は、ソロで北アルプスのテント泊へ。山を始めたばかりのときに通ったルートを、テント泊でチャレンジしました。でもやっぱり荷物が重いと登り坂がキツイ⋯。何度も挫けそうになりながら、中房温泉から大天荘のテント場へ縦走します。
【行程】
往路:夜行バスで中房温泉
1日目:中房温泉(6:00)→合戦小屋(8:30/9:00)→燕山荘(10:00/11:00)→大天荘(13:50)
2日目:大天荘→常念小屋→一の沢
復路:一の沢→[タクシー]→穂高駅→[JR]→松本→[JR]→新宿
【大天荘テント場】
大天井岳の直下にある大天荘のテント場は1泊2000円。50張。
予約なしでOK、なので他のテント場がいっぱいだったり、急に思い立って北アルプスに行くときに利用できます。
>>大天荘HP

中房温泉から合戦尾根を登って燕山荘へ
金曜日の夜、東京から夜行バスに乗り、早朝の5時に中房温泉に到着しました。
三連休ということで、中房温泉には続々と夜行バスが到着し、かなりごった返しています。
人で渋滞する前に⋯と、身支度を整えて、いざ登山口から燕岳方面へと登り始めました。


登山口から30分で、「第一ベンチ」に到着。合戦小屋までは展望のない樹林帯を登っていきます。
ここまではいいペース。荷物が重いけど、とりあえず、いつものスピードで登れているみたい。

さらに30分で、第二ベンチに到着しました。
ここでも水飲み休憩ぐらいにとどめ、先を進みます。

太陽が高くなってきて、濃い青空が頭上に広がりました。
今日は天気がいいみたい。気温も上がってきて暑いです。

登山道は人が多くて、自分のペースで歩けませんでした。
小屋泊の、軽い荷物の登山客と同じペースで登るので結構しんどい⋯と思っていたら、第三ベンチを越えた辺りでエネルギー切れに。おにぎり1個の朝ご飯で、合戦尾根の急登を登るのはエネルギー不足だったのかな⋯?

ということで、富士見ベンチについたら、ソイジョイを食べてエネルギー補給。
それでも、合戦尾根の急な登坂は、テント泊装備だと、足を前に一歩出すのもキツイ⋯。
さすがに、軽い装備の人に道を譲りつつ、ゆっくりと登ることにしました。
ソロでよかった⋯他の人と一緒だったらついていけなかったかもw

8時半に合戦小屋に到着しました。6時に登り始めたので2時間半ほどかかりました。
とりあえず、荷物を置いて、みんなも食べている「スイカ」を買いに走ります。
スイカ、600円⋯以前来たときより100円値上がっている!


値上がったとはいえ、何ものにも代えがたいのが山の中のジューシーなーフルーツ。
特にここまで汗だくで、ひーひー言いながら登ってきた身には、糖質たっぷりの甘い水分、スイカが必要なのです。
ということで、購入⋯。見よ、この美しい赤のライン!

あっという間にスイカを食べ終わり、少しエネルギーが回復してきたら、燕山荘に向けて登山を開始します。
ここからも長い合戦尾根。でも標高が高くなると、見晴らしが良くなってきて、空気も涼しくなってきます。
頑張って登っていると、おー、槍ヶ岳の頭が見えた!

今年は残暑が厳しいですが、9月の中旬なので、一部の木が紅葉していました。
槍ヶ岳と赤いナナカマドを激写。山はもう秋です。




合戦尾根はまだまだ続きます。左右に山々を見ながら登る気持ちいい山道ですが、テント泊装備の約15キロの荷物を背負ってこの急登を登るのは本当に力を使います。
先ほど食べたスイカはあっというまに消費されてしまって、坂道を登るエネルギーが欠如。スピートダウン⋯


燕山荘が見えてから長かった⋯。
山荘直前の階段を登るのに、なかなか足が上がりません⋯。

四苦八苦しながら、ようやく稜線へ。
そして目の前に広がる大パノラマ⋯そう、この景色が見たかった。
今までの苦労なんか、吹き飛んじゃうくらいのいい景色!
槍ヶ岳へ連なる北アルプス。何度見ても感動します。


景色にテンションが上がって、写真を取りまくって、一段落ついたら、荷物が重いのを思い出したw
燕山荘で、少しゆっくり休憩することにしました。

燕山荘でケーキセットと焼きおにぎり

アイスコーヒーも冷えてて美味しい!


10時半から燕山荘の食堂でランチが注文できるということで、何か食べることにしました。
ケーキセットを食べたものの、この先大天井岳まで行くことを考えるともう少しエネルギーを補給したいところ。
でも、がっつりは食べれないし⋯ということで「焼きおにぎり」を注文しました。


槍ヶ岳を眺めながら表銀座を歩く
腹ごしらえも終わって、今日の目的地である大天井岳へ向けて、再び歩き始めます。
右手に裏銀座の山々、前方に槍ヶ岳を眺めながら歩く表銀座、今回のハイライトのルートです。






正午には、大下りの頭に到着。大天井岳まであと3.5kmです
ここまでは荷物の重さも忘れる景色の良さで、足取りも軽く進んできましたが、目の前に高いに大天井岳が見えてきて、スタミナがもつのか心配になってきました。


道は尾根沿いをアップダウンを繰り返しながら続いていきます。


13時になって、「切通岩」付近にやってきました。
梯子がかかっている岩を乗り越えていく箇所です。このルートで唯一梯子がある場所なので、記憶に残っている風景。
ここまで来ると、大天井岳と槍ヶ岳への分岐がすぐ近くです。

大天井岳への急坂と、大天荘のテント場
13時に大天井岳に直下に到着。ここから大天井岳へ最後の上りです。
荷物の重さにかなり疲れてきて、ここで一休みすることにしました。リュックをおろして座り込むと目の前にコマクサが咲いているじゃないですか。ラッキーw
お水を飲んで、少し栄養補給をして休憩している私の横を、登山客が通り過ぎていきます。
彼らが登っていくのを見ると、これから先の坂道がどれだけ急かよくわかる⋯。



さて意を決して、最後の急坂を登ります。
重たい荷物と、ここまでの疲れもあってなかなか足が前に進まない⋯歩いていくと「大天荘まで500m」という看板が見えました。あーまだ500mもあるんだ⋯。

その後のあと400mの看板までがとても長かった⋯。
かなりゆっくりペースで登っていきますが、全く力が出ない。燕山荘手前では筋力の限界を感じたものの、今回はもはや体力の限界を感じます⋯ああ、もっと鍛えないとだめだなぁ⋯荷物が重いとここまで大変だとは。


13時50分、ようやく大天荘に到着しました。もう本当、すべての力を使い果たした感じ⋯。
6時に中房温泉を出発して8時間、やっとの思いでここまで来ました。
まずは小屋の前でテントの受付をして幕料2000円をお支払いし、テントを張る場所を探します。
予約しないでテント泊ができる小屋なので、混んでいてテントが張れないのではないかと心配していたのですが、まだテントを張る場所は十分に残っていました。なるべく平らの場所を選んでテントを張ります。

今回は2人用の新しいテントを持参したので、少し広めのスペースが必要。
なんとか平らなスペースを見つけ出して、テントを張ります。

今回のテントはFineTrackのカミナドーム2。広いテントは荷物を十分に広げられるので快適です。
テントが広いから着替えもしやすい。
重さは前のモンベルのストラテリッジ1と変わらないし、やっぱり大きいテントにしてでよかった〜。

テントを立てて、本日の宿を確保。汗を拭いて着替えてさっぱりしたところで時計を見たら、まだ15時でした。
大天井岳の山頂に行ってみることにします。