【雪山】谷川岳で雪洞掘りとテント泊

雪の谷川岳でテント泊
関東・東海

3月の谷川岳で雪のテント泊をしてきました。雪山のテントは荷物は重いけど、夏のテントとはまた違った楽しさがあります。今回は共同テントで、1つのテントに4人で泊まり、テントの中で夕ご飯を作りました。3月半ばの谷川岳は春の気候、暖かくてよく寝ることができました。


【装備・ウェア】
軽アイゼンでも歩ける雪山ですが、私は今回は12本爪アイゼンと雪山の靴で行きました。ピッケルはなしでストックのみ。天気も1日目は暖かったので上下とも2枚重ね程度のレイヤリングで歩きました。雪山のウエアについては以下の記事を参考にしてください。

【行程】
1日目:水上駅→[バス]→谷川岳ロープウェイ乗り場→[ロープウェイ]→天神平スキー場
スキー場→テント設営地(1時間徒歩)※泊
2日目:テント設営地→谷川岳山頂(トマの耳・オキの耳)→肩の小屋→テント設営地→スキー場
天神平スキー場→[ロープウェイ]→谷川岳ロープウェイ乗り場→[バス]→水上駅

【谷川岳】
群馬・新潟の県境にある山で標高1977m(オキの耳)。百名山。一の倉沢などクライミングでも有名。
スキー場があるので雪山でも利用され、よく雪洞堀りの練習に使われたりします。
雪山レベル:★☆☆ 初級

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1日目はテントを張って雪洞と宴会

水上駅からバスに乗って、谷川岳の天神平スキー場のロープウェイに乗り込み、一気に高度をあげます。谷川岳にやってきた日は「強風」の天気予報でしたが、山頂駅についても恐れていたほどの風はありません。
空には青空が広がっていました。まばゆいばかりの谷川ブルー。

谷川岳で雪山テント泊
ロープウェイの駅を降りたところで、雪山の絶景

谷川岳で雪山テント泊
谷川岳山頂付近は雲で覆われています


アイゼンとスパッツをつけ、ストックを持って、重たいテント泊装備の入ったリュックを担いで歩き始めます。少し歩くとすぐに登り坂…白い壁が立ちはだかります。
いきなりの急坂に、足も体も重たい…息がきれます。

谷川岳で雪山テント泊
この坂を荷物を背負って登ります

坂を登り終わってほっと一息。振り返るとスキー場が眼下に見えました。
白い雪と青空の、清廉な世界が気持ち良い。

谷川岳で雪山テント泊
天神平スキー場は、滑り降りてくるスキーヤーがたくさん。

谷川岳で雪山テント泊
登りきった丘の上からみる銀世界の山々。

ここから谷川岳山頂方面へ30分ほど歩いて、ゆるい坂を登った途中のところで、テントを設営することにしました。

テント設営地のすぐ横が斜面になっていて、その斜面の下の方では、別のパーティーが雪洞を掘ったり、イグルーを作ったりしています。


私達もテントを設営します。
雪面をスコップやピッケルで均してからテントを張ります。春なので、テントもフライも3シーズンのものをそのまま使いました。ベグは竹ペグを利用し、雪の中に埋め込みます。最後に時折吹いてくる強風に備えて、スノーソーで雪を長方形に切りブロック状にしたもののを、テントまわりに積み上げて設営完了です。

谷川岳で雪山テント泊
さくっと、テントを設営。
谷川岳で雪山テント泊
テント場から見る景色
この景色を眺めながらテント泊って最高!

谷川岳で雪山テント泊
お茶を飲んで一休み。

テントをたてて休憩したあとは、雪の斜面に階段を作って、斜面の中腹まで下りれるようにしてから、スコップやピッケルで雪洞堀りの体験をしてみました。

スコップで雪を掘るのは、思ったより大変…力をたくさん使います。
頑張って掘ってもなかなか、人一人入る大きさにならず…。
これは遭難などしたときに、避難のための雪洞を作るのも体力が必要だなと思いました。状況に応じては横穴ではなく、縦に穴を掘りシートをかぶせて避難する方法もあるそうです。

掘った雪洞はそのままトイレになりました。
そう、テント場の近くにはトイレはないので、オープンな環境で用を足すことになるのです。
雪洞まで降りる階段は夜になると凍ってツルツルになりそうだったので、ピッケルにロープを結び
ピッケルを雪に埋めて、ロープを伝って階段を降りるように改造しました。

谷川岳で雪山テント泊
雪の斜面に穴を掘って、雪洞づくりの体験

谷川岳で雪山テント泊
こんな感じで穴を掘ります。


雪洞の体験が終わったら、雪のテーブルを作って宴会開始。
登山道の横で、みんなでわいわい飲んでいると、「ここでテント泊で宴会っていいですねー」って、谷川岳から下りてきた登山客に声をかけられました。

宴会中は時折強風が吹いてきましたが、気温も暖かく日差しも気持ち良かったので、夕暮れまで2時間近く、雪の中で飲んだり食べたり、のんびり過ごしました。

谷川岳で雪山テント泊
雪のテーブルを作って飲み会の開始。

谷川岳で雪山テント泊
だいぶ雲が晴れてきて、すっきりした青空に。
谷川岳で雪山テント泊
ロープウェイも終わってしまったので、登山客がいなくなりました。


徐々に日が傾いてきて、夕暮れになってきました。
日が落ちてくると気温も一気に冷えて0℃近くになってきます。

谷川岳で雪山テント泊
少しずつ雪山の景色が夕暮れに変わっていく

谷川岳で雪山テント泊
太陽が山のむこうに落ちていきます
谷川岳で雪山テント泊


すっかり日がくれて寒くなってきたので、テントの中に入ります。

テントの中では夕ご飯を作りです。テント中でガスを炊くので、板を敷いてその上にガス缶を載せて火をつけ、調理器具は必ず手で取手を持って、お湯などをテントの中でこぼさないように気をつけます。
雪をガス火で温めてお湯を作り、各自のテルモスやナルゲンボトルにいれて、調理時に使います。ナルゲンボトルはそのままシュラフにいれて湯たんぽとして使いました。

本日のご飯は焼きソーセージと野菜とお肉たっぷりの酸辣湯麺。ご飯も少し炊いて、余ったら明日の朝ごはんに使います。
雪山のテントは鍋やラーメンなど温かいものが本当に嬉しい。テントの中が一気に暖かくなりますし、体もほかほかになります。

谷川岳で雪山テント泊
トマトとソーセージを焼きます

谷川岳で雪山テント泊
酸辣湯麺。野菜もお肉もたっぷりで美味しいw

ご飯を食べて終わって片付けをすると、もうやることもないのでマットとシュラフを4つぎゅうぎゅうに並べて、眠りにつきました。1人で寝るよりもみんなでくっつきながら寝たほうが温かい。

とはいえ、3月の半ばで、いつもより気温が高い日だったので、私は-10℃まで耐用の寝袋でしたが暑いくらいでした。スリーシーズンの寝袋で寝ている人もいましたが十分暖かったそうです。

2日目は山頂を目指して雪山登山

次の日は雲が多い朝でした。風はほとんどありません。
朝4時に起きて、テントの中で朝ご飯の支度をします。昨日の残りの酸辣湯麺に残りの具材とご飯を入れておじや風にしていただきます。
ご飯をささっと片付けた後は身支度を整えて、山頂に向けて登山する準備です。

朝6時過ぎ、ロープウェイで他の登山客が上がってくる前に、山頂に向けて出発しました。

谷川岳で雪山テント泊
まだ薄暗い中、登り始めます。

谷川岳で雪山テント泊
谷川岳山頂の方角。これから登っていきます。

谷川岳で雪山テント泊
早朝の雪の谷川岳。他に人はほとんどいません。

谷川岳で雪山テント泊
太陽が上がってきて、少しだけ明るくなってきました。

テント場から登って1時間ちょっとで、西黒尾根と分岐点になる道標に到着しました。
数年前、秋に西黒尾根を通って合流したところだ、と懐かしく思いました。
ここまで来れば山頂「トマの耳」はすぐ近く。

谷川岳で雪山テント泊
雪の中に道標が見えてきました

谷川岳で雪山テント泊
あとちょっとで山頂です!

8時ちょっと過ぎに、谷川岳山頂「トマの耳」に到着しました。
山頂からは、もう一つの山頂「オキの耳」の尖った三角が見えます

谷川岳で雪山テント泊
オキの耳の方角。人が登っているのが見えます。

谷川岳で雪山テント泊
灰色の景色の中で雪山が連なる。空にはうっすら太陽の光。



次は「オキの耳」へと足を伸ばします。
「トマ」と「オキ」の間は雪山でも10〜15分ぐらいの距離でした。雪庇と雪の亀裂に気をつけながら尾根を歩きます。

谷川岳で雪山テント泊
オキの耳の山頂。山頂の標は雪に埋まっていました


「オキの耳」から振り返って見ると、先ほどいたトマの三角の山頂が見えました。
雪山の方が「耳」ぽさがよく分かる気がしました。遠くからこの2つをみたら「猫耳」みたいに見えるのかな。

谷川岳で雪山テント泊
尖った三角の「トマの耳」。さっきまであんなところにいたんだ。

谷川岳の山頂から眺めると、谷筋が美しいラインを描いて下へ連なっている様子がよく分かりました。

谷川岳で雪山テント泊
谷川岳で雪山テント泊

谷川岳からの下山

山頂で写真を撮ったりして満喫した後、下山を開始します。
今日は風もなく、気温も雪山にしては温かい方なので、みんなのんびりと歩いていきます。
天気は曇りですが、コンディションは悪くありません。

雪庇に気をつけて歩きます。暖かくなったためか雪は少し緩んでいて、雪崩が起こりそうな亀裂がいくつも入っていました。

谷川岳で雪山テント泊
雪庇が張り出していて、今にも崩れそう。

途中、山小屋「谷川肩の小屋」へと寄ってみました。
そこで少し温かいものを飲み、行動食を食べて、体力を取り戻します。

小屋の前から山脈を望みます。目線の先の山まで縦走できるような気になってきます。
今度、夏山で谷川岳に来るときは、向こうの山まで足を伸ばしてみようと思いました。

谷川岳で雪山テント泊
肩の小屋は冬季は休業
谷川岳で雪山テント泊
小屋の前の鐘を鳴らしてみます。いい音が雪山に響き渡りました

谷川岳で雪山テント泊
稜線が伸びているのを見ると、あの山までいきたくなる。

テント場まで1時間ほどかけて下山していきます。
ロープウェイが動き出したようで、登山客とスキーヤーが山頂を目指して登ってきました。人がたくさん…まさに行列です。さすが雪の谷川岳、人気ですね。

テント場に戻った後は、すぐさまテントを撤収して荷物をリュックに詰め直します。
巨大な荷物を担いで、ロープウェイ乗り場まで30分ほどかけて降りました。

谷川岳で雪山テント泊
スキー場のちょっと上の丘から谷川岳を望む

天神平のロープウェイで下山した後は、バスで水上駅へ。
JR上越線で新前橋まで1時間ほどのんびりと電車に乗り、新前橋からは湘南新宿ラインで一気に東京方面に出ることができます。

谷川岳で雪山テント泊
水上駅前。蕎麦屋などの食堂とお土産屋さんが何軒かあります

谷川岳で雪山テント泊
電車を待っている間、
駅前のお土産屋さんで買ったどら焼きをいただきます。


今回はテントを背負って登った時間が短かったので、楽々雪山登山でしたが、この荷物で数時間歩くのは結構きついなぁと思いました。
でも雪山でのテント泊は、澄んだ空気の中で雪山の夕暮れも見えるし、夜景や星空も綺麗だし、なかなか良い経験です。みんなで1つのテントに寝る方が暖かいし、ご飯もソロで食べるよりも楽しい。

また、雪山のテント泊にチャレンジしようと思いました!