【キナバル山登山 Day3】4000mの山頂はまるで別の惑星!感動のキナバル山

海外

登山2日目は3時前に山小屋を出発。ヘッドランプを頼りに暗闇の中、山頂を目指します。朝方山頂に到着しキナバル山の絶景に感動!下山途中でヴィアフィラータにドキドキし、キナバル登山をたっぷり楽しみました。

【キナバル山】
マレーシア、ボルネオ島北部に位置し、標高4095m。ゲートから山頂までの標高差が2223m。
キナバル自然公園として世界遺産(自然遺産)にも登録されています。
4000m級でも道はしっかり整備されていて、山小屋もキレイで宿泊しやすく、海外登山の入門の山として、よく日本からのツアーも出ていてます。
登山レベル:★★★★☆(中上級) 標高4000mのため体力が必要です。

登山行程:
Pendant Hut(2:50発)→Sayat Sayat Hut(3:30)→Lows Peak Summit(4:30)→[日の出6:00]→下山開始(6:30)→Sayat Sayat-Hut(8:00)→ヴィアフィラータ(8:00〜10:00)→Pendant Hut(11:00)→[休憩]→下山開始(11:50)→Timphon Gate(15:40)→レストラン(16:00)→[下山後のご飯]→[車]→ホテル(18:00)
※前日の行程はこちら

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山小屋からキナバル山頂(RosePeak)

▲キナバル山最高峰のローズピーク(4095.2m)

朝2時。iphoneの目覚まし時計を無視しそうになったけれど、周囲の気配で、なんとか起き上がります。あれほど降っていた雨は止んだのか、外は今は静かでした。窓から外を見るとうっすら街の明かりが靄の中に見えました。どうやら晴れているようです。

朝ごはんを食べに小屋の食堂に行きましたが、すでに登山客でいっぱいです。朝早くてぼーっとしながら、空いている椅子を見つけて座り、パンを焼いてピーナッツバターを塗って食べ、紅茶を飲んで簡単な朝ごはんを済ませました。

簡易のアタックバックの中にレインウエアと防寒のダウンジャケット、水と行動食、カメラを入れます。1枚薄いウィンドブレーカーを羽織り、その上にレインウエアを着込んで、ヘッドランプ、グローブをして、いざ登頂に向けて山小屋を出発。

時刻は3時前。すでに大半の人は出発していますので、私たちはやや遅めのスタートになりました。外に出て驚いたのが、暖かいってこと。富士山だと3000mも越えると冬並みに寒かったのですが、ここでは確実に10℃以上はありそうです。

真っ暗闇の中、階段とおぼしき場所を登り始めます。少し頭がぼーっとするので高山病かな?と思ったのですが、痛みはなかったので薬は飲みませんでした。

3000mを超えているので、ゆっくり登るか、休み休みに行くかしないと息が上がってすぐ苦しくなります。私は一定のペースであまり休まず登るようにしました。

真っ暗の中、すぐ前のパーティを追い抜きます。20人ぐらいの韓国人のパーティも休んでいるところを抜かしていきます。

どれくらい登ったのかなと空を見上げると星が見えました。どうやら晴れているようです。眼下には家の明かりが見えました。そして、山を斜面にそって登っていく登山客のヘッドランプ。暗闇の中ですが、上にも下にも光がたくさんありました。

3時半ぐらいに「Sayat Sayat Hut」に着きました。ゲートから7.5km地点。標高3668m。富士山の山頂よりちょっと低いぐらいの場所です。ここで入山証をチェックされます。トイレもここが最後です。

この先は大きな1枚岩をひたすら登っていきます。最初の方が傾斜が強く、登るのにも一苦労。息がはぁはぁ言います。しかし、一定のペースで登り続けていると、いつの間にか前にいた欧米人の一団と、マレーシアの大学生の一団を抜いて、列の先頭に立っていました。

前に誰もいないキナバルの山の景色は忘れられないものでした。弓張りの月が山の頂きの上にかかり、地上を薄く照らしています。月の光を浴びて荒涼とした岩の斜面が鈍色に光っています。岩の大地の向こうに岩壁がそり立っているのが月明かりに照らされて微かに見えました。

そこには人は誰もいなくて。なんだか、月面を歩いているかのような…そう地球上じゃないような不思議な光景でした。

しばらく先頭を歩いていたら、探検家のような気分になってアドレナリンが上昇。テンションが上がってきたのだけど…そのうち、マレーシア人の元気な大学生に抜かされ、体力がたっぷりある欧米人に抜かされ…列の先頭の座を明け渡して、探検家気分は終了しました。

4時半。私たちの目の前にローズピークに到達するための最後の急登が聳え立ちました。「うわ。これ登るの」と、思わず言葉になったぐらい急な岩山。

この壁をゆっくりと休みながら登っていきます。数歩上がって一息つかないと、頭がクラクラします。さすが4000m。空気が薄い…。

東の空がほんのり明るくなり、あたりがうっすらと見えてきました。空と大地の間がオレンジに光り、夜明けを迎えているのがわかります。

そして目の前に何か立っていて…そこに人が集まっているように見えました。暗くてよくわからないけど、山頂の碑のようです!
そう「Lows Peak Summit」キナバル山で一番高い場所4095m 到着です!


▲写真をとったけど、暗くてよくわかりません😅

日の出は6時ぐらいなので1時間弱。ここでご来光待ちをします。山頂は狭いし混むので、少し下った岩の上で待機。この時間、かつ4000mの標高では、風はそんなにない日とはいえ寒くなってきました。レインウエアの下にダウンを来て、ちょうど良い感じです。

この状態で日の出を待ちますが、ピークハントしたためかテンションが上がってなんだかやたらと元気でした。

雲海を眼下にキナバルの岩綾が広がっているのが見えてきました。

そして、待ちに待った日の出です!
富士山の山頂でもご来光を見たことがないのに、マレーシアの最高峰でのご来光!最高です😆

太陽の光を受けてローズピークの向かい側にあるセント・ジョンズ・ピーク(4090m)が赤く染まります。

▲山頂はこんな具合。もう人でいっぱいです。


▲明るくなった山頂の碑

山頂からSayat Sayat-Hut(約3600m地点)

日も登ったところで、ガイドのジミーさんの誘導の元、早くも下山を開始します。

▲Oyayubiという名前のピーク。太陽の光を浴びて輪に輝いている

▲雲にローズピークの影がくっきりと写っています

▲人がたくさんいる所が山頂です。


行きは見えなかったけれど、こんなに岩場を登っていたことがわかりました。

▲セントジョーンズの下の方へ降りていきます。

キナバル山は大きな1枚岩でできている。
それがわかるのが、この写真。不思議な光景です。日本でこんな広い山の上ってないと思います。

▲とがっているのがキナバル・サウス

▲ローズピーク全景。三角形の尖った山だとわかります

▲4000m付近に降りてきました。ここも急斜面。

▲岩壁の向こうに見えるピーク。右側が登っていたローズピーク

▲キナバル・サウスはとても絵になる

▲キナバルサウスの横の岩斜面を降りていく人々。

▲キナバル・サウスを横から撮りました

▲ヴィアフェラータのロングコースは4000mをちょっと下がったここから始まります。

▲さらに降りていきます。

▲麓のジャングルや家がよく見えます。晴れてよかった!

スリリングなヴィアフェラータ(岩登り)

ツアーには、ヴィアフェラータのショートコースがついていました。3500m地点からロープやハーネスをつけて崖を降りていくアトラクションです。

▲Sayat Sayat-Hut

この山小屋でヴィアフェラータのハーネスやロープを渡されました。さらに下りて、ショートコースは標高3500mのところでスタートします。

▲岩山にへばりつく木の階段。登山道です。

▲ヴィアフェラータのショートコースはここから

ヴィアフェラータのやり方ですが、パーティがロープに数珠つなぎになります。そのロープの先端はガイドさんがもっていて金具に止めて安全確保します。さらに各自のハーネスにつけた2つのカラビナを岩壁上のワイヤーにどちらか1つが必ずつながっている状態を維持しながら、岩場をよじ登ったり下りたりして進みます。

最初は練習しながらロープワークをする必要がない岩山を下りていきます。後半は、ロープだけのところをカラビナをかけて安全確保して綱渡りをし、高さ20mぐらいありそうなハシゴを登り、かなり絶壁の岩場をパーティで連携しながらロープとカラビナを、設置されたワイヤーにかけながら進みます。

最後の岩壁はかなり長く斜度もあるので少し緊張。喉がカラカラになって水が飲みたい!と叫んだところで、スタート地点に戻ってゴールです。

平均2時間ぐらいかかるそうですが、その平均時間でクリアできました。ロングコースは4000mあたりから下りるそうですが、今回私達が体験したショートコースで十分楽しめると思いました。

ここでかなり足の力を使うため、今日はあと1500mぐらい下りなきゃいけないという中ではハードなアクティビティと言えます。でも、日本じゃあまりできない体験なのでオススメです!

▲ヴィアフェラータ。こんな絶壁を登ります!

▲ちなみにロングコースはこの岩肌のてっぺんから下りる

ピストンで下山。下界メシはマレーシアの海鮮

▲無事、ヴィアフェーラを終えて、山小屋に戻ります。

山小屋に戻ると10時半でした。ここで2回目の朝ごはんをいただきます。ソーセージとマッシュポテト、ビーンズ、パン、茹で卵。腹ごしらえをして、11時半に下山を開始しました。

来た道を引き返すだけのため写真はあまり撮りませんでしたが、下山途中は、熱帯雨林の森には積乱雲が渦巻き、あちこちで雷が鳴り、最後のゲートまであと0.5kmというところで、大雨にふられてしまいました。

ゴールの「Timphon Gate」に着いたのは16時前。4時間近くの好タイムで下山を完了しました。

キナバル山の登頂証明書を頂いてから、ツアーが準備してくれたレストランで、遅い「ランチ」をご馳走になりました。レストランはキナバル公園近くの中華料理です。
メニューは卵スープ、酢豚、八宝菜、肉炒め、フルーツ、紅茶、ライス。正統派な中華で、久しぶりに酢豚や八宝菜を食べたなぁと思いました。

食後、このレストランから1時間半をかけてコタキナバルに戻ります。帰りの車は山道はだいぶ激しく揺れたけど、疲れ切って爆睡でした。今日は3時間ぐらいしか寝てないのに、600m登ってからトータルで2300m下りてきて、岩登りもやって充実の1日でしたから。

でも、根が元気な私たちはホテルに戻ってシャワーを浴びたてさっぱりしたら、「新鮮な海鮮が食べたい!」ということで、近くの海鮮屋台村へ行きました。


▲屋台村はオープンテラス席。

周囲に魚や貝などを売っているブースがあり、そこで素材を買ったら調理をしてもらうシステムです。魚!カニ!エビ!貝!マレーシアの海の幸がたくさん売ってます!テンション上がる!

食材を物色した後は、オープンテラスではなく、冷房が聞いているレストランに入り、

・龍鬚菜炒め(スパイシー)
・空芯菜炒め(ガーリック)
・ソフトシェルクラブの唐揚げ
・カニの豆鼓ソース炒め
・星斑(シンパン)のスチーム
・ガーリックライス
・ココナッツウォーター

をいただきました!

▲カニの豆鼓ソース炒め。
食べるところはあまりないけどスパイシーで美味!

▲星斑という川魚。少し臭みがあるがあっさりしている

▲龍鬚菜の炒め物。
この青菜は日本ではないそうですが、とても美味しかった

▲個人的に大好きなココナッツウォーター。
日本では高いのでここで飲む!

なんだか食べてばかりの1日でした。キナバル山と、コタキナバルのご飯を堪能することができました。