【キナバル山登山 Day2】ジャングルから3000mへ登り、山小屋でビッフェご飯

海外

マレーシア2日目、いよいよキナバル登山開始です。今日は3000m近くまで一気に登り山小屋で1泊します。熱帯雨林からの登山は気候は暑いのですが緑豊かで日本とはまた違う登山道でした。

【キナバル山】
マレーシア、ボルネオ島北部に位置し、標高4095m。ゲートから山頂までの標高差が2223m。
キナバル自然公園として世界遺産(自然遺産)にも登録されています。
4000m級でも道はしっかり整備されていて、山小屋もキレイで宿泊しやすく、海外登山の入門の山として、よく日本からのツアーも出ていてます。
登山レベル:★★★★☆(中上級) 標高4000mのため体力が必要です。

登山行程
ホテル出発(6:30)→[車]→キナバル公園(9:00)→[入山手続き]→[車15分]→登山口Timphon Gate(9:30)Timphon Gate(10:00)→kandls Shelter(11:00)→Layang-Layang Shelter(12:30)→[ランチタイム]→Paka Shellter(14:30)→Pendant Hut(15:30) [宿泊]
※翌日の行程はこちら

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ホテル出発から登山口(Timpohon Gate)まで

ラマダン中ということでホテルの朝ビッフェはなんと3時からオープン(恐らく、日が上がる前にご飯をいただくのでしょう…)通常は朝飯はランチボックスだそうですが、ビッフェを使ってということで、朝5時ぐらいからビッフェでご飯をいただきます。パンを中心に、野菜やカレーライス、焼きそばをチョイスし頂きます。

▲ちょっと朝5時で暗いのですが、ホテルのビッフェ。

6:30に迎えの方が来て、車に乗り込みます。
ホテルからキナバル公園までは2時間ぐらい。途中山道になるので揺れるからと言われました。

山道に入ると、言われた通りよく揺れる。右や左にくねくね、くねくね。
たくさんの荷物を積んだ前を行くトラックが、あまりの重さと急斜面のために時速が10キロ程度になってしまい、そのためトラック渋滞が何度も発生しました。

▲海と山の向こうに頭だけ見えているキナバル山。今日最初のテンションUP

▲山道に入ってくると、キナバル山が近くに見えてくる

▲逆光だけど、山頂からいくつも角を出したキナバル山全景

そうやって車に揺れること2時間、やっとキナバル公園に着きました。駐車場はいろんな国の人でいっぱいです。ここまで案内してくれたガイドさんが入山手続きをしてくれます。

▲駐車場からキナバル山がちらりと見えます。

▲公園の管理オフィス。ここで手続き。

▲キナバル山の登山ルートはこんな感じ。

▲手続きが完了すると入山証をもらえます。

手続きを終えたあとは、山専門のガイドさんと別の車に乗って登山口である「Timphon Gate」へ向かいます。
このゲートまでは車で15分程度です。

▲これが登山口の入り口「Timpohon Gate」

ティポンゲートの標高は1866m。山頂は4089m。
その差は2223m。私たちが登らないといけない高さが2223m。

ガイドさんが言うには、ここから、今日泊まる山小屋まで6kmほど歩いたところにあり、山小屋の標高は3300m。なので本日は1500mぐらい登るだけで大丈夫ということ。少しほっとしました。

ランチは4km先にある「Layang-Layang Shelter」という休憩所で食べようと、ガイドさんが続けました。4km先はまだまだ遠い先の話だなぁ…。

登山ゲートから4km休憩所(Layang-Layang Shelter)

午前9:30。ゲートで入山証を提示して、中に入ります。中に入った途端、下り坂に…あれぇ。登るんじゃなかったっけ?!

そのまま緑の中を歩きます。
5分ぐらい歩くと滝が姿を現しました。熱帯雨林の森は湿度もあって暑いので、滝の清涼感が気持ち良い。

この滝をちょっと過ぎて、0.5kmの看板が出てきました。この看板はだいたい500mおきに出てきます。

さて、森の中の道は登りに転じます。熱帯雨林のジャングルは緑が多く、水も多い。足元は少しぬかるんでいます。そして、何よりも…暑い…。あっと言う間に汗でびっしょりです。

また、段差が高い。一段、一段の間が大きく離れていて、足を高くあげなくてはいけません。筋肉痛になりそうな予感…。

午前10時半、出発から1kmほど歩き「kandls Shelter」という休憩所に到着。休憩所はすでに登山客でいっぱいでした。

キナバル登山の休憩所はちゃんと水洗のトイレや(トイレットペーパーは持参)、ゴミを捨てる場所もあって至れり尽くせり。環境は整っていて登りやすい山ではあります。

▲なにやら板が置いてある…これを運んでいるのかな?

▲ガイドのジミーさん。携帯を片手にメールチェックしながら山登り。

▲ピンクの可愛い花「キナバルバルサン」

少し休憩をして再び登り始めます。11時50分、出発から1.5kmのちょっと手前。次の休憩所「ubah shelter」に到着。少しだけキナバルの頂きが見えます。

▲赤いシャクナゲみたいな花が咲いています

この休憩所を出てすぐ。地震で崩れてしまったという道に出ました。樹木がなく、冷たい風が吹き抜け、暑かった私達には気持ち良い風でした。
前方にキナバルの山頂、後方にマレーシアボルネオ島の青い山脈が望める展望の良い場所です。

▲両脇が崩れている。地震の影響だそう。

▲ボルネオ島の森が眼下に広がっています。

▲山頂に向かって続く道

見晴らしの良い場所を抜けて、またジャングルの森に戻るとようやく「1.5km」の看板が出てきました。まだまだ、先は長い!

坂道はものすごく急になったり、少し緩やかになったりを繰り返します。熱帯雨林の中は暑いから、上り坂は本当に大変。

▲食虫花ウツボカズラ。まだ小さい。

11時45分に、ようやく3km地点に到達しました。標高は2455m。出発から600mも上がったことになりますが…今日は標高3300mまで登るのであと900mぐらい残っています。まだ半分も行ってない😂

道はきちんと整備されていて、斜面がきついところは木の階段になっています。緩急はありますが、ひたすらこんな階段を登り続けます。

目の前をボッカのお兄さんが登っていきます。野菜などの食べ物を運ぶ人もいれば、板や断熱材を運ぶ人も。板には27と書いてあって、どうやら27kgの重さがある様子。みんな息も荒く、両手と頭で荷物を支えながら登っていきます。板は木の枝や通りすがりの人を避けるのバランスが必要で、そのたびに力を使う。靴は普通の靴だし、本当にたくましい方々です…

4km地点から山小屋(Pandant Hut)まで

12時30分に4km地点(標高2702m)の「Layang-Layang Shelter」の休憩所に到着しました。歩き初めて3時間。ようやく、お待ちかねのランチタイムです!休憩所はランチをとる登山客でいっぱいです。

ツアーでもらったランチボックスを開けてみます。りんご、サンドイッチ2パック、チョコ、ゆで卵。「やった!パンだ!」と喜びましたが、サンドイッチのパンはパサパサ。そして具はチーズだけ。それが2パックありました。頑張って1パック半食べたけど、お腹がいっぱいになって完食を断念。せめて2パック目はハムにしてくれればよかったのに…😅

お腹はいっぱいになって、エネルギーの補充も完了して、再び、登り始めます。また階段。今度は岩の階段です。

木の雰囲気が変わって、少しだけ低くなってきたように思えます。ここで食虫植物の「ウツボカズラ」の群生を発見しました。

登山道を進むと1枚岩ぽいのが壁が立ちふさがりました。ここを登って先に進みます。

14時半。出発ゲートから5km地点に到着。
ようやく、3000mこえました!ここで小屋まで、あと1kmです。

外国の登山客は、かなり身軽な格好で登っています。ポーターに荷物を預けている人もいるし、リュックも20リットルぐらいで、靴もスニーカー、半袖、半ズボン。ストックも1本もちの人が多かったです。

また少し木が多くなってきました。ここでの植生は日本と似ているので違和感はあまり感じません。ただ、3000mを超えてもこんなに木々が生えていて、温度もかなり高いというのは驚きでした。

高い建物が見えてきました。
その向こうに山頂らしき岩山が雲の向こうに見えます。やっと、山小屋に着いたようです!

更に上がっていくと「Laban Rata Resthouse」が見えました。食べ放題のビッフェがあるので有名な山小屋。今日の夕飯はここで食べる予定です。私達の宿泊する山小屋もっと上なので、さらに階段を登り続けます。

この緑色の小屋は作り途中です。地震で壊れたので作り直している様子。板や断熱材を運んでいいたのは、この小屋を作るためだったんですね。

私たちの泊まる小屋が見えました…でも、そこまでの階段の長いこと。この階段を見て「えーっ!もう登れな〜い」と思わず叫んでしまいました。

15時30分。ゲートから6kmちょっと。標高3319mの「Pandant Hut」に到着しました!今日の登りはここまで。やっとゆっくり休憩できます!いや〜長かった。高い山だった。

小屋でのんびり。ビッフェスタイルの夕食。


▲山小屋の受付はこんなかんじでキレイです。

小屋の中は清潔感がありました。部屋は二段ベッドで寝袋が置いてあります。まだ到着している登山客が少なかったのでベッドは一段目を確保しました。

山小屋のトイレも水洗ですし、トイレットペーパーも完備。顔を洗ったり、歯を洗ったりできる洗面台もちゃんとあります。水が豊かだからでしょうか、日本以上に水周りの設備はちゃんとしています。

▲寝る場所。べットの上に寝袋が並んでいます

▲山小屋の食堂兼談話室

山小屋では明日のヴィアフェラータ(岩登り)の講習を受けます。この山小屋に泊まる人はどうやら、ヴィアフェラータ参加者だけのようでした。日本人は自分たちだけでした。

ヴィアフェラータは、ハーネスをつけ、ロープでつないだカラビナを、岩場の金具とワイヤーにつないで安全を確保しながら岩場を登っていくアトラクションです。英語で登山とヴィアフェラータの説明を受けたのですが、英語が苦手な私はなんとなくしかわかりませんでしたが、まぁ大丈夫そう…😅 ロープワークは実践で練習できるので、なんとなく理解することができました。

▲山小屋の壁にはヴィアフェラータの写真や証書などが飾られていました。

講習を1時間ぐらい受けた後は、楽しみだったディナーの時間です。長い階段を降りて、夕食のある「Laban Rata Resthouse」に向かいます。

▲夕飯のためにここの登り下りは大変です…

▲振り返ると雲間に明日登る予定の山頂の岩場

食堂は人でいっぱいです。マレーシア人。韓国人。中国人。欧米人。日本人は、私たち以外いませんでした。意外に日本人が少なくてびっくりしました。

キッチンの周りのカウンターから、野菜や、おかず、ライス、パスタ、果物などを好きなだけいただけます!なんて高待遇な山小屋でしょう。

マレーシアのご飯は中華ぽいので、野菜の炒め物や焼きそば、肉炒めなどは日本人にとっても馴染みのある味。ラムだけはちょっと匂いがあったけど、料理はどれも美味しかったです。

窓の外はすっかり夕焼け。食堂のベランダからキナバル山の頂きが見えます。
一枚岩が覆っている山頂。明日、あそこまで登るのかと思うと楽しみです。

麓から雲がもくもく立ち上ってきます。
どうやら街は雷、スコールの様子です。雲に夕日が反射して赤く染まりました。

ご飯が終わって、寝場所の小屋に戻ります。明日は朝2時起床。2時半には出発する予定だそうです。小屋のラウンジで、少し甘いカフェオレ(お湯、水、コーヒー、紅茶は飲み放題)をいただきながら時間を過ごし、少し早めに就寝。

夜中…ものすごい雨と、雷の音で目を覚ましました。夢うつつ、ここまできて、明日山頂に登れなかったらどうしようと不安になりながら、また眠りました。