今年の夏はジャンダルムにチャレンジすることにしたので、長く岩稜を歩くトレーニングとして、赤岳に行ってきました。
真教寺尾根を登って県界尾根を下る日帰り赤岳です。天気は残念ながら雨、しかも強風予想…。でも、今回の登山の目的はトレーニングなので、雨でも風でも、頑張っていってきます!
【行程】
往路:JR小淵沢→[レンタカー]→清里前泊→[レンタカー]→美し森
行程:美し森駐車場(4:40)→美し森(4:50)→羽衣の池(5:10)→清里テラス(5:43)→牛首山(6:40)→八合目(18:30)→赤岳山頂(9:10)→赤岳頂上山荘(9:15/9:30)→大天狗(10:45)→三合目(11:25)→登山口(12:30)→美し森(13:00)
復路:美し森→→[レンタカー]→パノラマの湯→→[レンタカー]→JR小淵沢駅
【赤岳】
長野県、標高2899m、八ヶ岳連峰最高峰、百名山。酸化鉄で赤茶けた山肌から赤岳と言われるそうです。
美濃戸口から登るコースがメジャーですが、今回は真教寺尾根から登って、県界尾根を下る日帰りのコースを歩きました。
登山レベル:★★★★☆ 中上級 (距離が長く時間がかかり、途中岩場や鎖場があるため)
美しの森から真教寺尾根へ
前日に清里のペンションに宿泊し、朝の4時過ぎに宿を出て、4時半に登山口である美しの森の駐車場に到着しました。
薄暗い朝方、あたりは霧に包まれ、何も見えません。天気予報は雨と強風。不穏な空気です。
身支度を整えて、4時40分に赤岳に向けてスタートします。
駐車場から階段を登って、美しの森展望台へ。美しの森展望台へは長い階段が連なっています。まだ新しい感じの木の階段です。
当然ですが、こんな天気の日に早朝から訪れる人はおらず、自分たち以外の人はいません。
階段をひたすら登って10分ほどで、美し森の展望台に到着。
ここも霧がたちこめて真っ白で何も見えません…幸いなことに雨は降っておらず、風も強くなく、視界がないこと以外、コンデションは良好です。
美し森からはしばらくは散策路、草木が生い茂る道をゆるく登っていくと、「羽衣の池」という場所にでます。
めちゃくちゃ草に覆われているからどこに池があるのか、わからない…
池の横を歩いていくと、草の下にちょっとだけ池らしき水たまりが見えました。
羽衣感はまったくない、池というか水たまりみたいな感じ。
この後は登山道入り、羽衣の池から30分上り坂が続きます。
早朝なのに、湿気がすごくて暑い…。
頑張って登っていくと、ロープウエイの駅に到着します。
どうやらここが、「清里テラス」らしいですが、まだ早朝ということで人の気配はまったくなく…
ただ、テラスの向こうは雲海が広がっていて、その上に山が連なっているのが見えました。
晴れていればさらに見晴らしがよさそうです。
雨と風の中、真教寺尾根を登る
その先は、赤岳へと向かう登山道に入っていきます。
歩いていると、パラパラと雨が降ってきます。厚い雲が行く手を覆っていて、どこに赤岳があるのかわかりません。
ただ、道は樹林帯、小雨であれば濡れないので、レインウエアは着ずにそのまま登山を敢行しました。
時折ごーっと強風が吹いてきます。
牛首山(五合目)に到着したのが6時40分。登り始めて早くも2時間です。
5合目まで着たところで、少し休憩。
朝ご飯を食べすに登っていたので、ここでエネルギーを補給します。天気も悪く、今年初めての高山だけあって、頭が重たい…。暑さもあって食欲もいまいちですが、食べないと元気が出ない!
ご飯を食べていると、先を歩いていたソロの男性が戻ってきました。
雨も降っているし、上空では風がごうごう音を立てているので、心配だから撤退するとのことでした。
私達も少し悩みましたが、天気予報で雨は小雨のままだったので、行けるところまで行ってみることにしました。
この先は上だけレインウエアを来て、先に進みます。
しばらくは岩場もなく、「どこが真教寺尾根なのかな?」と思いながらが、樹林帯をひたすら歩きました。途中、強風の場所もありましたが、風向きだったり、木に覆われたりで、歩けないほどではなかったので、そのまま先に進みました。
登っている途中で、ニホンカモシカに遭遇しました。八ヶ岳で会うのは久しぶり。
朝ご飯中で、人間が近くにいてもお構いなし。ひたすら草木を食んでいます。
かなり近くにいたんだけど、逃げる素振りもありませんでした。
少し登山道が急になってきた…と思ったら、今までほとんどいなかった登山者達が、鎖場を前に並んでいました。
ここからが、いよいよ「真教寺尾根」の真骨頂である岩場です。
最初からいきなり急な岩場を鎖を伝って登っていきます。楽しそう〜テンションあがる!
鎖は長く、三段…ぐらいに連なっています。
必然的に岩場も長いのですが、足場がちゃんとしているので、鎖がなくても登れます。
(下る場合は鎖を使うとよさそうです)
この長い鎖場を登りきると、松と木立の中に「八合目」の看板が見えました。
だいぶ赤岳に近づきました。心配していた風はほとんどなく、雨も小降りなので登山に支障はありません。
八合目から九合目までも、岩場の登りが続きます。
標高が上がってきて、天候も悪いためか(低気圧のせい?)、体がすごく重く感じて、急坂を登るのに苦労しました。
多分、今期最初の標高2500m以上の登山のため、まだ高所に慣れてなかったのかもしれません。
なかなか体が前に進まないなーとか思いながら、急な岩場を一生懸命のぼっていきます。
途中、岩の間に花が咲いていて、ちょっと癒やされました。
天気が悪くて景色が見えないときは、花でカバー。足元の花を見ながら、岩場をガッツリ登っていきます。
九合目から強風雨の赤岳山頂へ
真教寺尾根の岩場を登って、8時50分に九合目に到着しました。
真っ白で何も見えませんが、赤岳山頂はすぐそこです。赤岳の赤茶けた岩肌が目立ってきます。
霧の中に赤岳尾根道の分岐の標識が見えました。赤岳直下の尾根に到着したようです。
尾根に出ると風が強くなりました。風とともに雨粒も強く飛んできます。
この状態で山頂まで行けるかなーと不安になりましたが、風向きによっては岩陰に入るので、山頂まで進むことができました。
9時15分、ようやく赤岳山頂に到着しました。
さすがにこの天気の中、登っている人は少なく、いつも渋滞している赤岳山頂は閑散としています。
しかし、山頂はやっぱり風が強い…。レインウエアの下を履いてなかったので、雨で濡れたところに強風があたり、一気に体が冷えます。
やばい…低体温症になる前に、避難!ということで、赤岳頂上山荘へ逃げ込みました。
赤岳頂上山荘に入って、まずは濡れた体を拭いて、レインウエアを着させていただきました。
温かいものを飲んでも良かったのですが、売店に売っていた手ぬぐいが可愛くて、つい買ってしまいました。
切り絵作家後藤郁子さんデザインで、今年は夜をイメージしたものを第二弾で販売したそうです。
さきほど、カモシカとの出会いもあったし、いい記念になりそうな手ぬぐい♪
県界尾根を下山
レインウエアを着込んで準備万端で、下山を開始します。
帰りは「県界尾根」を下っていきます。
ここが、雨で濡れている上に、崩れかけたいや~な感じの斜面が続いています。
ザレた滑りやすい足元、鎖がかかっているのがありがたい…。
細い梯子もかかっていて、場所によっては梯子がなくても下りれるのですが、雨で滑りやすいとなると、梯子を伝って下りていくほうが安全なところもいくつかありました。
岩場、鎖場は真教寺尾根より長くて多かったと思います。
やっと普通に登山道になったな、と思ったのは、五合目に到着したあたりです。
県界尾根のほうが道が悪く、歩きにくいと感じました。
その後は下り坂と平坦な道を繰り返しながら、登山口に向かって下りていきます。
ここまで来ると、風もなく、雨もやみ、穏やかな森の中を歩くことができました。
しかし、県界尾根は、穏やかな道になってからが長い…。
草木に覆われた樹林帯をひたすら歩いていきます。
11時半に三合目に到着。そこから、美し森の駐車場までは1時間半かかりました。
笹に覆われた道を歩き、沢沿いに出て、沢の音を聞きながら、人気のない森の中を歩き続きます。
12時半に舗装された道に着きますが、ここから駐車場まで30分、舗装道を歩きます。
すでに8時間歩いているので、足が疲れてきました。膝もちょっと痛い…。
真教寺尾根と県界尾根の日帰り赤岳は行程も長いし、かなりハードです。
13時過ぎに、やっと駐車場に戻ってきたときは達成感はあったものの、かなーり疲れていました。
甲斐大泉駅の近くにある「パノラマの湯」という温泉施設に立ち寄り、汗と疲れを流しました。
天気がよければ、八ヶ岳、南アルプス、遠くに富士山の大パノラマが眺められるそうですが、今回は真っ白で何も見えませんでしたが、お風呂の入れば疲れもスッキリ。
今回の登山は、調子がいまいちでしたが、元気が回復しました。
トレーニングでチャレンジした日帰り赤岳ですが、なかなかタフなルートで、歩き甲斐はありました。
岩場が多かったので楽しかったのですが、県界尾根がの最後の歩きが長かった!
とはいえ、天気がいいときにまた歩いてみたいと思います。