【雪山登山】赤岳鉱泉泊で雪の赤岳へ

八ヶ岳・中央アルプス

ずっと憧れていた雪の赤岳登山にチャレンジしました。2月の週末は今期最強寒波で、東京は降雪予報。赤岳の天気予報は曇り時々小雪で、マイナス15℃!風は強くないものの15mとの予想。果たして登頂できるのか?と思いつつ、まずは赤岳鉱泉の小屋を目指しました。

【アクセス】車にて美濃戸口、赤岳山荘まで
【行程】
1日目:赤岳山荘(9:30)→赤岳鉱泉(12:30)
2日目:赤岳鉱泉(6:35)→行者小屋(7:15)→文三郎尾根→稜線分岐(8:45)→赤岳山頂(9:25)→地蔵の頭(10:00)→行者小屋(10:00)→赤岳鉱泉(12:00/12:40)→堰堤広場(13:20)→赤岳山荘(13:50)

今回の雪山装備

・ハードシェル、ハードシェルパンツ、スパッツ(モンベル)
・(上)ファイントラックドライレイヤー、メリノウール中厚手セーター、
薄手フリース、ファイントラックポリゴンULジャケット
・(下)モンベルスーパーメリノウールタイツ(厚手)、登山パンツ(中厚手)
・雪用登山靴(ROWA)、12本爪アイゼン、ピッケル
・手袋はニトリル+ウール手袋(LACKNER)+オーバーグローブ
・バラクラバ、ネックウォーマー
・サングラス、ゴーグル(稜線手前でゴーグルに変更)
※赤岳鉱泉まではチェーンスパイク(途中まで)と、ストックを利用
※赤岳鉱泉までの登り、文三郎尾根の途中の稜線手前までは薄手のフリースは着ないで3枚重ね。
稜線に出ると風が強く寒いため薄手のフリースを着用し4枚重ね。
※寒波でマイナス10度以下が予想されたため、寒さ対策でハクキンカイロ、マグマカイロ、靴下用カイロを両足の靴下上に貼りました。

YAMAPの行程
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1日目:赤岳山荘から赤岳鉱泉へ

今回は車で行ったため、美濃戸口から1時間程度の林道歩きをショートカットして、赤岳山荘に駐車できました。
バスで行くことが多かったので、いつも歩いていた道を車で行けるのはありがたい!

小雪が降る中、駐車場で身支度を整えます。雪山登山靴に履き替えて、ハードシェルを着て、オーバーパンツに履き、スパッツをつけます。今回はニトリル手袋を初めて導入してみたので、ニトリル手袋にウール、オーバー手袋を重ねました。
しばらくは林道歩きなので、これも今回初のチェーンスパイクを装着し、慣れるためにピッケルを持ちます。
いざ、赤岳鉱泉にむけて出発!

林道や平地などはいつも登山靴のまま歩いていたのですが、チェーンスパイクを履くとめちゃくちゃ歩くのが楽!
これは大発明!と思って、ルン♪と歩いていたら、同行していた先輩から「チェーンスパイク外して」と。なぬ〜。
先輩いわく「歩く練習にならない」そうです。(だったら持って来いって言わないで〜w)

雪の下を川が流れている。きれいな雪景色です。
雪の下を川が流れている。きれいな雪景色です。

寒気が来ているので、天気は曇りで小雪がちらついていてます。さぞかし寒いかと思っていたのですが、赤岳鉱泉まではそれほど寒くなく、ハードシェルの下は3枚(ベースレイヤー、ウール、ポリゴンUL)を重ねただけで十分でした。登りはこれでも汗をかいてしまうほど。

美濃戸口自体、随分久しぶりで、懐かしいな〜と思いながら、美濃戸山荘、堰堤広場を越えて、川沿いを進みます。
雪の積もった岩の隙間を川が流れていて、その上を橋がかかっています。何度も橋を渡って川を右に左に進んでいくこと2時間程度で、赤岳鉱泉のアイスキャンディーが見えてきました。赤岳山荘から出発すれば鉱泉までは、結構あっという間です。

小雪がちらつく中、沢沿いの木道を歩きます。
小雪がちらつく中、沢沿いの木道を歩きます。

橋を何回か渡ります。すべらないように注意!
橋を何回か渡ります。すべらないように注意!

赤岳山荘のアイスキャンディーが見えてきました。
赤岳山荘のアイスキャンディーが見えてきました。
以前より大きくなった気がする…?

雪質も良かったため難しいところはそれほどなく、無事に登山靴の歩きのまま赤岳鉱泉に到着しました。
12時半…ちょっと早いのでアイスキャンディーを試したかったのですが、シングルロープを持ってこないとだめとのこと、諦めてのんびり小屋で過ごすことに。17時の夕ご飯まで、飲んだり、食べたり…うーん、今日は摂取カロリーの方が多いな。

赤岳山荘に到着。今日はここまで
赤岳山荘に到着。今日はここまで

赤岳鉱泉の部屋にこたつが設置してあり、部屋は寒いのですが、そこに潜り込んで暖をとりました。
廊下には強力な(バズカー砲みたいな)ボイラーがおいてあって、熱風を流していましたので、そこで濡れたものをしばらく風に当てて乾かしました。

今回初めて使ってみたニトリル手袋ですが薄手で保温にもなるし、ウールの手袋が濡れないのがGOOD。
でも防寒になるほどではないので、温度の低いところでは作業するには適してないです。あとニトリル手袋でジッパーを上げ下げするとジッパーにニトリルが挟まれることが数回ありました。
また、手袋を外したときに、噂通り自分の汗で手がムレムレになっていて、ふやけていましたw
ですが、手がしっとりするのでw、お肌にいい!

赤岳鉱泉の部屋。こたつがあります。
赤岳鉱泉の部屋。こたつがあります。

17時、夕ご飯の時間です。赤岳鉱泉名物のステーキ!!
野菜スープにサラダもついていて、女子にも嬉しいビタミンと、タンパク質のスタミナご飯です。
お菓子でお腹いっぱいになっていたのに、見た目と肉の焼ける匂いに食欲をそそられて完食!
明日は赤岳に登るのでスタミナ大事ってことでw

赤岳鉱泉の晩御飯。野菜もフルーツもたっぷりついている!
赤岳鉱泉の晩御飯。野菜もフルーツもたっぷりついている!

名物のステーキ。いつもこれが楽しみ!
名物のステーキ。いつもこれが楽しみ!

夕ご飯のあとは明日の準備。デポする荷物と持って行く荷物を選り分けて、明日の寒さ対策を考えます。
寒がりで、末端冷え性の私。大丈夫だろうと思いつつも念の為、厚手のフリースと、ダウン上下を持っていくことにしました…。
(結局、着ませんでしたが…)

飲水は赤岳鉱泉宿泊者は無料でもらえますが、お湯は100円で買います。時間が決まっていて、夜は20時まで、朝は6時15分からの販売です。結局、メンバーがガスとジェットボイルを持っていたので、お湯は夜のうちに沸かしてテルモスに入れました。

消灯は9時でしたが、明日に備えて8時ぐらいに就寝。
こたつが一晩中付いていたので、足を突っ込んで寝ました。途中暑くなって出たり入ったりしながらもよく寝ることができました。

赤岳鉱泉から行者小屋、文三郎尾根を登る

翌朝は4時半ぐらいに目が冷めて、外を見るとまだ真っ暗。時折外を通る人がいて、ヘッドランプの明かりに雪が舞っているのが見えました。風の音はしないので、小雪がまだ降り続いているようです。

朝ごはんに持ってきたパンを食べて、赤岳に登る準備を整えます。
ハーネスを付けて、スリング、下降器、環付カラビナなどセットします。寒さと強風が予想されるので、バラクラバを被って、さらにネックウォーマーをして、ヘルメットを被りました。
朝一番で寒いと思い、上は4枚重ね(ベースレイヤー、メリノウール、ポリゴンUL、薄手フリース)にして、カイロはハクキンカイロ右のポケット、マグマカイロを左のポケット、足用カイロを両足の甲に貼りました。
手袋は昨日と同じニトリル+ウール+オーバー手袋。

6時半、周囲は明るくなり、小雪が舞っているのがわかります。空はどんよりと曇っていますが、風は無風。
12本爪のアイゼンを装着し、ピッケルを持って、いざ赤岳に向かって出発です。

行者小屋まで行く途中、峠になっているので、そこまではゆるやかな登りです。
でも登り始めるとすぐ暑くなったので、薄手のフリースを脱ぎました。朝でもそれほど寒さは感じません。

30分後に行者小屋に到着。行者小屋は営業していませんが、テントが2張ありました。
凍ってる!寒そう~。大寒波の中でのテント泊は厳しそう…

赤岳鉱泉から行者小屋までは最初は登りです
赤岳鉱泉から行者小屋までは最初は登りです

行者小屋は営業していませんが、テントを張っている人がいました
行者小屋は営業していませんが、テントを張っている人がいました
行者小屋で装備を整えて、いざ登り開始!
行者小屋で装備を整えて、いざ登り開始!

ここで再度装備を整え、いざ文三郎尾根を登っていきます。
雪もやんで風もないので、登山のコンディションとしては悪くない。
最初は、樹林帯の中を進みます。ゆるい上り坂ですが、新雪が積もっていて、歩くのが疲れます。
歩いている途中、曇り空の中にうっすら雪の阿弥陀が見えてきました。
凍り付いた山肌、迫力があります。

途中から道はさらに急坂になってきました。
急斜面ではアイゼンの爪を雪に突き刺すようにして登っていきますが、これが足の筋力を使ってキツイ!
最初はふくらはぎ、次に太ももの筋肉がピキピキと音を立て、寒さと疲労で足が攣るのではないかと心配に。
帰ったら、絶対筋トレして鍛える!じゃないと雪山の急登は登れない…と思いながら、必死に登ること1時間…
赤岳の岩稜と、中岳との稜線が見えてきました。

曇り空の中に阿弥陀がうっすら見えました
曇り空の中に阿弥陀がうっすら見えました

霧氷の樹林帯を登っていく
霧氷の樹林帯を登っていく

文三郎尾根を登っていく。雪が積もった急斜面がきつい
文三郎尾根を登っていく。雪が積もった急斜面がきつい

稜線から赤岳山頂へ

稜線に出る前に、少し風が強くなってきました。寒いと思ったので、さきほど脱いだ薄手のフリースを着ることにしました。
ここでサングラスからゴーグルに変えたのですが、一度ゴーグルを使っていたのでガラス面が凍り付いていて、何も見えない~!
ゴーグルは一度つけたら最後まで外さない。また髪の毛や自分の吐く息が入らないようにぴっちりとつけること!
というのを学びました。
凍り付いた部分をマグマカイロで拭いたところ、なんとか見えるようになりました。
隙間がないようにぴっちりつけて、風が強い稜線に出る準備ができました。

さらに急登が続きます。登っていると足がつらい。息も上がるが、ゴーグルやらバラクラバやらヘルメットやらフードやら、なにしろ顔回りが不自由すぎて、顔や頭が動かしにくい。視界も不良…。風も吹いてきて、ピッケル持つ手が冷たくなる。
も~、雪山なんか二度と来ない~!
と思いながら、必死で登ります。

そして10分ほど進んで、ようやく赤岳と中岳を結ぶ稜線に出ました。
右手に雪と氷の中岳と阿弥陀岳、左手に赤岳の岩稜。
おお・・・ここまで来れた!赤岳はもうすぐそこ!一気にテンションが上がります。
思ったよりも風がなく、雪もやみ、うっすら晴れてきて、コンデイションは良好。

稜線までの文三郎尾根の最後の急登
稜線までの文三郎尾根の最後の急登

分岐から雪の中岳、阿弥陀岳を望む。
分岐から雪の中岳、阿弥陀岳を望む。

赤岳へ岩を登り始めます。角度によって風が強く吹きます。
すぐに指先が冷えて感覚がなくなってきました。脇に手をいれると温まると聞いたので脇に手を入れたり、両方のポケットにいれたカイロ(ハクキンカイロが本当に温かい!)をハードシェルの上から抑えるとじんわり温まってきました。
手を握ったり開いたりしながら、指先に血をめぐらせ、ピッケルと握り直ます。
岩と岩の間にピッケルと突き刺しながら(場所により、ラガーポジションで持つそうです…)、雪をかぶった岩をよじ登り…
着いた!赤岳山頂!

おりしも背後から太陽の光が差し、うっすら青空に。太陽でじんわりと背中が温かくなり、視界が開けました。
山頂の祠に向こうに白い阿弥陀岳がキレイに見えます。
険しい中、登ったからこそ見れる絶景に感動!
雪山、まだ頑張る気になりました。

赤岳山頂に来ました!阿弥陀がきれいに見えた!
赤岳山頂に来ました!阿弥陀がきれいに見えた!

登頂を祝福するように、太陽の光が差し込みました!
登頂を祝福するように、太陽の光が差し込みました!

地蔵尾根を下り、赤岳鉱泉へ戻る

赤岳山頂を降りて、頂上山荘の影で風をよけながら、テルモスのお湯を飲みました。ゴーグルとバラクラバでお湯がうまく飲めなくてこぼしてしまい、襟元が濡れてしまいました。これは凍っていまう…と慌てて拭きます。

赤岳の稜線を歩き、地蔵尾根へと向かいます。
思ったほど風が強くなく、道も歩きやすいですが、途中横が切れ落ちているところもあるので、慎重に歩きます。

地蔵尾根の下りも急坂。途中、金網の階段が雪の中から顔出していて、アイゼンをひっかけないように気を付けて進みます。
階段もあって手すりやロープをもって下りますが、手すりがないところもあって、うわっ!滑った!
でも、新雪だったのですぐに止まってセーフw

緊張する下りを終えて、樹林帯に入れば行者小屋はすぐそこです。

行者小屋まで戻ってきました
行者小屋まで戻ってきました

少しだけ天気が回復
少しだけ天気が回復

行者小屋でちょっと休憩。ここでようやく一息ついて、緊張感が緩和しました。
地蔵尾根を下りる最中、首筋が攣って頭が痛かったのですが、ここでフードも外し首をストレッチしたら、攣りは無事解消。
おなかが減ってきたので、朝ごはんの残りのパンを食べて、お湯を飲みます。
エネルギーをとると体があったまってきました。

行者小屋からまた30分弱で赤岳鉱泉へ戻りました。
鉱泉に着いたら、ほぼ12時。おひるごはんの時間!
いったんアイゼンなどの装備を外して、赤岳鉱泉の食堂に入り、味噌ラーメン(1000円)を注文。
すぐにアツアツのラーメンが運ばれてきました。
冷え切った体に温かく、塩味が染みる~。おいしい~。やっぱり山小屋のラーメンは最高です。

赤岳鉱泉で味噌ラーメン頂きました♪あたたか~い
赤岳鉱泉で味噌ラーメン頂きました♪あたたか~い

赤岳鉱泉からは、ピッケルをストックに持ち替え、アイゼンも外して歩きます。
八ヶ岳の森の中、昨日降った新雪がふかふかで気持ちよく歩くことができました。
八ヶ岳山荘までなので1時間ちょっとの歩行で到着、ここで赤岳登山は終了です。

今回は念願だった雪の赤岳に登頂できて、とても大満足。
曇りでしたが風が弱かったので、寒波の中でもなんとか登れたのかなと思います。
登りは、やっぱりきつかったけど、今度は青空の下で赤岳山頂に行って、阿弥陀岳を見たいなと思うのでした。