【涸沢テント泊 Day2】ザイテングラードを経て奥穂高岳と涸沢岳へ

奥穂高から槍ヶ岳
北アルプス

朝は雲が多かったものの天気は晴れ。奥穂高岳のピークハントを狙って早朝から登り始めます。ザイテングラートの急な岩場を超えて穂高岳山荘、奥穂高を目指します。

【奥穂高岳】
標高:3190m、長野県・岐阜県、日本百名山
日本で3番目の高さの奥穂高岳。穂高連峰は北穂高、前穂高、涸沢岳からなります。色々なルートで穂高にはいけますが、涸沢に泊まっての一番スタンダードなコースで奥穂高へ登ります。涸沢からの標高差は1500mほど。

【涸沢岳】
標高:3110m 長野県・岐阜県、花の百名山
涸沢カールの上にそびえ立つ三角錐の山。穂高ばかり目立つけど、涸沢岳も3000m越えの高山です。カールの紅葉は有名で秋のテント場は人で賑ます。

【登山レベル】
中上級:★★★★☆ 両山とも日帰りできず、2〜3日は必要になります。奥穂高は岩やはしごをよじ登るところもあるので岩場に慣れていたほうがよさそう。

【全行程】
往路:東京→[車]→沢渡駐車場→※駐車場で仮眠
1日目:沢渡駐車場→[タクシー]→上高地バスターミナル→河童橋→明神池→徳沢→横尾→涸沢ヒュッテ ※テント泊
2日目:涸沢ヒュッテ→穂高岳山荘→穂高岳→穂高岳山荘→涸沢岳→穂高岳山荘→涸沢小屋→涸沢ヒュッテ
3日目:涸沢ヒュッテ→横尾→徳沢→明神館→河童橋
復路:上高地バスターミナル→[タクシー]→沢渡駐車場→[車]→東京

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涸沢から穂高岳山荘へ

2日目の朝です。予想通り、斜めの地面にテントを張っていたので、寝ている最中に体がずり落ちて這い上がって…を数回繰り返していましたので、ちょっと寝不足ぎみかもしれません…

朝の涸沢。色とりどりのテントが山の裾野に散っている

朝ごはんをささっと食べて7時に登山を開始します。
登山口はテント場と涸沢ヒュッテの間ぐらいにあります。この標識をみて「奥穂高岳」へと進みました。

いきなり岩がゴロゴロしている道になったので、登山道を慎重に探りながら進みます。(まあ、岩に方向が書いてあるので、道を間違えることはないですが…)

テント場の中から奥穂高岳への登山道の入口あります
奥穂への道案内がありました。岩場で道を見失いやすい
テント場を抜けて山道に

今日は標高差1500mぐらいあります。でも荷物はアタックバックに水と行動食と防寒具ぐらいなので、昨日よりも身が軽い。荷物が少ないと、登山もだいぶ楽ちんです。

ごろごろと岩の転がる山肌。この上に登ります
涸沢小屋からの道と合流点。登山道を歩く人の列がすごい

太陽が高く登ってきて、青空が広がりました。山の岩の間に茂る草が黄色くなっていて、少し紅葉しているようです。空の青にそびえ立つ山肌も光を浴びてくっきりきれい。

太陽が差し込んで一気に周囲が明るくなりました
青空に山の岩肌がきれい。少しだけ草紅葉している
急な岩場を登っていきます
涸沢ヒュッテが眼下に見えます。だいぶ登ってきました

岩場の急登ザイテングラードの手前のスペースで、登山客が一息ついています。私達もここでひと休みして、エネルギーを蓄えます。

ザイテングラートの取り付き手前でみなさん休憩
この岩場を越えます。登っている人が岩の間に見えます

ここからがザイテングラード、岩よじのぼって進むことになります。岩を超え、はしごを登り、一気に高度をあげていきます。高度もあがると、酸素も減るので、ちょっと登るだけで息があがります。

岩をよじのぼって進みます。
鉄梯子も何箇所かあります。
穂高岳山荘まであと20分…
そこで上を見たけどまだ小屋は見えない。急な山肌だけ…
おお。ようやく小屋が見えた!あとちょっと!
やっと小屋につきました。おつかれさま…ここでひと休憩。

穂高岳山荘から奥穂高岳へ

急登を登って穂高岳山荘に着いて、一息ついきます。山荘はほぼ3000mの標高のところにあるので、空気が冷たく、すぐに汗が冷えます。

穂高岳山荘の目の前には高い岩の壁がそびえ立っています。見てみればその壁にへばりついている人の列が見えます。そう、奥穂高岳にいくのは、この岩壁を越えていかなくはならないのです。

穂高山荘の前にそびえたつ岩山。
奥穂はこの壁を越えて更に向こう

私達もこの岩山に登りはじめたのですが、登る人と降りる人のすれ違いで岩山の壁で待つこと数分を何回も繰り返しました。特に日陰になったところで渋滞待ちをしていると、冷たい空気にさらされた体が冷え切って、手足がかじかんでしまうほど。

ほぼ垂直の岩壁を登り始めました。穂高山荘が下に見えます
眼の前に三角形の涸沢岳
この岩壁はあとちょっとで終わり。
ここを越えるのに30分かかりました。風もあったし寒かった…
登る人とおりる人のすれ違いで時間がかかり渋滞に。
かなり待ちました…

垂直な岩山を越えて渋滞は抜けましたが、奥穂高までは岩稜の登山道が続きます。まだ気が抜けません。
でも3000mを超えた高さから見渡す北アルプスは絶景!晴れ渡った青空の下、山の展望は最高です。

奥穂高まではまだ登りが続きます
雲の上まできました!さすが3000m!
涸沢岳の向こうにぴょこっと槍の頭がみえた!

岩壁から15分ぐらいで奥穂高岳に到着しました。山頂には小さな祠がありますが、狭くて山頂写真を取る人の長い列がありました。

山頂で写真を取る人の待ち行列が…

並んでいる時間ももったいなかったので、私たちは山頂のちょっと下の岩場で山頂写真をとりました。
奥穂高から周囲を見渡せば、遠くに槍ヶ岳の頭が見えます。西穂高の方面には、ジャンダルムらしき細いギザギザ山の稜線が続いているのがわかりました。天気がよかったので360度の大パノラマです。

奥穂高の山頂に到着しました!
奥穂高から見る北アルプスの大パノラマ。
西穂高の方向。この先がジャンダルム。

景色に満足してから下山を開始します。ピストンで穂高岳山荘まで戻ります。コースタイムは往復で1時間ぐらいでしたが、人が多くて渋滞もあったので倍近い時間がかかっていました。

混んでいたので思った以上に時間をとってしまい、すぐに穂高山荘へ戻ります
あの岩壁を今度はおりていきますが、やっぱり混んでいるよぉ

涸沢岳へ

穂高岳山荘に戻ってみると時間は11時20分。本当は北穂高まで行こうかと思っていたのですが、時間に余裕がないのと、岩場の登りに体力を使ったのとで、涸沢岳だけ登って、ピストンで帰ろうということになりました。

11時半、奥穂高とは反対側、涸沢岳の急坂を登り始めます。足元は岩がゴロゴロと転がる岩稜帯。滑らないように気をつけながら進みます。

次のピークハントは涸沢岳。
穂高山荘から200mほど登ります
涸沢岳を登りつつ、今度は奥穂高のほうを望みます
涸沢岳は岩が転がる足元の悪い岩場を登ります

11時50分、標高3110mの涸沢岳山頂に到着しました。この時間になると少し雲があがってきて、槍ヶ岳の方面は雲に覆われています。振り返ると奥穂高の山頂も雲に覆われてきました。

山頂到着!
雲が増えてきてしまったけど、北穂高の方向
穂高連峰は岩の殿堂っていうほど、岩山。

山頂でお昼ごはんを食べてから、北穂へのルートを偵察しにいきました。ルートになっている道を上から見下ろしてみたら、ほぼ垂直の壁をのぼってきている人の姿が。登り終わった人にどこが一番たいへんだったかを聞いてみたら北穂の方が大変だったと・・・ここから見ると、涸沢岳への登りも大変そうですけど。
時間も時間なので今回は下見のみで、次回は北穂から涸沢岳のちょっと難易度の高いルートにチャレンジしようと決めて、涸沢岳から穂高岳山荘へ下山しました。

北穂岳方面から登ってくる人たち。急な梯子をのぼってきている
次回は北穂からここまで歩いてみたい!

穂高岳山荘から涸沢へ下山

三度、穂高岳山荘を訪れ、小屋で山バッチを購入してから、涸沢へと下山を開始します。下山も人が多くて列になっていましたが、先ほどの岩山を登るほどの渋滞はありませんでした。

穂高岳山荘前の標識。
ザイテングラートを経て涸沢という方面へ戻ります
穂高山荘からおりていきます。人は相変わらず多いです
がれ場なので、転ばないように慎重におりていきます

午後3時、涸沢小屋へ戻ってきました。ここで今日の夜のお酒をちょっと買い足して、テント場へ戻ります。

涸沢小屋までおりてきました。テントの数が少なくなったかも。
涸沢小屋のテラスから、涸沢岳を望む

テント場に戻ったら、少しテントの数が減っていたので、もう少し平らな場所を探して、自分たちのテントを移動しました。無事によいスペースを確保できたので、今日はゆっくり寝れそうです。

本日の夕ご飯は、無印良品の「ロコモコ」と、アルファ米のエビピラフと、残っていた卵でロコモコ丼にしました。うーん、いっぱい歩いた体にハンバーグのボリューム感が嬉しい!

戻ってからはごはんタイム〜。
ロコモコ丼です!
今日の夜もテントがいっぱい。

今日も涸沢はテントでいっぱいでした。恐るべし9月の連休…
早くも明日は下山です。天気がもちますように。