大キレットを越えて、北穂高岳〜奥穂高岳〜前穂高岳をぐるりと一周する山旅の1日目の記録です。
上高地に早朝到着、一気に1600mほど登って南岳小屋に一泊しましたが、上高地の暑さとシーズン始めの、まだ山にも高度にも慣れてないいない状態での過酷な登山に、すっかり疲れ切ってしまいました…。
【アクセス】車にて沢渡駐車場 (駐車料金1日800円 ※0:00〜1日カウントされます)
【行程とタイム】※このブログは1日目の行程です。
1日目:上高地バスターミナル(6:15)→横尾(8:40/9:00)→槍沢ロッジ(10:40/11:00)→槍沢・天狗原分岐(12:50/13:00)→天狗池(14:00)→ 天狗原分岐(15:50)→南岳(16:15)→南岳小屋(16:30)
2日目:南岳小屋(4:00)→最低鞍部(5:00)→長谷川ピーク(5:35)→北穂岳小屋(7:00/7:20)→北穂高岳南峰(7:30)→ドームの頭(7:50)→奥壁バンド(8:10)→最低コル(8:26)→涸沢岳(9:05)→穂高岳山荘(9:30)
3日目:穂高岳山荘(4:15)→穂高岳山頂(4:55)→紀美子平(6:20)→前穂高岳山頂(6:45)→紀美子平(7:30/8:00)→岳沢パノラマ(8:30)→岳沢小屋(9:50/10:20)→風穴(11:35)→岳沢登山口(12:10)→河童橋(12:25)
【南岳】
標高3033m、北アルプス(長野県・岐阜県)。槍ヶ岳と北穂岳の間、日本で17番目の高さを誇る山だそうです。
大キレット越える、槍穂縦走や上高地から登る際に通っていく山ですが、高さ的に登りがいがあります。
【南岳小屋】
槍ヶ岳山荘グループで、南岳直下にある小屋。1泊2食1万6千円(2026年時点)
ここから眺める大キレットの痩せ尾根と、そこから続く岩稜の北穂高岳は景色は圧巻です。
夕ご飯はビッフェスタイルで、盛られたおかずを自分の好きなものを取って頂きます。
南岳小屋ホームページ >>

さわんど駐車場で車中泊、翌朝上高地へ
昨年企画するも雨で上高地で撤退した「大キレットとぐるっと穂高」の山旅。
今年は天候で事前キャンセルも想定入れて、車で沢渡へ入って駐車場で車中泊、早朝にバスで上高地に入ることにしました。
自宅を18時半に出発し、さわんどの駐車場に翌日0:00ちょっと過ぎに到着。0:00前だと前日分の駐車場料金もカウントされるので、到着時間としてはよい時間でした。
バスターミナル近くの第三駐車場に車を止めて、そのまま仮眠し、朝4時に起きて身支度を整えました。
沢渡〜上高地のバスは5時スタートだったので、4時40分にバスターミナルに行くと、バスチケットを買う人々で長蛇の列が!

結局、バスチケット(往復3000円)を買うまで20分かかり、上高地行きのバス待ち列にも並んで、さわんどバスターミナルを出発したのが5時45分となってしまいました。今日は行程が長いので、もう少し早く出発したかった…。
ところが、バスに乗っている人の半分以上は観光客で、大正池で7割方の人が下りていきました。バスは一気に空いて、上高地バスターミナルに着いたら、さわんどバスターミナルほどの賑わいはありませんでした。

上高地バスターミナルを6時15分に出発します。ここから上高地の林道歩きが続きます。
まだ観光客も少なくて、爽やかな上高地の森の中を行きます。
思ったより湿度があり、歩き始めるとすぐ暑くなってきました。


明神、徳沢を越えて、横尾に着いたのは8時40分頃。
今年から横尾に登山ゲートができていて、持ち物や体調をチェックされます。


横尾で少し休憩した後、槍沢ロッジへとさらに歩いていきます。
空は快晴、沢沿いの水の音を聞きながら、緑の中を進むのは気持ち良い!…のですが。
時刻は9時、まだ標高は低いままで蒸し暑さは増し、風の通らない樹林帯で、どんどん体感温度上昇><
槍沢ロッジまでの道のりは暑さとの戦いでした。





10時40分、槍沢ロッジに到着しました。
暑すぎて、もはや食べ物も喉を通らない、若干、熱中症気味の状態です。
槍沢ロッジの入口にあった「おつかレモネード」の看板が目に入りました。私が求めていたのはこれだっ!
…すぐに購入します。なによりも冷たい飲み物が欲しい〜。
しばらく待つと、レモネードが運ばれてきます。ガラスのコップになみなみと入った冷たいレモネード。
レモンははちみつ漬けになっていて、はちみつの甘味とレモンの酸味が汗をかきまくった体に染み渡ります。
ああ…美味しい〜生き返る…この先も歩ける気になります。
レモネードの他に売っていた「梓川ソーダ」は先程の川の水と同じ、美しい青色のソーダ。
飲んでいた人曰く、クエン酸?みたいなすっぱさがある味だそうです。



天狗池の槍ヶ岳の絶景!
レモネードで元気を取り戻したら、南岳に向けて再出発します。
温度はまだ高いですが、少しだけ体が冷えたので、なんとか前に進むことができます。

槍沢ロッジから30分ほど歩くとババ平の槍沢キャンプ場に到着します。
テントが7、8張立っています。日差しか強いのでテントの中は暑いのか、外で休憩している人もいました。
地面はフラットなので、テントが立てやすいようです。売店も併設されているので、飲み物やカップラーメンなども購入できるようです。

ババ平をすぎると谷間を、登山道沿いに歩いていきます。森林から出るので日差しは強いものの、時々風が吹いてきて涼しい瞬間がありました。また、午後に近づいてきたためか雲が多くなり、太陽を遮ってくれます。本来は晴れている方がいいのだけど、暑いときは曇が助かります…。

槍沢・天狗原分岐に着いたのは12時50分。暑かったので水飲み休憩を頻繁にとったため、少し遅めの到着です。
ここから、槍ヶ岳に向かう人は右手に、南岳に向かう人は左手に分かれ、より高いところへと登っていきます。
今回は私たちは天狗原を越えて、南岳に一気に登っていきます。初めて歩くルートなので楽しみ♪





分岐から反対側の山肌に移ると、槍ヶ岳が見えてきました。登山客の多くも、槍ヶ岳を目指して登っていきます。
南岳側に登ってくる人は、ほぼ私たちだけでした。
分岐から前方に見える山のほうへ登るのかと思いきや、一旦山を左側に巻き、天狗原へと入っていきます。
花に囲まれた快適な小道を越えると大きな岩が転がるゴーロになります。



ゴーロを登り切ると、雪渓があり、雪渓横を下っていきます。
雪渓の下に水たまりのような池があります。これが天狗池です。

池に槍ヶ岳が映る絶景が楽しめるのが、この天狗池です。
反対側に回ってみると、ちょうど雲が晴れてきて槍ヶ岳の全貌が池に映りました。
この景色、とてもキレイ!まさに絵になる槍ヶ岳の風景です。
池には登山客が他に1人いるだけで、とても静かな場所でした。ここは来る価値あり!です。

友人が持ってきてくれた桃をこの景色を眺めながら頂きます。
ジューシーなフルーツの甘みと水分、疲れた体を癒してくれて、景色が心を潤してくれました。

南岳への長くて過酷な登り
さて、本日の登山はここからが正念場です。
時刻は早くも14時…だんだん体が疲れてくる頃。岩場の連続する急登を南岳へと一気に登っていきます。


天狗池から30分ほどで、横尾根のコルと言われる場所に来ました。
視界が開けて、明日以降でぐるっと周る予定の北穂、前穂がよく見えます。…前穂遠い…あんなところまで本当に行けるのだろうか…。
頭上を見上げると、高い峰々が見えましたが、どれが南岳がわかりませんでした。
どれだかわからないけど、一番近い山が南岳であってほしい…。


その先もさらに岩を乗り越えるような、急登が続きます。
岩場を歩くのが大好きなのに、今回ばかりは疲れて足が上がらない。
考えてみれば、今回はシーズン始めの北アルプス。6月の週末は雨ばかりで山登りができずに、いきなり10時間以上、1500mの標高差を登る…体がハードな登山に追いついていませんでした。




長いハシゴを登っている時、ふと気づいた…この体の重さ、シャリバテじゃないかしら?
考えてみれば、槍沢ロッジでレモネード、天狗池で桃を食べたのを最後に何も食べてない。
ということで、ハシゴから下りてからすぐ、小休憩して、カロリーメイトのような栄養補給スナックを一口食べたのですが、全然喉を通らない…。これはシャリバテに+して熱中症にもなっているのかもしれません。

ハシゴを登ってから15分ほどさらに登っていくと、ようやく稜線が見えました。
きっとあれが南岳の山頂だ…と思って必死に登ったのですが、そこにあったのは「オツカレサマ」と書かれた道標のみ…。どうやら槍ヶ岳の方向からくる道との合流点のようです。
稜線の先にさらに高くそびえる山が…南岳はもっと先かっ!


稜線を南岳に向けて登っていきます。標高が上がって、晴れたり曇ったりしているせいもあり、気温は低め。
時折ざっと風は吹くものの、強くはなく、歩きやすいコンディションです。
山頂はここから20分ほど先…。最後の力を振り絞って歩きます。




16時過ぎに、ようやく南岳の山頂に到着しました。
穂高岳や槍ヶ岳に比べると地味な印象の山ですが、標高3023mと日本の3000m峰に含まれる高い山です。
上高地からの総標高差は1650mありましたから、それは時間もかかるし、疲れるわ〜。

南岳小屋と大キレットの夕景
南岳から10分ほど下ると、南岳小屋に到着します。ここが本日の宿です。
着いたのは16時半。上高地バスターミナルを出発して12時間…長い道のりでした。



部屋に荷物を置いて、汗を拭いたり着替えたりしていると17時45分。
お待ちかねのご飯タイムです♪
食堂に行くと人はまばら。今日は宿泊者が多いわけではなさそうです。

おかずビッフェスタイルでお皿を持って食べれる量を取っていきます。
メニューは生野菜(キャベツ、トマト、ブロッコリー)で、佃煮と煮物、魚の煮付け、つくね、揚げ餃子、デザートにみかんゼリー。ごはんとポトフ(じゃがいも、にんじん、ウィンナー)がつき、充実のラインナップ。
ビッフェスタイルですが、2個ずつ…みたいな制限があるので取りすぎ注意ですw


席についてご飯を食べようとしたとき、気持ち悪くなってしまい、珍しく食が進みませんでした。
やばい…つくねと揚げ餃子、食べれるかしら…?
どうやらシャリバテをそのまま引きずって、さらに標高が高い小屋に来て、軽い高山病になったのかもしれません。
でも、食べないのと体力がつかないし、そもそも取ったものは残さず食べなきゃいけない。
ゆっくり、頑張って口に運んでいるうちに、だんだん元気が出てきました。最後は力がみなぎってきて、完食。
すごい…食べ物って優秀。本当にエネルギーになるんだな、と実感しました。
ご飯を食べ終わって暫くしたら、外では雲が晴れてきました。
明日にルートの大キレットを見に行きます。小屋の裏の高台に登ってみました。
そこから見えたのは、夕日を浴びた大キレットと北穂高岳の絶景でした。
うすくたなびく雲をまとった岩稜の山と、そこに連なる痩せ尾根…憧れの大キレットが目の間にありました。




実はこの日、翌日の天気予報は、雷に雨の大荒れでした。朝は曇で、午前中の早くから雨が降る予報。
早朝4時に出発し、大キレットをとりあえず北穂高小屋へに行き、天気次第で穂高岳山荘を諦め、涸沢に下山しようと決めていました。
でも、南岳小屋からのこの雄大な大キレットを見ていると、明日はキレットを越えたい!という気持ちが湧いてきます。
きっと、朝は大丈夫♪と思って、この日は早々に眠りにつきました。
