【マルチピッチ初級】乾徳山 旗立岩

クライミング

今年からチャレンジを始めたマルチピッチクライミング。まずは初心者向けということで乾徳山に行ってみました。
乾徳山は登山を始めたときに、初めての岩場ということで何回か訪れた山。
今回は十年ぶりぐらい(?)、久しぶりに登ってみて、やっぱり楽しい山だなーと思いました。
マルチピッチも1ピッチ目がやや難しいものの、初心者でもトレーニングできる、いい場所でした。

※マルチピッチクライミングは初級といえどもリスクを伴います。きちんとしたロープワークの技術を身につけ、安全管理をきちんとした上で、初心者は先輩やプロの方と一緒に行くことをおすすめします。

【アクセス】車にて大平高原
【行程】 
大平高原登山口→[歩2hr]→懸垂ポイント→取付→中央稜(3p)→第一岩稜(1p)→乾徳山山頂→[歩1.5hr]→大平高原登山口
【乾徳山・旗立岩】
乾徳山は標高2031m。通常の登山でも岩場や鎖場を登ったりおりたりと、岩稜歩きを楽しめる山です。
今回マルチピッチは山頂近くから懸垂下降を2回して下った後、取付まで10分ほど歩いてから、中央稜3ピッチをクライミング。
雨乞岩という山頂近くの登山道あたりに出た後は、少しそれて第一岩稜1ピッチを登ると、乾徳山山頂へ到達します。
難易度としてはⅢ級と5.6グレード、カムもほぼ必要ない、初級のマルチピッチです。
1p:5.6(30m) 2p:Ⅲ級(35m) 3p:Ⅲ級(35m)4p:Ⅲ級(40m)

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大平高原登山口から懸垂下降地点へ

今回は、車で大平高原登山口へ。
手前にある大平牧場の駐車場に止めます。1日800円をお支払い。
歩き始めは、少し遅くて9時。ここから2時間ほど乾徳山山頂近くまで登っていくので、クライミング開始は12時近くになりそうです。

大平牧場駐車場
大平牧場駐車場 1日800円
大平牧場駐車場
大平牧場の登山口から登ります。ここから2時間登ります
乾徳山 登山道
大平牧場の登山口から登ります。懸垂下降地点までここから2時間。

10時に扇平に到着しました。ここで1回休憩。
今日は晴天で、雪をかぶった富士山がとてもキレイに見えます。
右手には南アルプスが連なっていて、4月の初春らしい山の景色も楽しめました。

乾徳山 扇平
扇平から眺める富士山。今日は快晴です。

乾徳山 扇平
南アルプスかな?雪をかぶった山々が見える

ここから山頂付近までまた1時間ほど、急登を登ります。
最初は樹林帯ですが、そのうち岩場になって、ロープや鎖を使って岩をよじ登っていきます。
乾徳山は山初心者のときに、岩場の練習にやってきた山。当時も岩稜歩きが楽しくて、この山には何回か訪れていました。
ここでマルチピッチクライミングをすることになるとは、当時は全く思っていませんでしたけどw

乾徳山 登山道
登山道途中の岩場からも富士山がよく見えます

乾徳山 カミナリ岩
カミナリ岩を登る
乾徳山 胎内
胎内をすぎると懸垂地点はすぐそこ

「胎内」という岩を巻いて、少し登ると、登山道右手が少し開けた崖の上になります。
その崖の上を進むとすぐ、岩が切れ落ちていて、山肌と岩の間を下る懸垂ポイントがあります。

懸垂下降から開始、取り付きへ

崖の上の開けたところでクライミング用の装備を装着します。
ハーネス、ヘルメット、セルビレイコード、カラビナ、クィックドロー、スリング。
ダブルロープをさばいて、セルビレイコードをかかっているロープにかけて安全確保し、懸垂の支点へ。
以前来たときはカラビナがなく、残置して戻ってきた時に回収していたのですが、今回はカラビナがありました。
それでも、自分の環付カラビナ2つを懸垂の支点にし、下りていきます。

1本目の懸垂は、狭い岩の間を下ります。足元には細かい石と、今に落ちそうに動く大きな岩があるので、石を落とさないように気をつけて下ります。
ロープは上から送り出してもらうスタイルのほうが、場所が狭いので下りやすいと思います。

乾徳山 懸垂ポイント
懸垂点の前で装備をつけ、ロープをさばく
乾徳山 懸垂ポイント
赤いロープがかかっています。このロープの向こう、岩の間が1本目の懸垂
乾徳山 懸垂ポイント
1回目の懸垂が終わったところ。岩野割れ目沿いに下ります。

1回目の懸垂は30m弱で、切り立った岩の間を下りきると、岩を背にすると右側に次の懸垂用の支点があります。
今回は5人のパーティだったので、ロープが4本あったため、トップとセカンドがロープを持っておりて、2回目の懸垂支点を作って先に2回目を下りる、1回目を最後に下りた人が1回目の懸垂ロープを落として、4人目と5人目がそのロープを担いで、2回目の懸垂を下るという手順にしました。

乾徳山 懸垂ポイント
2回目の懸垂支点

乾徳山 懸垂ポイント
2回目の懸垂はロープ全部使って50mで下りる

2回目の懸垂はロープギリギリ50mまで下ります。
最初は石がいっぱい転がっている岩場なので、懸垂中は石を落とさないように要注意。
その後は、右手の木立の中にうっすら踏み跡と、ピンクテープがあるので、それ頼りに急な山肌を取り付きまで10分程度歩きます。道がわかりにくいので、安全な道を見極めながら、岩の斜面を巻いて進みます。
何回か間違って登りすぎたりしながら、右手に旗立岩らしい岩山が見えたら、右に曲がって取り付きに到着。

乾徳山 取付きまで
2回目の懸垂が終わったら踏み跡を辿って取付へ

乾徳山 取付きまで
道はわかりにくいのでピンクテープを確認しながら進みます

乾徳山 取付きまで
右手に岩山を見ながら巻いて歩きます

乾徳山 取付きまで
岩にぶちあたったら右折すると取付。目印のピンクテープもあります。

旗立岩中央稜

懸垂ポイントで休憩と、懸垂で手間取ったせいか、旗立岩の取り付き1p目を登り始めたのは13時前…。
4月で日が長いし、天気もよくコンディションは良かったので、そのままクライミングを開始します。

乾徳山の旗立岩は1p目が核心。岩の先がすこしハングしているので、そこを目指して右寄り進み、
右のコーナーの岩に手をかけて、ハングの部分を右から登るほうが簡単です。
ハングの岩を乗り越えるときに、岩の割れ目にカムを入れることもできますが、ほぼ使う必要はないです。

岩を乗り越えてちょっと進むと、岩のくぼみに小さなハーケンとリングがあるので、最初のパーティーはそこで支点を作ります。
2番目のパーティーはその手前、岩の横で岩を利用してい支点を作ることができます。

乾徳山 旗立岩中央稜
旗立岩1p目、右側から巻く方が楽
乾徳山 旗立岩中央稜
1p終了点からボディビレイ。2p目は写真上部中央の岩山横で支点を作る

乾徳山 旗立岩中央稜
2p目 終了点

2p目、3p目は難しいところはありませんが、ペツルなどはほぼないので、岩や木でナチュラルプロテクションをとって安全確保しながら登ります。2p目の終了点は、よく見ると岩にペツルがあり、もう1つは岩にスリングを巻いて支点を作ります。
以前来たときは、2p目で支点を作る場所がわからなくて、そのまま3p目の支点まで行ったのですが、ロープがほぼ足りなくなるので、要注意。必ずどこかで2p目の支点を切るとよいです。

3p目は岩を巻かずにそのまま登っていきます。
終了点にはしっかりしたペツルが2つあるので、きちんと支点を作ることができます。

乾徳山 旗立岩中央稜
3p目終了点は岩の上
乾徳山 旗立岩中央稜
3pめの終了点、ペツルあり。
乾徳山 旗立岩中央稜
3p目から下を見下ろした感じ
乾徳山 旗立岩中央稜
終了点の上を岩伝いに進むと登山道近くに出ます。

4p目は岩を向いて左手、少し離れたところにある第一岩稜なので、そこまでは歩きです。
支点を作った岩の上に出て、まっすぐ歩くと「雨乞岩」に出て、登山道に出ます。

乾徳山 旗立岩中央稜
3p目の終了点から出てくると「雨乞岩」

第一岩稜

ロープを担いで雨乞岩から登山道に出ますが、すぐにまた道をそれて、左手に見える岩山「第一岩稜」を目指します。
5分ほど歩いて取り付きへ。
途中の道は、崖の上を歩くのでずり落ちないように気をつけつつ歩きます。
最終ピッチは40mほど。
出だしは、左側にペツルがあるのですが、左に行くと手足がなくて登りにくいため、ペツルのない右から巻いていくと登りやすいです。岩壁の上に出たら、トップの岩を左を巻いて、そのまま直進していくと山頂直下に出ます。
登山道の鎖場を終了点します。

乾徳山 第一岩稜
雨乞い岩から山頂方向を崖沿いに進むと第一岩稜

乾徳山 第一岩稜
第一岩稜取付
乾徳山 第一岩稜
ルートを間違えると難しい。右回りがおすすめ。

乾徳山 第一岩稜
最終ピッチの支点はここで作ります。登山道の鎖場のところ

2パーティ5人で、トップアウトして山頂についたのが17時。
取付をスタートしてから4時間ほど立っていました。

乾徳山 山頂
乾徳山山頂。トップアウトは17時。やや遅い…
乾徳山 山頂
乾徳山山頂からみた富士山。キレイ〜!

乾徳山山頂から大平牧場へと戻っていきます。
扇平に戻ってきたのは、17時40分でしたが、まだ富士山もくっきり見えています。
空気が澄んでいて実にきれい。今日は富士山に見守られたよい1日でした。

乾徳山 扇平
扇平に戻ってきたときは17時40分でした。
でも富士山はきれいに見える。

大平牧場の駐車場に戻ってきたときには6時半。
かなり遅い到着とはなりましたが、春は日が長いので、ヘッドランプを使うことなく、下山することができました。

クライミングは初心者レベルですが、懸垂が2回あったり、2時間山を登ったり、ナチュラルプロテクションだったりと、アルパインの要素がある乾徳山のマルチピッチ。
この先、谷川岳や北岳を目指す練習にはちょうどよいと思いました。