【白峰三山縦走①】木の階段続く八本歯コルと大混雑の北岳山荘(北岳)

南アルプス

2年前に北岳に登ったのですが、雨風が強くて視界がなかったので、今回はリベンジ登山。ついでに間ノ岳や農取も縦走しちゃおうというよくばりプランを企画しました。北岳(3193m)は日本で2番目、間ノ岳(3190m)は3番目に高い山で共に百名山です。これらと農鳥岳(3026m)を含めて白峰三山と言い、南アルプスの3000m級の山をつなぐ人気の縦走コースです。

【北岳】
山梨県 百名山 標高3193m
登山レベル ★★★★☆(中上級:左俣ルートの場合)

富士山に次いで日本で2番目に高い山。
南アルプスの白峰三山の1つ。
標高はありますがルートによっては登りやすい。
甲府からバスで広河原へ2時間弱。広河原から登山口へ。
北岳近くにには「北岳山荘」「北岳肩の小屋」の山小屋があります。

【北岳山荘】
利用料金1泊2食:8700円〜 テント場利用料金:800円
北岳の麓にあります。山荘の予約は十名以上は必要ありません。
週末は混雑するようで1つの布団に3人になることも珍しくないとか。
>>北岳山荘(南アルプス.net)

【山バッチ】
北岳山荘や北岳肩の小屋で購入できます。

【行程】
縦走日程:2014年9月13日〜9月15日(夏山)
1日目:奈良田→(バス)→広河原→二俣→(左俣コース)→八本歯→北岳→北岳山荘(泊)
2日目:北岳山荘→中白根山→間ノ岳→農鳥小屋→農鳥岳→大門沢小屋(泊)
3日目:大門沢→奈良田

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奈良田から広河原へ

金曜日の夜、車で奈良田に入りました。
車で仮眠をとって、朝の5:30の奈良田→広河原のバスに乗るためバス停に並びましたが…もうすでに50人以上の人が待っています。
9月最後の三連休だけあって登山客の数がハンパない。

奈良田バス

↑奈良田で待っていたバス。ちょっと小さめな路線バスが三台。

「乗れない可能性があります!」
と、バスの職員さんが叫んでいましたが…どんどんバス待ちの行列が増えていく状況。いや〜絶対全員乗れないでしょ…と思いました。

出発の40分前ぐらいに並びはじめた私達はバスに乗ることはできましたが、既に座れる席はなく立つしかありませんでした。それでも乗れただけよかったのかも…。半分ぐらいの人がバスにも乗れないで、次のバスを待つことになりました。次は9時のバスなので、臨時の増発便が出ないと行程が遅れてしまいますね。

バスに乗れたのはよかったものの、低血圧の私が朝一番、ぎゅうぎゅうのバスで立ちながら、山道を荒い運転で走るバス乗っている…。途中で気持ち悪くなって、不覚にもバスの床に座り込むことに。
顔から血の気がひいて、脂汗が出そうになっている…。
くねくねと続く細い山道。そしてぼんぼん飛びはねる激しいバスの運転…。

-もう駄目だ・・・バス止めて~~

限界を感じた瞬間
「もうすぐ、広河原です」
と社内にアナウンスが…。

その声に、残り5分を耐え抜き、ようやく広河原に到着しました。

・・・うげ。気持ち悪い・・・。

山登りにして、残念な出だしでした。

さて、着いた広河原は大賑わい。甲府の方からもバスが続々とやってくる。
広沢峠に行く人もいれば、北岳を目指す人もいるわ…
ここで友人と待ち合わせをしていたのですが、人が多すぎてぜんぜん見つからない…。

広河原に人がたくさん

恐るべし三連休。恐るべし登山ブーム。
前日にテント泊しているであろう友人を探しに、広河原山荘に向かいます。

広河原のバス停から広河原山荘は歩いて10分程度。
川を渡り、広河原山荘を目指します。

北岳あたり
▲北岳のある方角。高い山が見えて、今日中にあそこまで登れるのかちょっと不安になりました。

吊り橋
▲吊り橋を通って川を渡ります。

川上を眺めると、向こうに山々の姿が見えます。
朝は空気が澄んでいて見通しがよく気持ち良い…。

広河原

広河原山荘に到着。ここも混雑していましたが、友人と無事会うことができたので、いよいよ、ここから北岳への挑戦が始まります!

広河原山荘
▲広河原山荘。北岳に向かう場合はこの山荘の脇から登っていきます。

広河原から大樺沢二俣

9月の三連休。登山道も混雑していました。
広河原山荘からまずは二俣を目指します。二俣は北岳に登る際、右と左の二つのルートに分かれる起点になる場所です。山荘からコースタイムで約2時間。
川沿いを登っていくルートとなります。

広河原山荘~二俣

広河原山荘~二俣
▲三連休の南アルプスは大混雑…列をなして歩きます。

広河原山荘~二俣
▲道は川沿いに歩いていくので、足下は水浸し。

広河原山荘~二俣
▲草木の間を流れる水が見目に心地よい。

広河原山荘~二俣
▲遠くに目指す山々を眺めながら川沿いの道を登ります。

広河原山荘~二俣
▲花もたくさん咲いていました。こちらは何の花だろう?

広河原山荘~二俣
▲1時間ほど歩いて、ようやく二俣までの道のりの半分来ました。

広河原山荘~二俣
▲木の板はしごで川を渡るところ

広河原山荘~二俣
▲河原の大きな岩が転がる横を通ります

広河原山荘〜二俣
▲登ってきた道を振り返ると山の稜線がきれいに見えます。

二俣
▲二俣に到着。

大樺沢二俣
▲休憩している人がたくさんいます。どこも混んでいます。

大樺沢二俣 バイオトイレ
▲二俣にあるバイオトイレ。ここからしばらくトイレはありません。

右俣
▲右俣ルートの方向。

前回は右俣ルートで登りました。右俣の方が初級者向け。木立の中をうねうねと蛇行しながら上っていき、肩の小屋へたどり着きます。

二俣から左俣ルートで八本歯のコル

二俣で少し休憩をして、山頂に向けて出発します。
今回は左俣ルートをとります。雪渓の横を通って岩が転がる道を上っていきます。

大樺沢二俣
二俣~八本歯

ここからが、かなり急斜面になり、登るのに苦労します。
斜面に咲く花や、時折振り返って見える山々を励みにひたすら急斜面を上がっていきます。

二俣~八本歯
二俣~八本歯
二俣~八本歯

急斜面と闘いながら二俣から1時間ぐらいすると
北岳バットレスの雄大な姿が見えてきます。

北岳バットレス

バットレスはクライミングをする人もいるようで、よく見ると切り立った壁を登る人の姿が。
クライミングしている人のかけ声のようなものも響いていました。

バットレスを眺めて小休止し再び歩き出すと、八本歯のはしごが姿を現します。

八本歯コル

おお・・・結構垂直だし、長いね・・・。
と圧倒されることしばし。
バットレスを横に眺めながら、私たちも梯子クライミングスタート。

八本歯コル
八本歯コル
八本歯コル
八本歯コル

梯子、長いです。
途中で梯子を修理している人に出会いましたが、修理の人は荷物を運んでいるとのこと。重い機材をもって、この梯子を上るのだろうか…すごい体力。

がんばって登ったけど、梯子と急斜面はもう少し続きます。

八本歯コル
八本歯コル

コルから北岳山頂へ

ひたすら登って登って、トラバースの分岐点までやってきました。
結構体力を使います。北岳山頂まではまだまだ・・・疲れたぁ。

八本歯~北岳山頂

気を取り直して、また登り始めます。
梯子とかはなくなったのですが、岩の斜面に設定された木の道に沿って登っていきます。

八本歯~北岳山頂

やっと吊尾根分岐点に到着。ここまでの登りが今回一番しんどかった・・・。
北岳山荘に泊まるので、荷物をここに置いて、身を軽くして山頂アタックします。山頂はもうすぐ・・・

吊尾根分岐点
北岳山頂へ
北岳山頂へ

山頂付近はごつごつした岩だらけ、道も少し狭いです。

北岳山頂へ

そして…14時ちょっと過ぎ。
7時の出発から7時間、高低差1600mを登りに登って…北岳のてっぺんに到着!!

北岳山頂

前回来た時も山頂は雨で曇り。何も見えませんでしたが…
今回は少しずつ晴れてきて、少しだけ展望がありました!

北岳山頂
北岳山頂に到着!
北岳山頂
北岳山頂

本日泊まる予定の北岳山荘も見えます。

北岳山頂

北岳山頂から大混雑の北岳山荘へ

山頂で少し休憩をして、北岳山荘を目指して降りはじめます。
ここから1時間ぐらいで着く予定ですが、もう3時近くなので、少し急ぎ目で。

北岳山頂~北岳山荘
北岳山頂~北岳山荘

振り返れば北岳が雲に包まれながら、私たちを見下ろしています。

吊尾根分岐に戻り、荷物をピックアップして、北岳山荘へ向かいます。
眼下は雲がひいて、山々が見渡せる気持ちのよい晴れ。

北岳山頂~北岳山荘
北岳山頂~北岳山荘
北岳山頂~北岳山荘
北岳山頂~北岳山荘

北岳山頂~北岳山荘
下山途中の北岳の雄姿

北岳山頂~北岳山荘
見上げた空、雲が迫力をもって空を覆っていました。

北岳山頂~北岳山荘
テントがいっぱいの北岳山荘に到着。

北岳山荘

9月の三連休だけあって、すごい人でした。
北岳山荘は予約をとらないので、受付の人も混乱気味。
3時半に着いて受付したのですが、部屋を割り当てられたのは6時頃。
3時間近く待ってようやく部屋に入れました。かなりへとへと…。

北岳山荘
▲部屋に入るのを待って並ぶ人々。

その後もダブルブッキングで割り当てられたふとんにすでに人がいたり、
私たちはロフトだったので1つの布団に2人だったのですが、通常の部屋は一つの布団に3人だったらしく、山女子たちの不満げな声がもれていました。

うーん…やっぱりテントがよいか…。
しかし、北岳のこの斜面をテントを運ぶのは、ほんとにキツイと思う。
(今回のメンバーにテントを担いだ女子がいたのですが、彼女のガッツには感服しました)

とはいえ、お楽しみのごはんタイム!!

北岳山荘
▲サバの味噌煮、ポテトサラダ、佃煮、煮物、おみそしる、ごはん

北岳山荘
▲デザートのみかん寒天

山荘のごはんは素朴だけど、おいしいですよね。
やっぱり、山のごはんは最大の楽しみの一つです!

夜、寒い中、外に出てみると、満点の星がみえました。
闇の中たくさんのテントに灯る明かり…。

北岳山荘

山登りはタイヘンだけど、この夜のくつろぎタイムが充実感があって好き。