【南アルプス縦走②】台風の中、荒川小屋へ

荒川小屋から見たテント場
南アルプス

停滞覚悟で赤石避難小屋まで登った私たち。次の日の朝、天気予報を見た避難小屋のご主人が「今なら行ける!」ということで、荒川小山で2時間弱、雨の中を進むことになりました。

【全行程】※このブログは2日目の行程です
1日目:畑薙第一ダム→[東海フォレストバス]→椹島ロッジ→赤石小屋→赤石岳山頂→赤石避難小屋
2日目:赤石避難小屋(5:30)→赤石岳(5:35)→小赤石岳(6:05)→荒川小屋(7:30)
3日目:荒川小屋→中岳→悪沢岳→千枚岳→千枚小屋
4日目:千枚小屋→見晴台→吊橋→椹島→[東海フォレストバス]→畑薙第一ダム→(毎日あるぺん号)→新宿

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慌ただしく赤石避難小屋を出発

今日は避難小屋で1日を過ごすのかなぁとか思いながら、のんびりと起きました。外は風の音はしているけど、雨はそこまでひどくない様子。

下の階に下りると、ご主人がTVの天気予報を見て「今ならまだ行けるな」とおっしゃいます。今日のんびりしようと思っていた私たちは「行くなら急げ〜」と発破をかけられて、朝ごはんもそこそこに、登山の支度を整えて、レインウエアを着込みました。「台風と競争だな〜。気をつけてな」とご主人に送り出されて、私達は居心地良かった赤石避難小屋を出発しました。

時折、強風がざっと吹き体が持っていかれそうになります。雨は小雨で昨日よりはマシな方。台風の本体が来る前に行けるところまで行くしかない。覚悟決めて、歩きだします。昨日通った赤石岳の山頂を通り過ぎ、必死に登ってきた椹島への合流点も過ぎて、尾根沿いに進みます。

雨は山の東側の方が風が強いので、尾根道が東側になると強風にさらされます。雨も降っているし、写真を撮っている余裕がまったくありません。さっさと荒川小屋に着きたくて、必死で進みました。

それでも、6時過ぎに「小赤石岳」のピークに到着。赤石岳と同じく真っ白の景色で感動はありませんでしたが、写真は撮りました!

小赤石岳山頂
出発してから30分ぐらいで到着。何も見えない…

小石赤岳から大聖寺平までは山の西側を少し下りて歩いていきます。おかげここは雨も風も穏やかな状態になって歩きやすく助かりました。

大聖寺平は分岐になっていて、間違えないように気をつけて「荒川小屋」の方へ歩きます。小屋までは30分ほどなのですが、今度は山の東側を歩くので雨と風が強くなりました。

いつになったら小屋に着くんだろうと、曲がり道になるたび小屋の屋根が見えないか探すこと数回、ようやく「荒川小屋」に到着。朝の7時半で、今日の行程は早くも終了です。

荒川小屋受付
荒川小屋の受付

屋根があって乾いた室内に入るとホッとします。入ったところにストーブがあり、その上にレインウエアやぬれたものを干しました。
木で作られた小屋はキレイで可愛らしい建物でした。東海フォレストの小屋はどこも清潔で綺麗。南アルプスの北側の小屋はいつも人でいっぱいで、なかなかハードな小屋も多いことを考えると、実に快適です。でも、なぜかトイレは建物の外にあって、必ず外を歩いて行かなきゃいけないというのが難点ではあります。

今日は登山客も少ないということで、小屋に停滞している人が数組で、静かな状態でした。

荒川小屋でのんびり過ごす

布団でぬくぬくして温まり(自炊だったのですが別棟ではなく、本館の方に寝床を頂きました)、食堂でお茶を飲みながら山の雑誌を読んで、長い時間を過ごしました。途中、この嵐の中をやってくるお客さんが何人かいました。一人は外国人で、なんとこの台風でテントを張るそうです。小屋の人が木に囲まれた風に飛ばされにくい場所に案内していました。

かと思えば、塩見の方から縦走してきたという男性が「どうしよう、先に行こうかなー」と悩みながら地図を広げています。彼はミニマリストで、ウルトラライトの登山スタイルだそうです。「トレイルランですか?」と聞いたら「登山です」とのお答えでしたが、塩見を出発して、昼過ぎにこの小屋に着くなんて早すぎです。

ランチタイムは、マフィンパンと、昨日の残りのコーンビーフでサンドイッチを作り、お湯を沸かしてコーヒーと楽しみました。

天気予報では、台風はまだのんびりと静岡の沖にいるとのことでした。夜には太平洋側へ移動するので、明日の朝からは晴れなんじゃないかな…と願います。

ふと外を見ると、雨がやんで雲が晴れていました。せっかくなので外に出て、荒川小屋周辺の景色を確認します。

荒川小屋周辺の景色
荒川小屋から見える山。建物は別棟だそうです
荒川小屋周辺の景色
荒川小屋から中岳の方面を望む
荒川小屋のテント場
荒川小屋のテント場
荒川小屋の水場
荒川小屋の水場
テント場から見た荒川小屋
トイレ側から見た荒川小屋
青空が見えた!
奇跡!青空が見えた!

晴れ間を見て、先程のウルトラライトの男性が「あーもうちょっと先に行けばよかったー」と言っていました。彼の強靭な肉体は、本当にすごい…。

ダラダラと時をすごしていると、夕飯の時間になり、自炊の私達は食堂で料理タイム。今日のメニューはイタリアンもちスープと、明太アスパラスパゲッティにしました。

テント泊の外国人が、インスタントスープのような質素なご飯を食べているのを見て、思わずちょっと差し上げたのですが、明太パスタがちょっと辛かったようです。拙い英語でちょっと話したら、彼はポーランドから来ているとのこと、今は3週間ぐらいのホリデーの最中で、日本を旅しているそう。日本の山が好きで何回か来ているそうです。しかし、本当にこの台風の中、テントで寝るなんてツワモノです。

周囲は暗くなって、また雨と風が強くなってきました。台風がこの夜の間に言ってしまうこと願いながら、夕ご飯を食べつつ、持ってきた「梅ブランデー」で夜を過ごし、眠りにつきました。

1日目山旅(椹島→赤石岳)はこちら
2日目山旅(赤石避難小屋→荒川小屋)はこちら
3日目山旅 (荒川岳→千枚小屋)はこちら
4日目山旅(千枚小屋→椹島)はこちら